【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
2024年11月24日
BMW M440i xDriveカブリオレ対メルセデス CLE450 4MATICカブリオレ: 6気筒エンジンを搭載した2台のオープンカー、BMWとメルセデスを比較する。今や6気筒エンジンもオープンカーも減る一方だが、メルセデス CLE450とBMW M440iは、まさにこの組み合わせが魅力だ。
もちろん、ボンネットの下に6気筒エンジンがなくてもいい。「BMW 4シリーズ カブリオレ」と「メルセデスCLEカブリオレ」には、十分な種類のエンジンが用意されている。しかし、9万ユーロ(約1,485万円)を費やすことに抵抗がないのであれば、3リッターの排気量と6気筒エンジンを搭載した日光浴愛好車を無視することはできない。
なぜなら、これらのエンジンは、とにかく滑らかで、あらゆる速度域でパワフル、そして素晴らしいサウンドだからだ!
カブリオレの直列6気筒エンジン
すべてが素晴らしいので、テストは終了?そうではない。なぜなら、「BMW M440iカブリオレ」と「メルセデス・ベンツ CLE 450カブリオレ」には当然いくつかの違いがあるからだ。それらは、購入前に考慮すべき違いであり、非常に特殊な好みに関するものだ。
まず、BMWは2,998cc、メルセデスは2,999ccとほぼ同じ排気量だ。どちらも、48ボルトアーキテクチャにより、発進時、加速時に電動モーターがエンジンをサポートする。その出力は、「M440i」が374馬力+11馬力、「CLE450」が381馬力+23馬力となる。
モデル | BMW M440i xDrive Cabrio | Mercedes CLE 450 4Matic Convertible |
エンジンタイプ | 直6DOHCマイルドハイブリッド | 直6DOHCマイルドハイブリッド |
排気量 | 2,998cc | 2,999cc |
最高出力(馬力) | 374+11/5,500rpm | 381+23/5,800rpm |
最大トルク(Nm) | 500 | 500 |
最高速度 | 250km/h | 250km/h |
トランスミッション | AT/8速 | AT/9速 |
駆動方式 | 全輪駆動 | 全輪駆動 |
タイヤサイズ | 225/40-255/35 R 19 Y | 245/40-275/35 R 19 Y |
CO₂排気 | 196g/km | 182g/km |
燃費 | 11.5km/リットル | 12.5km/リットル |
燃料タンク | 59リットル | 66リットル |
トランク容量 | 385リットル | 385リットル |
全長/全幅/全高 | 4770/1852/1394 mm | 4850/1861/1424 mm |
ホイールベース | 2851mm | 2865mm |
価格(テスト車) | 91,450ユーロ(約1,480万円) | 95,471ユーロ(約1,550万円) |
BMWの方がやや加速が良い
そのため、静止状態から100kmの速度まで加速するのにほとんど違いがないのは驚くことではない。BMWは4.7秒で、メルセデスより0.2秒速い。どちらも最高速度は250km/h(リミッターによる)だ。
4シリーズはさらにスポーティ
「M440i」は「CLE450」より野太いサウンドを響かせる。また、加速時のレスポンスもやや速く、非常にダイナミックな印象を与える。8速オートマチックトランスミッションは、最大500Nmのトルクを素早く、必要に応じて4つの車輪すべてに分配する。ステアリングはこれまで通り鋭く、急なハンドル操作の際にはやや神経質な印象さえ受ける。しかし、心地よいフィードバックにより、ドライバーは非常にスポーティな運転とコーナリングを体験できる。
アダプティブサスペンションにより、「M440iカブリオレ」は、スポーツモードでもコンフォートモード(現在はパーソナルモードと呼ばれる)でも、路面にしっかりと張り付くような走りをする。オープントップにもかかわらず、ねじれ剛性は抜群だ。
CLEはエレガントなクルーザー
「CLE 450カブリオレ」は、性格がやや異なる。6気筒エンジンはシルクのように滑らかに回転し、BMWのお株を奪うかのように不適切にうなり声を上げたりすることは一切ない。9速オートマチックトランスミッションはBMWのものより1段多く、500Nmを4つの車輪すべてに配分する。ステアリングはあらゆる速度で安定しており、シュヴァーベン(ドイツ南西部の地域)製の車を正確かつ繊細にカーブに導き、ドライバーに絶対的な安心感を与える。
