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安くはないが、リーズナブル 初代ホンダNSX メーカー公式リフレッシュプラン

2020年10月24日

ホンダNSX(1990): レストア、価格、アキュラ、フェラーリ

ホンダでのNSXリフレッシュプランは、新型VWパサートと同じくらいの費用がかかる。日本では、ホンダがNSXスポーツカーの工場レストア(修復)サービスを提供しているが、その「リフレッシュプラン」が拡張される方向であるという。価格を知るには覚悟が必要だ。

1990年、ホンダはNSXで、非常にキビキビとしたスーパースポーツカーを市場に送り出した。
フラットなウェッジシェイプ、リトラクタブルヘッドライト、ミッドエンジン、F1の伝説的存在であるアイルトン・セナがチューニングに関わったエンジンなど、視覚的にも構造的にも、フェラーリとの比較は正当化された。
そして今や、初代NSXは高価なクラシックカーとなり、フェラーリと同様に、メーカーによる公式なレストアプログラム「NSX リフレッシュプラン」が行われている。
ホンダによる「リフレッシュプラン」は非常に成功しており、プログラム予約は、現在約1年という待ち時間となっている。
しかし他の国でも、NSXオーナーはリフレッシュプログラムに大きな関心を持っているに違いない。
したがって、japanesenostalgiccar.comによれば、ホンダはどうやらこのプログラムを国際的に拡大する計画を前向きに考えているようだ。

当面の間、拡大計画は米国にのみ適用されるようだ

ホンダは、「リフレッシュプラン」の必要性があるかどうかを、2000人のNSXオーナーに尋ねた。
そして、それが実現した場合、顧客は様々な選択肢を持つことになる。
むろん、そのプログラムは安くはない。
まずは申込基本料として約1,000ユーロ(約12万5千円)支払った後に、車両総点検、診断、計測、調整、テストコースでの走行検査などから始まる。
ブレーキシステムのオーバーホールは、3800~4600ユーロ(約475,000円~575,000円)の費用がかかり、280馬力3.2リッターVTEC V6のオーバーホールには、約2万ユーロ(約250万円)の費用がかかる。

完全塗装は3万ユーロ以上

徹底的にリフレッシュさせたいのであれば、NSXに完全に新しい塗装を施すこともできる。
コストは、30,700~32,400ユーロ(約383万円~405万円)かかる。
(この金額で、真新しいVWパサートが買える!)
この段階でNSXは完全に分解され、ボディは修理され、新たに塗装されることになる。
このプログラムが実際にアメリカで実施されるかどうかは、まだ不明だが、ホンダにとってはそれだけの価値があるはずだ。
北米で、アキュラブランドで販売されているNSXは、ドイツよりもはるかに人気がある。
そのため、当面ドイツで当プログラムが提供される可能性は低い。

3.2リッター「VTEC」V6は、バージョンに応じて280馬力まで発揮する。電子制御スロットルコントロールとチタン製コンロッドを備えている。

このNSXのリフレッシュプログラムは、わが国日本ではずいぶん前から実施されていて、多くのNSXを愛するユーザーが使用している。
もちろんこのリフレッシュプログラムは決して安いものではないが、クルマをばらしてオーバーホールするだけでも大変だというのに、パーツを準備し、供給することも大変であれば、ちゃんと組み立て直して新車のようにすることがどれほどの労力を必要とするのか、考えてみればその大事さは言うまでもない。 長年継続しているホンダの英断に頭が下がる思いである。

さらにこれはメーカーのやっていることだから、その内容の要求水準や期待値は高くて当たり前だろう。そう考えれば、けっしてこの金額は高くはないし、やはり継続していることの素晴らしさは評価されてしかるべきである。
現行のNSXも将来こういうリフレッシュプログラムが用意されるのだろうか?

Text: Moritz Doka
加筆:大林晃平
Photo: Honda