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【新車情報】ついに出た!スズキ ジムニーの5ドア「ジムニー ノマド」発表!

2025年1月30日

やっとというべきか、いよいよというべきか、日本国民待望の(?)ジムニー5ドア「ジムニー ノマド(Jimny Nomade)」の日本市場への発売が正式に決定した。その名も懐かしいノマドというネーミングが与えられた5ドアは、桜の花が散るころの発売予定ではあるが、一足早くJB64 ジムニーオーナーでもある大林晃平が現車をチェックしてきた。

今回正式発表となったジムニー5ドアは「ノマド」という。言うまでもなく、それはかつてのエスクードにオマージュしたに違いない「遊牧民」というネーミングだが、ジムニーとジムニーシエラが従来通りに静岡湖西工場生産であるのに対し、ノマドはインドのグルガオン工場で生産され輸入される。

簡単に言ってしまえばホイールベースを340㎜延長し、ドアを2つ付けただけではあるが、悪路走破性を決して犠牲にしていないということもスズキは主張している。

ジムニー ノマドの登場で実用性が格段に高まった。

その内容は多岐にわたり、エクステリアはフロントグリル、Aピラー以降(リアドアを除く)がノマド専用、延長されたラダーフレームにはセンタークロスメンバーを追加、後部プロペラシャフトの長さ、直径を拡大、フロントサスペンションのチューニング、スタビライザー径の拡大、ベンチレーテッドディスクの採用を採用。これらによってシエラのオフロード性能を継承し、上級、上質を目指した。

ホイールベースが長くなっているのがよくわかる。

エンジンはもちろんシエラと同じ102馬力の4気筒1.5Lエンジンだし、フロントシートに座って前を見ている限りなにも変わらない。今回は試乗会ではなかったため走行に関してはなんとも言えないが、本当に短時間、短距離だけ触れさせていただいた印象から言えば、静かさや乗り心地などはシエラとほぼ同じであった。(といってもちゃんと走行したわけではないので、改めてインプレッションはお届けしたい)

なおノマドにも4速オートマチックトランスミッションと5速のマニュアルミッションを選べるのはスズキの良心ともいうべきで、マニュアルミッションで乗れる純内燃機関の小型SUVという他にはないジャンルの商品として、オートマチックトランスミッションモデル同様、人気を得ることは必須なのではないだろうか。

ジムニー ノマドはシエラと同じ4気筒1.5LのK15B型エンジンを搭載。

それよりも皆様が気になるのはリヤのスペースや乗降性だと思うが、リヤのスペースはヘッドルームもレッグルームも必要以上のスペースで、日常使いではまったく問題がない広さといえる。リヤシートそのものは若干小ぶりでリクライニングの角度も限定されているが、3ドアのジムニーのリヤシートよりももちろんちゃんとした(?)しつらえのリヤシートとなっている。だがそれが原因となりリヤシートをたたんでも荷室はフラットにはならないため、シエラや軽のジムニーのように車中泊をするには(このままの段差では)ちょっと厳しい環境ではある。今後この段差を無くすパーツがオプション設定されるようだ。

ノマドの後席。前席のシートポジションは身長170cmのドライバーに合わせた状態。

リヤシートをたたまない状態でも、思っていたほど狭くはないが決して広大といえるほどではない。全長を3890㎜に収めたために仕方ないことではあるが、4人の荷物満載してのキャンプというような使い方にはつらいかもしれない。それでもスリードアモデルから比較すると圧倒的に広く、買い物などでの荷物程度では不満はそれほどでないだろう。またリヤのドア自体は決して大きくはないため、車高が高いこともあり乗降性にも若干の覚悟(?)が必要とはいえるが、それでも5ドアが出たことにより、今まで躊躇していたファミリー層が購入に踏み切る可能性は高いだろう。

実用性が高まったカーゴルーム。後席背もたれを倒すとできる段差が気になるが、それに対応するオプションパーツが出る予定。

もちろんインドのグルガオン工場で作っていると言っても品質などにおいては不安になる必要などないし、日本生産のクルマとの差異を詳細にチェックしなければ見つけることはほぼできそうにない。細かく見ればバッテリーもガラス(サンコバンインド)をはじめ細かいパーツ類もインド製ではあるが、違和感などは皆無である。

スズキ社内でも賛否両論あったというノマドのグリル。ガンメタリックのベースに5スロットリングにメッキが施されている。

最後に社内でも喧々諤々の意見が出たというメッキグリルではあるが、デザイナー氏によればハマーのようなグリルを選べる可能性も作っておきたかったとのことだ。このメッキ五連グリルが気に入らなければ、普通のシエラと同じグリルに後々交換することも可能だし、スズキというロゴの入ったオプションのグリルももちろんノマドにも装着できる。

スズキの広報、デザイン担当者にジムニー ノマドについての詳細説明をいただいた。

カラーバリエーションは新色のシズリングレッドメタリック(ブラックルーフとなる)とセレスティアルブルーパールメタリックを加えて6色。個人的にはグレーがないことは残念だが、ジャングルグリーンとシフォンアイボリー(ブラックルーフ)が選べることは好ましいと思う。

ジムニー ノマドは6色のカラーバリエーション。

おそらく発売と同時に長いウエイティングリストが生まれることは間違いないし、今まで5ドアがないばかりにジムニーの購入を躊躇していたユーザーもこれなら、と背中を押されることは確かだろう。個人的には一番売れるのは今まで通り軽自動車のジムニーだと思うが、シエラとノマドではノマドの方を選ぶユーザーが多いのではないか、というのが予想である。その価格はざっくりとシエラJCの60万円アップである。

価格(税込):ジムニー ノマド
4WD・5MT:2,651,000 円
4WD・4AT:2,750,000 円

フォトギャラリー:スズキ ジムニー ノマド

Photo:SUZUKI

Text:大林晃平
Photo:アウトビルトジャパン