【新着情報】初テスト 48ボルト電動アシストVWゴルフ8 1.0 eTSI 運転する喜びを低燃費で
2020年9月29日
VWゴルフ8 1.0 eTSI: テスト
48ボルトの電気システムで、VWはゴルフを、楽しみながら燃料節約もできる車にしたいと考えている。ゴルフ8に110馬力と48ボルトの電気システムを備えた1.0 eTSIを路上で試してみた。
フォルクスワーゲンはゴルフであり、ゴルフはフォルクスワーゲンだ。
このクルマはブランドの心臓部であり、すべての社内開発の要でもある。
ヴォルフスブルクを拠点とする同社は、ベストセラーの第8世代で、テクノロジーの面で再びフルスパートをかけようとしている。
最初に用意された電動化された5種類のエンジンは、ドライビングプレジャーを提供し、低燃費で顧客を惹きつけることを目的としている。
その最たる例が、今回試乗した1.0 eTSIだ。
エンジン出力の点で、90馬力バージョンに次いで2番目に小さいゴルフは、1リットル未満の燃焼室を備えた3つのシリンダーから110馬力を生成する。
これは、1970年代のゴルフGTIとまったく同じエンジン出力だ。
ゴルフ1.0 eTSIには、48ボルトの車両電気システムが備わっていて、小型ターボ付きエンジンに、始動時および低速時の電力ブーストを提供する。
巡航モードでは、音響的に存在感のありすぎる燃焼エンジンをオフにすることができる。
そしてアクセルペダルが再び踏み込まれたり、踏み遅れたりすると、ドライバーが何も気付かないうちに、エンジンがスタータージェネレーターを介して、数分の1秒で再び作動する。
したがって、第8世代のゴルフは、今や、1.3トンもの重量があるにもかかわらず、リッターあたり18.8kmを超える燃料消費でユーザーを納得させるはずだ。
加速時にも電動ブーストが目立つ
必要に応じて、フルスロットルで前輪の200Nmをすべて解放し、10秒弱で100km/hまで、そして最高202km/hまで、「Spargolf(節約ゴルフ)」、協力に加速することもできる。
しかし、その行為は、ガソリンスタンドの店員を喜ばせるだけだ。
標準で装備されている7速DSGは、小型のガソリンエンジンにうまく適応しており、一方ではエンジン回転数の低さを確保しつつ、他方では必要に応じて素早くシフトチェンジすることができるようになっている。
また、LEDヘッドライト、アニメーションメーター、エアコン、数々の安全装備なども装備されている。
2.62メートルのホイールベースは、少なくとも大人2人と子供2人が快適に座れる4ドアモデルであり、380リッターの荷室スペースにはまだある程度の荷物を収納できることを保証している。
車が後ろのTSIの前に小さな「e」が付いていることによって示される48ボルトの車両電気システムのために、VWは2,600ユーロ(約32万円)以上の追加料金を要求する。
したがって、ゴルフのスタイルバージョンの購入には、26,972 ユーロ(約337万円)の費用がかかる。
48ボルトの電動アシスト付き自動車がヨーロッパでは発表されているが、なぜかあまり日本では数が(まだ)少ない。
別に少ないからダメ、という意味では絶対になく、反対に48ボルトの電動アシスト車が多く発表されている背景には、ヨーロッパの燃費基準があることは言うまでもない。
さらに48ボルトがそれほど有効なのかと言われると、ちょっとなんとも言い切れない部分もまだ多く、おそらくヨーロッパの各メーカーも、厳しすぎるほどのヨーロッパの燃費基準と、その際に課せられる法外なまでのペナルティー費用を、少しでもなんとかするべく48ボルトアシストのクルマを発表しているのではないか。
このゴルフ8の48ボルトの 1.0eTSIも本当にユーザーにとって必要なモデルなのかと聞かれると、なんとも明確に答えられないし、この金額を見てしまうと、わざわざ48ボルトのモデルを私たちが大枚はたいて購入することが得なのかどうかは疑問である。
それでもメーカーにとってはこういうモデルを出さなくてはいけない時代だし、今後ますます様々なモデルが出てくるだろう。
その際にその48ボルトのクルマを必要としているのはユーザーなのか、メーカーなのかを見極める必要があると思う。
Text: Stefan Grundhoff
加筆:大林晃平
Photo: Caroline Juengling / AUTO BILD