【このクルマなんぼ?】走行距離たったの362kmの超希少なR34 GT-R 狂気の価格で販売中

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ニッサン スカイラインR34 GT-R Vスペック II ニュル(2002): 価格、購入

ほぼまっさらといえる、走行距離たった362kmのニッサン スカイラインR34 GT-Rは、現在狂気の価格で販売中! スカイラインR34 GT-Rの超希少なトップバージョン、「VスペックIIニュル」。156台のうちの1台を、「ミレニアムジェイド」で塗装したものが記録的な価格で販売されている!

JDM(日本国内市場)ファンの皆さん、ご注目!

JDMとは「Japan Domestic Market」の頭文字からくるもの。直訳すると「日本国内市場」なのですが、元々はアメリカ仕様のクルマを日本仕様に仕上げるカスタムを示す言葉。そこから転じて、日本のアフターパーツメーカーが販売する部品を使ったカスタムが施された日本車を表現する時にも使われるようになったというもの。

 つまり、アメリカで「日本仕様のカスタム」がかっこいいとされる風潮が広まっていて、その潮流は世界にも広がりつつあるのです。ちなみに、USDMってのもあります。これはアメリカ向けの純正部品を逆輸入する形で日本国内モデルに装着するカスタムです。

エンジンがN1バージョン

スカイラインR34 GT-R VスペックIIニュルは、R34のシリーズ生産バージョンのトップモデルで、生産終了年の、2002年にのみ販売された。
Vスペックは、「Victory-Specification(勝利のスペック)」を意味し、「II」は第二拡張ステージを意味する。
「Nür」はもちろん「ニュルブルクリンク」の略だ。
通常のVスペックIIとは対照的に、ニュルバージョンは、ボンネットの下に通常のRB26DETT直列6気筒ではなく、レースに最適化されたN1バージョンを搭載している。
強化ブロックやターボチャージャーの変更などが行われ、RB26の280馬力から330馬力にパワーアップされている。
また、標準モデルのGT-Rと異なり、より強力なブレーキ、より剛性の高いシャシー、カーボンファイバー製のエンジンフード、追加のエアインテークなどを兼ね備えている。
オプションとして用意されていた、ニュル専用のペイントカラー「ミレニアムジェイド」がこの個体に施されている。

スカイラインには損傷は一切ない。前オーナーは定期的な点検とメンテナンスを欠かさなかった。

以前の最高価格記録、ほぼ150,000ユーロ(約1,875万円)を大きく上回る

この個体はほぼ新車状態だ。
「JDMエキスポ」によれば、スピードメーターには走行距離362kmとあるだけだ。
マニュアルやサービスヒストリーなどの書類は全て揃っている。
こんなものが安くないのは自明の理だが、特別なスカイラインGT-Rでも、413,000ユーロ(約5,162万円)というのはかなりのものだ。
Mスペック ニュルのために支払われた、約267,000ユーロ(約3,337万円)が、現在までのGT-Rの最高販売価格だ。
そして、19台しか作られなかったニスモZチューンでさえ、過去にはそれほど高価ではなかった。

ビニールのカバーから、前のオーナーが車の新しい状態をどれほど細心の注意を払って保存したかが伝わってくる。

R34が5,000万円、かぁ。
先日、家の近所にある中古車センターで、強引に「香水」がBGMとして流される下、万国旗の下で売られていたR34が(GT-Rではなく、普通の4ドアモデルだったが)38万円という価格をぶらさげて売られていたことを思い出すと、なんとも複雑な気持ちになる。
そんな出がらしのようなGT-R様でもない中古車と、今回の新車で希少モデルで、おそらく世界で一台しかないようなミントコンディション(というよりも、新車だ)の車輛を一緒の土俵で比べてもらっては失礼千万、と言われてしまいそうだが、どちらもニッサンのクルマで、おそらく同じような工場から生まれ、路上を走り、オーナーに愛されるスカイラインであるということには共通項がある。
そうは言ってもこちらは新車、GT-R、レアモデルと、三拍子そろった車だということは認めるし、この車を欲しいという人がいることも十分に理解できる。だが……5,000万円という価格を知ってしまうと本当に気持ちはビミョーで複雑だ。
クルマ好き同士の楽しいお茶飲み話のネタとして大歓迎だし、もちろん自分で買うことなどはありえないから、関係ない世界の話には違いないが、この車が将来どこの誰のガレージに収まるのか、この価格ではどこにも行き場所が見つからず、新車のまま朽ち果てていってしまうのではないかと、余計な心配をしてしまう。 

Text: Moritz Doka
加筆:大林晃平
Photo: JDM Expo Co., Ltd.