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【新着情報】初テスト VW初のE-SUV VW ID.4に初試乗 その評価は?

2020年10月1日

VW ID.4: テスト、電気自動車、SUV

フォルクスワーゲンID.4はティグアンよりも大きい。そしてそれは本当に優れたドライビング性能を備えている! 新型VW ID.4はSUVの再発明だ。EVのフォルクスワーゲンSUVを初チェック。

我々は、今、VW ID.4のプロトタイプに座っている。
そして、ヴォルフスブルクから、VWのテストセンターのある、エーラ=レッシエンに向かっている。
ID.4を運転しているのは、ディミトリ アスマス(Dimitri Asmus)、ID.4の開発責任者だ。
そして、彼は、彼の手掛けた愛すべきモデルについて説明をする。
電動SUVの開発は、わずか2年半の歳月を要しただけだった。
「かなりスポーティ」だと、彼は言う。
我々は彼に質問した。
「あなたがID.4の前に手掛けたモデルは何でしたか?」
「ゴルフRです」と彼は答えた。
ID.3がゴルフであれば、ID.4はティグアンだ。
そして、ID.4の開発者が以前、飛ぶように走る300馬力のゴルフを作ったように、ID.4もあなたが期待するように走るだろう。

VWはe-モビリティに全力を注いでいる。
そして、この車はVWにとって重要だ。
ブランドのボス、ラルフ ブランドシュテッターは、BMWからVWに移ってきた、新しいデザイナーのジョゼフ カバン(その前にはシュコダのコーディアックとスパーブをデザインした)に全面的にデザインをまかせた。
「我々はID.4の価値を高めている」とボスは語る。
ID.4はグローバルモデルだから、当然価値の高いクルマでなければならないと、彼は信念をもって語る。
ID.3は主にヨーロッパ向けだったが、全世界で販売されるID.4は、まずツウィッカウ(独ザクセン州)で生産が始まり、後にエムデン(独ニーダーザクセン州)、中国、アメリカでも作られることになっている。
そして今、エーラ=レッシエンのテストコースで、我々は4.58メートルのクロスオーバーの実力と性能を試す。

エントリー価格は比較的安い

我々は、ファーストエディションのもっともパワフルな、204馬力、77kWhのバッテリーの後輪駆動バージョンを試乗した。
もちろんフルキャビンで、調整可能なダンパー(DCC)、プログレッシブステアリング、AHK(フックに1.2トンを取ります)、ガラスルーフ(なんと明るいこと!)、ヘッドアップディスプレイと拡張現実、すなわち、ブレーキと矢印表示のための赤いバーで、どこにターンすべきかをアドバイスしてくれるアシスタントシステムを備えている。
そして、それは実際に機能するデジタルデバイスである。(ID.3ではまだ機能していない)。
VWは、フルセットバージョンのID.4は59,000ユーロ(約737万円)未満、そしてそのようなDCC、ヘッドアップディスプレイなどのないファーストエディションは49,000ユーロ(約612万円)未満と発表している。
しかし、エコ補助金を申請できるので、より少ない馬力とより小さな52kWhのバッテリーを搭載しているID.4のエントリー価格は、実際には37,000ユーロ(約462万円)となる。

この走行性能であれば、文句のつけようはない

ID.4は、凹凸のある道を越え、深い砂を通過し、石の多い山を下る。
誰にでも簡単に操作できる。
そして、その後、ハンドリングコースで、ID.4はその真の強さを発揮する。
310Nmのトルク、後輪駆動で、フロントアクスルにステアリングの影響を与えない。
コーナーでは、若干ふらつき、横にぶれる。
しかし、「トレッドをあと2メートル広くしてほしい」という気持ちは、まったく起こらない。
そして何よりも、2.2トン車の中に座っているような感覚はなく、ID.4がいかに軽快に前進しているかがわかる。
0から100km/hまで8.5秒、これは80年代に139馬力で重さは半分のゴルフGTI 16Vが達成したものと同じ数値だ。

