【史上最強ディフェンダー登場】「ランドローバー ディフェンダー オクタ」はレーシングカー、ラリーカー、そして冒険家のためのモーターホームとなる
2025年2月9日

ランドローバー ディフェンダー オクタ(Land Rover Defender Octa):新型ディフェンダー オクタは、なんと635馬力を誇る。ディフェンダー オクタはレーシングカー、ラリーカー、そして冒険家のためのモーターホームとなる!
最初の人生では、冒険家であり、労働者であり、そして何よりも個性派俳優だった。結局のところ、「ランドローバー ディフェンダー」は60年以上にもわたって大きな変化もなく、アイコン的存在であり続けてきた。そして、もはや誰もこの旧式の頑丈な馬車を欲しがらなくなった。
しかし、その後、「ランドローバー ディフェンダー」は生まれ変わり、オリジナルの良さを損なうことなく、突如として幅広い層に手が届くようになったデザイナーズカーへと変貌を遂げたのだった。そして、その変貌は成功を収めた。価格が2倍以上に値上がりしたケースもあるにもかかわらず、新車登録台数は大幅に増加し、5年近く前の世代交代以来、その傾向は続いている。

ランドローバーはさらに優れたディフェンダー「オクタ」をラインナップの頂点に据えた。「オクタ」は、ダイヤモンドと並んで自然界で最も硬い物質である八面体の名前に由来している。1948年のデビュー以来、最も頑丈な「ディフェンダー」であるだけでなく、歴史上最も優れたモデルでもある。言うまでもなく、「ディフェンダー」にとって、これは大きな意味を持つ。
4.4リッターBMWエンジン搭載のディフェンダー オクタ
英国人は主に3つの分野で変更を加えた。まず、もちろんエンジンだ。以前はV8でも500馬力が限界だったが、今では635馬力までパワーアップした。しかし、自社製のV8エンジンではもはや「ユーロ7」基準のハードルを越えられないため、5リッターエンジンを諦めて、「レンジローバー」のようにBMW製の4.4リッターエンジンを搭載した。これは必ずしも不利なことではない。

これに加えて、「レンジローバー スポーツ」からの移植部品として、横揺れ、縦揺れ、ピッチングを防止する超高速油圧サスペンションシステムが搭載されている。さらに、より広いトレッド、約4cm高い地上高、より優れたアプローチアングルとディパーチャーアングルにより、活動範囲が広がっている。
もちろん、見た目も非常に印象的だ。フェンダーは合計7cm拡幅され、アスファルトの上でさらにたくましく見えるようになった。カーボン製文字と装飾インレイにより、多くの愛好家たちの注目を集めるだろう。

ランドローバーが「オクタ」のロゴとして選んだ、かなりシンプルなひし形には、どこか神秘的な雰囲気がある。幾何学的なギミックというよりも、むしろボンド映画に登場する悪役のリーグを彷彿させる。ただ残念なのは、「オクタ」モードでも、あまりに静かな運転で、ボンネットの下の原動力をほとんど聞くことができないことだ。サウンドと連動して振動する新しいシートでさえ、それを補うことはできない。
しかし、エンジンから伝わる感覚はより一層強くなる。なぜなら、重厚なトレッキングブーツでペダルを床に踏みつけたら、最大800Nmのトルクを発揮し、突進するサイのようにアスファルトを駆け抜けることができるからだ。V8エンジンは、この巨体を完全停止状態から時速100kmまで加速させるのにわずか4.0秒しかかからない。そして、開発者の理性が推進力を制するのは、時速250kmに達したときだけだ。

旧型の「ディフェンダー」では、その半分の速度でも息を止めていなければならないことがあったが、新型はレーシングラインを驚くほど正確に走る。ステアリングはよりシャープになり、サスペンションはよりしっかりしており、急カーブでも直立を保ち、コントロールしやすいのだ。
もちろん、「オクタ」の舗装道路でのパフォーマンスは素晴らしい。むろん、AMGやBMW Mのモデルも同様の性能を発揮できる。しかし、他の改造SUVとは異なり、「ディフェンダー」の真骨頂は舗装道路が終わったところから発揮される。
機敏なリヤを持つディフェンダー
マットベッカー開発責任者は、オフロード性能をさらに向上させた。通常の「ディフェンダー」よりも深い水深を走破する。急な岩場も難なく登る。しかし何よりも、砂利や砂の上を4WD車とは思えないほどのスピードと驚くべき俊敏さで駆け抜ける様は、まさに圧巻だ。

また、時には望ましいこともあるトラクションの喪失が発生した場合でも、新たにプログラムされたフライトモードがテイクオフを検知し、油圧サスペンションを調整してソフトランディングを実現する。ダカールのスペシャルステージでは、ラリードライバーになったような気分も味わえる。英国が公式に「オクタ2026」を砂漠のレースに送り込むのも当然だ。
路上ではより速く、オフロードではより頑丈に、そして大通りの上ではさらに存在感を示す。オクタは、史上最もパワフルな「ディフェンダー」であるだけでなく、最も多用途な車となるだろう。しかし、英国ではこの車にプレミアム価格が設定されている。ベース価格は18万5,300ユーロ(約3,050万円)で、次に価格の低い8気筒モデルよりも6万ユーロ(約990万円)も高い!
Text: Thomas Geiger
Photo: Land Rover