「2024 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS GT 3HOUR RACE」10番手スタートから荒れまくったレースを見事制したDENSO KOBELCO SARD GR Supraが大逆転勝利を果たす!!!
2024年10月29日
AUTOBACS SUPER GT Rd.7『AUTOPOLIS GT 3HOUR RACE』が、オートポリスで10月20日(日)に決勝が行われた。オートポリスは大分県日田市の標高800mにある全長4,674m、高低差52mのテクニカルコースで、今回も激しいバトルが展開された。写真:10番手スタートから大逆転勝利を果たした TGR TEAM SARD 加藤 眞会長率いる39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra 脇坂 寿一監督、近藤代表、関口 雄飛 / 中山 雄一
第6戦の宮城県のスポーツランドSUGOも雨に見舞われたが、今回の第7戦も雨に悩まされ、決勝前日の10月19日に行われる予定だった午前のフリー走行及び午後の予選が雨と霧で視界不良と午後には激しい雷雨もあり、予選開始時刻には天候回復したものの、コース上には雨による泥が流れ込んだ影響等で、コースの安全が確保出来ない状況と判断され、当日のセッションが全キャンセルとなった。
第6戦のSUGOでは決勝前日の午後に行われる予定だった予選が、大雨の影響でャンセルとなり、決勝当日の午前に行われたフリー走行のタイム順でスターティンググリッドが決定される事になったが、今回は決勝日の朝8時から予選を行い、午後に決勝レースが行われる運びとなる。
予選は、今シーズンから行なわれているQ1、Q2の合算タイムでの順位ではなく、コース上はハーフウェットと難しいコンディションの中、各クラス30分ずつ走行したラップのベストタイム順で決勝のグリッドが決定される事になった。
GT500は、今シーズンからGT500にステップアップし、勝負強い走りを枚戦見せてくれる24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zの名取 鉄平がGT500初ポールポジションを獲得した。
名取本人は、予選終了後、手応えがいまいちだったためポールポジションは取れてないと思っていたらしく、車から降りたらチームの皆んなが喜んでいて、何故?と思っていたところにポールポジション獲得を知らされて驚いた様子であった。今後が楽しみな注目のドライバーである。
予選結果
1位:#24 リアライズコーポレーション ADVAN Z
2位:#23 MOTUL AUTECH Z
3位:#14 ENEOS X PRIME GR Supra
4位:#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT
5位:#3 Niterra MOTUL Z
6位:#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT
7位:#100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(ポイントランキング3位)
8位:#19 WedsSport ADVAN GR Supra
9位:#36 au TOM’S GR Supra(ポイントランキング1位)
10位:#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra
14位:#37 Deloitte TOM’S GR Supra(ポイントランキング2位)
緻密なピットイン戦略
決勝は、曇り空で気温は16度、路面は完全なドライコンディションの状態で3時間の長丁場のレースが開始された。なお、今回のレースは2回の給油ピットインが義務付けられている。
ポールポジションからスタートした#24リアライズコーポレーション ADVAN Z は松田が好スタートを決めて、そのまま後続の#23MOTUL AUTECH Zとのリードを広げていく。しかし、タイヤの特性の違いかブリヂストンタイヤを履く#23がじわじわをその差を縮めて、12周目に#23がトップに躍り出た。
その後方では#39DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口が好ペースで順位を上げて、14周目には10番手スタートから6位にまでポジションアップ。20周目には#16ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT、さらに21周目には#14ENEOS X PRIME GR Supraをかわして4位まで浮上。
23周目、#19WedsSport ADVAN GR Supraがマシントラブルによりコース上でストップし、セーフティーカーが導入され上位各車のリードがここで一旦なくなる状況となった。29周目にセーフティーカーが解除され再度レースがスタートすると、#14ENEOS X PRIME GR Supra、#3Niterra MOTUL Z、12位スタートだった#12MARELLI IMPUL Zが続々と給油のための最初のピットインを行う。この3チームの中では#3、#12、#14の順にピットアウトをして、まだピットインしていないトップグループより速いペースで追い上げを開始する。トップ快走の#23は33周目、#24、#39、#36号車が34周目、#17、#100は35周目、#16は36周目にピットインを行った。
その後、GT500クラス全車が1度目のピットインを完了した37周目の時点での順位は、トップが#23、2位は早めのピットイン作戦が成功した#3、同じく早めのピットインが奏功した#12が3位に上がった。その後方では#16、#36、そして#39と続いた。
38周目に4位でスタートして好調に走っていたものの9位までポジションを下げていた#17Astemo CIVIC TYPE R-GTが前を走る#14を追い抜こうとした瞬間に行き場を失いコースアウト、大クラッシュが発生。再度セーフティーカーが導入となった。クラッシュしたスーパーフォーミュラでも大活躍をしている格之進選手だが、幸い大事に至らなかったのは何よりである。なお、その後#14にペナルティーが課されれる事になった。
43周目にはレース再開となり、#23は後続を引き離しトップを快走する。#39中山は、52周目にポイントリーダーの#36を捕えて再度4番手に浮上、さらに3位の#12の背後に迫る。
レースの残りが約1時間となった57周目に#64Modulo CIVIC TYPE R-GTのピットインを皮切りに各チーム相次いで2回目のピットイン、給油義務を果たす。そしてトップの#23、#12、#100が60周目にピットイン。#3、#39は61周目にピットインを行った。
その61周目に、タイヤが冷えていた為にスピンしたのか#64がタイヤバリアに前から突っ込むクラッシュが発生。これにより3度目のセーフティーカー導入となる。幸運にも61周目にピットインした#39と#3のタイムロスは最小限に留められ、ピット作業を速やかに終えた#39は#3よりも先にピットアウト、トップを走っていた#23の前でコースに復帰する事に成功する。
レースは68周目に再開し#39に続き#23ロニー クインタレッリが迫る。しかし#39の中山は一歩も引かず、#23号車を引き離しにかかる。その後方では3位を走るランキング3位の#100STANLEY CIVIC TYPE R-GTに#3が迫り、2位争いが始まる。
この間にトップの#39は好ペースでリードを広げ独走状態となる。86周目、#3三宅が2位争いでタイヤを消耗させてしまったのかペースの上がらない#100を捉えて3番手に浮上する事に成功する。
激戦が繰り広げられるレースも終盤、残り時間約17分の時点でGT300クラスの車両による大きなクラッシュが第2ヘアピンで発生。4度目のセーフティーカーが導入され、トップを快走していた#39と2位の#23との差がなくなり、セーフティーカー先導の下レース再開を待つことになったが、その間に規定の3時間が過ぎて、その最終ラップの最終コーナーでセーフティーカーは退去、#39のフィニッシュライン到達の92周をもってレースは終了となり、見事#39DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)が逆転勝利で、今季初優勝を飾った。TGR TEAM SARDの前回優勝は、4年前の2020年第5戦富士で、中山にとってもその時以来の優勝だ。
そして、レース終了時点のドライバーランキングは、1位が53ポイント(以下P)の#36 au TOM’S GR Supra(坪井 翔/ 山下 健太)、2位が51P#37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原 右京 / ジュリアーノ・アレジ)、3位同51P #100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本 尚貴 / 牧野 任祐)、4位46P#3 Niterra MOTUL Z(高星 明誠 / 三宅 淳詞)、5位41P#38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦 宏明 / 大湯 都史樹)、6位40P#23 MOTUL AUTECH Z(千代 勝正 / ロニー・クインタレッリ)、7位 39P#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口 雄飛 / 中山 雄一)となり、ここまでの選手にシリーズチャンピオンの権利がある。