もちろん、「CLE450」はスポーティにもなる。「M440i」とは異なり、走行プログラムとして「スポーツ」だけでなく「スポーツプラス」も用意されているのだ。「M440i」は、ESPを解除するなど、少々面倒な設定が必要であり、メルセデスの方がシンプルな切り替えでずっと優れている。
iDriveコントローラーで操作が簡単になる
操作全体の問題。BMWにはiDriveコントローラーが搭載されているが、大型の中央モニターと組み合わせると、やや冗長的に見える。しかし、メニューを操作し、車両機能だけでなくエンターテイメントも制御できる豊富なアプリを使用するには、依然としてこれが最も安全な方法である。
メルセデスは、以前からマニュアル操作の要素を廃止しており、センターコンソールの上に浮かんでいる中央のモニターですべて簡単に操作できる。さらに、アプリの機能はより明確に区別され、わかりやすい配置により、直感的な操作が可能となっている。
メルセデスでは、非常に賢い音声コントロールのアップグレードが実現
スワイプ、回転、押す操作が面倒だと感じる場合は、BMWとメルセデスでは、シンプルな「ヘイ、BMW」または「ヘイ、メルセデス」でヘルプを呼び出すオプションが用意されている。CLEの「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエキスペリエンスシステム)」は、ここでは完璧に機能し、音声は親しみやすく、すべての要望に応えてくれる。
「CLE450」は音声コントロールでカブリオレの屋根を開けることもできる。このプロセスには20秒かかり、時速60kmまでの速度で開閉が可能である。「M440i」は、乗客に太陽の光が降り注ぐまでわずか18秒だが、これは時速50kmまでの速度でしかできない。インフォテインメントシステムの音声案内も、ロボットのような話し方で何度も驚かされる。
小さなアシスタントも同様だ。渋滞にはまったら、何もせずに運転してもらうこともできる。車間距離、車線、速度を維持し、緊急車線も考慮する。
広々とした空間を期待してはいけない
どちらにしても、ドライバーとパッセンジャーは、美しいフォルムのシートに座ってドライブを楽しむことができる。BMWのシートは少しスポーティで、肩までサイドサポートがある。どちらの「カブリオレ」も、後部座席は少々窮屈だ。それでも、メルセデスの方が少しリラックスして座ることができる。2つの独立したシートは、より快適なフォルムで、より優れたサイドサポートがある。BMWでは、サイドパネルが後部座席の乗客をシートの中央に押し付けているような不快な感覚がある。
「M440iカブリオレ」では後部座席の背もたれを完全に倒すことができるため快適な2シーターに変身する。どちらも、取り付け可能なウィンドデフレクターは背もたれの後ろのポケットに収納される。これは賢いアイデアで、トランクのスペースを無駄にしない。BMWのリヤの収納スペースは385リットルあり、CLEカブリオレよりも荷物の積み下ろしが容易だ。ルーフを閉めた状態でも385リットルの収納スペースがある。ルーフを開けた場合、どちらも265リットルのスペースが確保される。
モデル | Mercedes CLE 450 4Matic Convertible | BMW M440i xDrive Cabrio |
ポイント | 542点/800点 | 538点/800点 |
順位 | 1位 | 2位 |
評価 | 洗練された外観、高い安全性と優れたブレーキ性能を備えている。内装の素材に関しては不十分である。 | 個性的で、よくできており、スポーティなサウンドも魅力的だがブレーキ性能はあまり良くない。 |
結局、メルセデスがBMWを数ポイント上回り勝利を収めた。しかし、本当に重要な問題は、BMWのスポーティなサウンドを響かせながら走りたいか、それとも洗練されたメルセデスで屋根を開けて走りたいか、ということだ。
結論:
9万ユーロ(約1,485万円)弱の車であれば、すべての要望を満たすはずだが、「メルセデス・ベンツCLE450コンバーチブル」も「BMW M440iカブリオ」も、残念ながらすべてを満たす車ではなかった。とはいえ、どちらもコストパフォーマンスに優れ、十分な個性があるので、ファンも多くいるだろう。
Text: Berend Sanders and Holger Preiss
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD