明日にかける橋 第17回「クラシックカー フェスティバル in 桐生」老若男女すべての人々から愛されるクラシックカーイベント
2024年11月21日
気持ちよく晴れ渡った北関東の空の下、今年で17回目となる「クラシックカー フェスティバル in 桐生」が、群馬県桐生市に在る群馬大学理工学部のキャンパスで開催された。毎年2万人以上もの集客があるという、この魅力あふれるイベントを、今年もフォトギャラリーを中心に紹介&レポートしたい。
最初から極論を言ってしまえば、このイベントの魅力は展示された自動車そのものではない。もちろんそこには貴重なクラシックカーも、めったに見かけることのできないスポーツカーも、かつてあこがれた旧車も構内のいたるところに展示されているが、それだけがこのイベントの魅力ではないことは、訪れているお客様たちを見ればすぐわかる。
言葉通りに老若男女問わず、ありとあらゆる層の人々、その中にはおそらく自動車に興味がない(であろう)お爺さん、おばあ様や、自動車にあまり詳しくない(と思う)ヤングファミリ-などなど、桐生内外の街のすべてのジャンルの方々が続々と楽し気に足を運んでいる。
参加料が無料ということだけが理由ではないことは、みんなニコニコ笑顔で会場を闊歩している図を見れば明らかで、会場だけではなく、多くの参加者が街を走るラリー(パレード)では、様々な場所に手を振ったり、カメラを構えたりしている人の姿が途切れなく見られる。
展示車両に無粋な囲いや仕切りなどは一切ついていないし(特別展示車両の2台を除いて)、基本的には、中を覗き込むのも、オーナーに話しかけるのも自由そのもの。旧いバスがお客様を乗せて、楽し気に走っていたり、普段はいかめしい表情の警察官の方々も笑顔でパトカーや白バイにまたがらせてくれたりしている。日本道路公団は、電動ミニレクサス(子ども用)を持ち込み、子どもたちは笑いながら会場を走っているし、お弁当を食べるのも自由、日がな一日、日向ぼっこをしながらベンチでおしゃべりするのも自由。とにかくそこに流れているのは、だれもが笑顔で、どこにも肩ひじ張らず、構えず自然体であることが実に素晴らしい。
つまりこれは「愛された(愛されている)イベント」であり、人々が楽しみにしている、もはや年中行事の一つに組み込まれたイベントなのである。もちろんここまで愛されるイベントに成長するまでに至るには、実行委員の人々の汗と努力があったからなのだが、とにかく桐生の11月最初の日曜日は、「クラシックカー フェスティバル in 桐生」というのが風物詩となった。もし大げさだとあなたが思うのなら、ぜひ来年、街を訪れてほしい。けっして嘘ではないということを実感するはずだ。
「クラシックカー フェスティバル in 桐生」のプログラムの一つに、「自動車お絵かき教室」がある。これは会場を訪れた子どもたちが自由に展示された自動車を想い想いに描き、その作品は次年度のプログラムの表紙になるという、なんとも素敵な企画である。その成果もあってか、会場のいたるところでは画板とクレヨンを駆使し、作品を描く未来のエンスージャストたちの姿が多くみられる。
そうこれは未来へとつながる、爽やかなイベントなのである。
それでは当日の楽しい雰囲気を、以下のフォトギャラリーとともにお楽しみください。
フォトギャラリー: 第17回「クラシックカー フェスティバル in 桐生」
Text & photo: 大林晃平 / Auto Bild Japan