悪くない。環境保護ボーナス込みで、ID.4のエントリー価格は37,000ユーロ(426万円)だ。

重心が低いのはダイナミクスに適している

重量に低さはID.4のような電気自動車の強みの1つだ。
「モジュラーエレクトリックビルディング(MEB)キット」は、各バーがエネルギーの一部を提供するチョコレートのプラットフォームのようなものだ。
VWのエンジニアの皆さんは、シャシーとステアリングで本当に良い仕事をしたといえる。
だが新しいゴルフやID.3のようにタッチパッドといくつかのボタンで構成されているが、操作が論理的ではないため、扱いにくい。
正直なところ、我々は、かつて、コントロールノブに対する顧客からの抗議の手紙などあったかのかどうかを知りたいと思う。
我々は断然コントロールノブを支持する。

速く走る。ID.4は0から8.5秒後に100km/hに到達する。シャシーにはVWらしい巧みなチューニングが施されている。

ID.4は成功するか?

答えはイエスだ!
なぜなら、エコ補助金のおかげで、昨年の販売台数87,771台のドイツで最も人気のあるSUVであり、ゴルフに次ぐVWの最も重要なモデル、ティグアンと価格的に同等になるからだ。
そして、ガスの設置面積に応じて、ID.4は、350kmと520kmという航続距離をカバーすることができ、その後、急速充電ステーションで、125キロワットまで充電することができまる。
VWによれば、30分で320キロまで可能だとのこと。
VWエンジニア、ディミトリは、最近ID.4のプロトタイプで出かけ、デンマークで休暇を過ごした。
帰国後、彼は、「私は燃焼エンジンを恋しく思ったことはありません。1度たりとも恋しいと思ったことはありませんでした」、と述べた。

フォルクスワーゲンの最初のEVであるID.3はかなり辛口の評価を受けており、正直言って割高な割に安っぽく、乗り心地もイマイチ、のような決して良くないレポートだったと記憶している。
その点、もう改良されたというべきか、最初からそういう作戦だったのかはわからないが、こちらのID. 4のほうはかなり良い質感を持った、良い感じのSUVのように見える。

そもそもバッテリーのスペースなどを考えた場合、EVとして成立しやすいのはSUVボディだし、割高な価格もSUVなら仕方がない、と納得してもらいやすいことも事実なので、おそらく売れ行きとしてもID.4はID.3の何倍も売れるような気がする。
フォルクスワーゲン ゴルフ8などでは酷評されているタッチスイッチの使いにくさは心配だが、内装も色使いや細部の仕上げがID.3よりはるかにスマートで良い感じだし、市場で好評なのは明らかにID.4なのではないだろうか。
オーナーが近づくとLEDライトでウインクするのだそうだが、あとは今まであまり性能的に良くないとされてきた各種ブレーキアシストの性能や、使いにくいタッチスイッチなどが改良されていることを期待したい。

テクニカルデータ: VW ID.4 プロパフォーマンス
● エンジン: 電動モーター(PSM) ● バッテリーサイズ: 77kWh ● 最高出力: 150kW(204PS) ● 最大トルク: 310Nm ● 航続距離: 520km ● 駆動方式: 後輪駆動、インプットギアボックス ● 全長×全幅×全高: 4584×1852×1612mm • ホイールベース: 2766mm ● 最高速度: 160km/h ● 価格: 34,500ユーロ(約431万円=エコ補助金含む)より

結論:
ID.3が事の始まりだったが、ID.4のほうがVWにとってより重要な電気自動車になるだろう。
世界はSUVを求めている。
新しいストローマーで、VWはE-SUVが手頃な価格で入手可能であることを証明して見せる。
AUTO BILDテストスコア: 2+

Text: Andrew May
加筆修正: 大林晃平
Photo: Volkswagen AG