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【アメリカ合衆国大統領車物語】その名も”The Beast(野獣)” 文字通り要塞 最強のセキュリティ性能を備えたキャデラック ワンとは?

2024年11月4日

「The Beast(野獣)」: 米国大統領専用車の性能。特注のキャデラック要塞「キャデラック ワン」。米国大統領ジョー バイデンの車は常に人目を引く。このキャデラックモデルは、セキュリティの面でもかなりの性能を発揮する。

ジョー バイデン氏が前回ドイツを訪問した際、人目を引いたもののひとつが車だった。言うまでもなく、世界で最も権力のある人物が移動する際、その安全は最優先事項となる。そのため、バイデン氏はドイツ国内では伝統的な移動方法、2018年から使用されている「大統領専用車」として知られる「The Beast(野獣)」と呼ばれる車に乗って各地を訪問した。

この大統領車は、バイデンの前任者であるドナルド トランプの任期中にゼネラルモーターズが特別に製造したもので、最も厳しいセキュリティ基準を満たしている。特別に開発されたキャデラックモデルであることから、「Cadillac One(キャデラック ワン)」という愛称でも呼ばれている。

キャデラックは1993年から

1993年より、キャデラックが「大統領専用リムジン」のメーカーとなっている。当初はアップグレードされた市販モデルであったが、2001年にジョージ ブッシュが初めて特別開発の特注モデルを頼りにした。

その際にも、堂々とした黒のセキュリティ車両には、その後のすべてのモデルに今でも使用されている「The Beast(野獣)」というニックネームが付けられた。厳重な警備基準は極秘事項だが、テレビ局NBCはいくつかの基準を明らかにしている。

エアフォースワンの隣に停車するキャデラック ワン。

車両のボディは、鋼鉄、アルミニウム、セラミックでできた強固な鎧のようだ。最低でも20センチの厚さがあり、強固な防御力を発揮する。開かない窓は12.7cmの厚さがありる。タイヤが損傷しても、車は走行可能だ。

この車両は毒ガス攻撃からも完全に保護されている。最先端の通信システムにより、米国大統領は常に外部と連絡が取れるようになっている。

現行「ビースト」は間もなく引退し後継モデルへとバトンタッチ

噂によると、「ビースト」には、潜在的な攻撃者を撃退するための発煙弾、催涙ガス、オイルスプレーが装備されていると言われている。極度の緊急事態に備え、大統領用の血液を保存した冷蔵庫まで搭載されていると言われている。いずれにしても、シートには暖房とマッサージ機能が内蔵されており、快適な旅を楽しめるようにもなっている。ビーストには7人乗りのスペースがあると言われている。

この移動式高セキュリティ車両の価格は1台あたり約150万米ドル(約2億3千万円)だ。ちなみに、約8年ごとに新型が開発されるため、現行モデルは間もなく後継モデルに置き換えられる予定だ。

Text: Andreas Reiners
Photo: dpa