【このクルマなんぼ?】今でも高人気のメルセデス190 E 果たしてこのスペシャルモデル2.5-16エボ1の値段は?
2020年10月13日
メルセデス190 E 2.5-16エボ1: ユーズドカー、価格、購入
この希少なメルセデス190エボが激安で売りに出されている。メルセデス190 E 2.5-16エボ1のような特別なモデルのためもあって、今でも最も人気のあるベンツのクラシックに属している。そしてその中の希少な1台が現在販売されている。
1980年代初頭にメルセデスW201が市場に登場したとき、当初は「ベビーベンツ」とあざけられていたものだが、その後どのように大きな成功を収めることになるか、シュトゥットガルトでは誰一人として想像することすらできなかった。
190は11年以上にわたって市場に定着し、180万台以上を販売して、ブランドの歴史の中で最も成功したモデルシリーズの1台となったのだった。
今日、CクラスのDNAとなった190は、メルセデスファンの間で伝説となっているが、その中でも今回の2.5-16は、502台しか生産されなかったエボリューションバージョンだ。それはDTMのホモロゲーションモデルで、スポーティなデザインで、保守的な他の190モデルの中にあって、ひときわ目立つ存在だった。
今、この非常に特別なメルセデス190 E 2.5-16エボ1の1台がeBay上で販売されている!
エボ1は、ほとんどの場合、価値が増加する
もともと、エボ1は、87,204マルク(約557万円=1989年3月時点)という価格だった。
だが今日ではその何倍も高価だ。
トップコンディションの個体で198,000ユーロ(約2,475万円)、第2レベルのコンディションの個体は101,000ユーロ(約1,262万円)、第3レベルのコンディションの個体は47,000ユーロ(約587万円)という金額で販売されている。
eBay上の58,990 ユーロ(約737万円)は、ディーラーがこの エボ1 のために求めている価格だ。
これは非常にリーズナブルな価格だが、売りに出されているエボ1は、もはや100パーセントオリジナルの状態ではない。
ボディは手を加えていないように見え、少なくともフロントの白いターンシグナル以外は手を加えていないようだし、内装も手付かずのようだ。
広告では、状態は「完璧」と書かれている。
しかし、車はおそらく再塗装されているとおもわれる。
オリジナルのエボ1は青黒メタリックとオレンジ色のターンシグナルのみで入手可能だったからである。
オリジナルの5速スポーツトランスミッションは新品のようにシフトし、16バルブの2.5リッター4気筒はまだ強力な吸引力を持っている、と広告には書かれており、紙の上でのパフォーマンスの数字(195馬力と235Nmまで)は、今日では、もはや印象的なものとは言えないが、今でも十分な性能であることはいうまでもない。
スポーティな外観と油圧サスペンション
ブラックなエボ1は、巨大なウィングとツインエギゾースト、オーバーフェンダー、低いスカートなども装備されることでエボは通常のモデルとは明らかに違い、際立っている。
そして現代的なアロイホイールがスポーティな印象を強調している。
ハイライトは間違いなく油圧式サスペンションで、ステアリングホイールの横にあるスイッチで調整できる。
ディーラーは、車両内のすべてのスイッチとレバーが完全に機能していることを強調している。
シートはブラックレザーで、ブラウンウッドのコンビネーションは、非常にダークな配色に小さなコントラストを提供している。
並外れた車でも値段は高くない
販売のためのメルセデス190 E 2.5-16エボ1の状態は、その30歳という年齢と走行距離が163,000 kmであることを考えると、非常に注目に値する。
価格は、車両の希少性に比べて過度に高くはない。
58,900ユーロ(約737万円)は、この伝説的なクラシックのために投資する価値がある。
このW201が売られていた時代のメルセデスベンツのラインナップは、W124(ミディアムクラス)とW126(Sクラス)とR129(SL)とW460(ゲレンデヴァーゲン)という、なんともものすごい黄金のようなラインナップで、これらのクルマはすべて現在でも十分に通用するばかりか、今でも人気の高いメルセデスベンツの歴史的な名車であるともいえる。
そんな中でも今回の2.5-16エボ1は確かに希少だし、人気の高いクルマであることは確か、なのだが、16万キロも走ってしまっている個体であり、いくら程度が良いとか、オリジナルに近いと言われても、なかなか購入するには度胸のいる一台なのではないだろうか。
確かにこのころのW201もW124も(もっと言えば、W123はとにかく丈夫も、丈夫。まだアフリカあたりでは現役だったりする)、耐久性に優れているし、10万キロは屁でもない距離とも言われているが、それでもメンテナンスは必要だし、そのパーツ類もかなり高騰しているのが現状だ。
そう考えると、いくら希少でオリジナルで程度が良くとも、16万キロのこの一台を「お得」というのには抵抗があるし、購入しても維持費は覚悟しておかないといけないだろう。もちろんこの車の価値は重々承知しているし、昔から憧れているという人には反対しない。昔からあこがれだったクルマというのは、走行距離や程度などを冷静に判別する感覚を盲目にさせてしまうほどの威力があるものなのだから。
Text: Julian Rabe
加筆:大林晃平
Photos: eBay/rsd-week