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画期的! 右ハンドルにも左ハンドルにもなる  スライド式ステアリングホイール!

2020年10月20日

ボルボ スライド式ステアリングホイールを発表: 特許取得

面白い。画期的というよりは、純粋にオモシローイ! 
ボルボの特許は、必要に応じて移動するステアリングホイールのスケッチだ。左ハンドルまたは右ハンドル? 将来のボルボは両方の役割を果たす。ボルボはこのスライド式ステアリングホイールの特許を取得した。

運転席と助手席の間でステアリングホイールをフレキシブルに切り替えられる?
一見ばかげているように聞こえるが、ボルボは最近、そのシステムの特許を取得した。
この新システムは、半自律型の日常車からスポーツカーまで、さまざまな方法で使用することができ、そのようなステアリングホイールのインストールが考えられる。
我々はその詳細と機能を分類する。

ステアリングホイールの動かし方

ボルボの新しい特許には、レールシステムを使ってダッシュボードに沿って水平方向に移動できるステアリングホイールについて説明している。
これにより、柔軟なポジショニングが可能になる。
運転席側と助手席側に加えて、特許明細書のイラストでは、ダッシュボードの中央部のポジショニングも示されている。
特許明細書では、スピードメーターやその他の重要な計器も柔軟に設計されている。
ボルボは、一方で、ダッシュボード全体に広がる連続的なディスプレイ、他方ではステアリングホイールに直接取り付けられる小型のディスプレイも説明している。
このホイールを電動モーターで動かすことができるのか、機械的に動かすことができるのかは、まだ文章からは明らかになっていない。

オートマチックトランスミッションのセレクターもステアリングホイールと一緒に動かすことができる。

ボルボは、ステアリングホイールに加えて、ギアシフトレバーとシートのレールシステムにも取り組んでいる。
これらも横に動かすことができるようにする。
運転席側と助手席側にペダルを設置しなくて済むように、ボルボの特許では、フロアマットの一部をペダルの代わりにすると説明している。

スライド式ステアリングホイールの登場はまだ先になりそうだ

しかし、ボルボがすぐにこのアイデアを実用化するとは考えにくい。
どの自動車メーカーも、競争からアイデアを守るために、常に新しい特許を提出している。
しかし、ボルボの可動式ステアリングホイールは、すでに実用的な印象を与える。
複雑な仕組みを使わずに、自動運転車のインテリアを、より柔軟かつ効率的に使うことが可能になるのだ。
車が自走で直進しているときには、ステアリングホイールが2つの前席の間を移動するので、ドライバーはより広い空間をかじることができる。
ボルボは生産コストも節約できるかもしれない。
車が左ハンドルまたは右ハンドルの市場向けに別々に製造される必要がなくなるからだ。
このシステムは、左右にフルに伸びたベンチシートと組み合わせて使用することも可能で、その場合、レースカーのように中央から車を操舵することも可能だ。
したがって、この技術はボルボだけでなく、ポールスターにも適している。
このボルボのアイデアが実際に機能するシステムになるのか、今から楽しみだ。

このステアリングが左右に動くという発想は決して新しいものではなく、メルセデスベンツ ウニモグをはじめ、数々の大型機械などではこういうシステムを持つものは古くからあった。
EVとなり、さらにステアリングバイワイヤも出始めた昨今となっては、アクセルワイヤなども不要だし、比較的実現しやすい時代となったのかもしれない。
だが現実的に考えれば、各国の法的な条件などもあって、「普通の」自家用車が左右に運転席が動く必要性はあまりないし、実現するかというとかなり難しいだろう。
だが、まだまだ新しい考えが出てくるということは、確かに面白いし、ボルボも特許を取ってこのシステムをどうするのか興味深い。

ステアリングで動かすディスプレイは、VW ID.3のスクリーンを彷彿とさせる。

Text: Andreas Huber
加筆:大林晃平
Photo: Volvo / US Patent and Trademark Office