ロードゴーイング499P!フェラーリの新スーパーカー「F80」登場!799台限定!値段もスーパー!
2024年10月20日
シャシー
F80のシャシーは、タブやほかの要素も含め、マルチマテリアルの手法で開発され、個々のゾーンごとに、その役割に最も適した素材が使われている。セルとルーフはカーボン・ファイバーをはじめとするコンポジット製だが、前後サブフレームはアルミニウム製で、チタン製ネジでタブに固定される。リアには、バッテリーを搭載するため、追加のアルミニウム製サブフレームがあり、リアのメイン・サブフレームにネジ止めされている。
ルーフはカーボン・ファイバー製で、F1で生まれた革新的製法で作られている。タブとルーフはいずれも構造部材で、内層にカーボン・ファイバー、コア材にロハセル/ノーメックスを使うサンドイッチ構造パネルを使用。LaFerrariと同様に、シルは側面衝突吸収構造として働く。ドライバー側は調整可能なシートで幅広いポジションを取ることができ、運転中の快適性と側面衝突時の安全性が確保されている。そのため、フロアには数多くの構造パネルが必要となり、ドライバー側にはパッセンジャー側より長い衝撃吸収構造が配置されている。パッセンジャー側は重量セーブのため固定シートで、どちらの乗員も妥協のない安全性で守られる。
ボディシェル
F80 のボディシェルは完全な新設計で、F1などモータースポーツで使われる技術を採用して、プリプレグ・カーボン・ファイバーで成形し、オートクレープで硬化処理される。フロント・ボンネットにはSダクトがあり、2枚のフロント・ウィングをつなぎ合わせる固定エレメントを備える。ドアはLaFerrariと同様、バタフライ・ドアが採用され、2軸で回転するヒンジ機構によって、ほぼ90度の角度まで縦方向に開く。ドアの構造部は、側面衝突時に動的荷重を吸収する構造エレメントも兼ねており、特殊なハイパフォーマンス・カーボン・ファイバー製だ。リアのエンジン・カバーは、サイドビューに現れるドアのスタイリング要素を反映しており、V6 エンジンからの高温の空気を排出する6個のスロットとグリルが設けられている。
エクステリア
先代のすべてのスーパーカーと同じように、F80 はフェラーリのデザインに新時代の幕を開け、いっそう張りつめた過激なデザイン要素によって、レース生まれという本質を強調している。また、明らかに航空宇宙分野を思わせる要素もあり、それによって最先端のテクノロジーと、あらゆるソリューションを支える洗練されたエンジニアリングを強調する。加えて、崇拝されてきた数々の先代モデルへのオマージュも盛り込んで、F80が名高い血筋に連なることを高らかに言及している。
F80は、フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリ・スタイリング・センターのチームが担当。フェラーリのビジュアル要素をラディカルに変更して、フェラーリ・デザインの過去と未来を結びつけるものを模索するところからはじまり、まず、フェラーリのF1マシンの美的側面に目が向けられた。こうして、モダンで革新的なビジュアル・アイデンティティーを持ち、ドライバーとパッセンジャーを収容できる車両でありながら、シングルシーターの感覚を妥協なしで体感できるモデルとなっている。
F80は、極めて未来的なインパクトのあるビジュアルで、航空宇宙分野をインスピレーションとしていることがはっきり感じられる。アーキテクチャーを特徴づけているのが、横断面に現れたディヘドラル形状で、その両端はタイヤでしっかり固定されている。横から見ると、リア・セクションは流れるように彫り込まれ、それがリア・フェンダー全体のたくましさを強調。一方、フロント・セクションはアーキテクチャーの要素が多く、ホイールアーチの末端には垂直なパネルがドアからそびえ立ち、F40のビジュアル要素にオマージュを捧げている。ボディ下部から立ち上がるのがキャビンで、浮遊する泡を思わせるストラクチャーで構成されている。
キャビンはLaFerrariのグリーンハウスより50mmも低く、コックピットがいっそうコンパクトに見える。最新世代のフェラーリと同様、ボディカラーのアッパーゾーンと、クリアコートを施したカーポン・ファイバー製のロワー・ゾーンとの対比がデザインを際立たせている。
デザイナーは、F80のフロントから人間の顔を思わせる要素を排除したいと考えた。そのため、ヘッドライトはバイザー・エレメントで隠され、このブラック・スクリーンは、エアロダイナミクスと照明の機能を合わせ持ち、FBOの外観を極めて独創的なものにしている。リアのショートテールは、可動ウィングの格納時と展開時で、2種類の仕様に変化する。テールライトは、テールカバーとスポイラーから成る2層のストラクチャーにサンドイッチされるようにはめ込まれ、どちらの仕様でも非常にスポーティーな性格を感じさせる。
エンジン用インテークや側面ラジエーターに空気を導く NACA ダクトは、機能的であると同時にアイコニックであり、サイドボディの中で特に独創的なスタイリング要素になっていいる。ほかにも機能的でありながら非常に象徴的でもある要素として、ルーバーで覆われたエンジン・コンパートメントの背骨部分があります。6個のスロットは、内燃エンジンの各気筒に対応しており、幾何学的ラインと彫刻的な面の間に思いがけない関係が生まれている。
インテリア
キャピンのコンパクトなサイズは、シングルシーターのレーシングカーをインスピレーションにして、クローズコックピットのF1マシンといった印象を作り出すことで実現している。デザイナー、エンジニア、人間工学のスペシャリスト、カラーとトリムのエキスパートが長期にわたる開発を重ねた結果、ドライバーをキャビンの紛れもない主役にして「1+」モデルに変貌させるという、独創的な新ソリューションが誕生した。
コックピットは、ドライバーをすべての中心に据えて、完全に包み込む形状をしており、操作用インストゥルメント・パネルに向けて収束するフォルムとなっている。操作パネルも、人間工学に基づいてドライバーに向いており、コクーンの印象を作り出している。パッセンジャー・シートは、キャビンのトリムと完全に融合しているため、ほとんど視界から消えて見える。乗員2人のシートを前後にオフセットし、パッセンジャー・シートをドライバー・シートより後方に配置したことで、車内空間の幅を狭めても、人間工学や快適性は損なわれていない。
F80は、このモデル専用に開発された新ステアリング・ホイールも装備している。これは、跳ね馬の今後の公道用モデルでも目にすることになるだろう。従来よりわずかに小さく、上下のリムがフラットになり、ステアリング・ボスも縮小されているため、視界が向上し、運転中のスポーティーな感覚が強調される。
ステアリング・ホイールの左右スポークには、物理的なボタンが復活。近年のフェラーリで使われていたフル・デジタルのレイアウトから、触れただけですぐに分かる使いやすいボタンに変更された。そして、フェラーリ・スーパーカーでは初めて、シートの背後に 24時間分のスーツケースが入る広いスペースが確保され、固定用メッシュとストラップが付いた。
7年間純正メンテナンス・プログラム
卓越した品質基準と、さらなるカスタマー・サービスの充実を重視するフェラーリでは、F80に7年間の純正メンテナンス・プログラムが用意されている。フェラーリの全ラインアップを対象とし、今回初めてスーパーカーにも提供されたこのブログラムは、最初の車両登録から7年間、フェラーリのパフォーマンスと安全性が最高の状態で維持されるべく、すべての定期メンテナンスを保証するサービスとなっている。
F80は跳ね馬のバッジを付けた伝説的スーパーカーの歴史に新たな一章を書き加えた。
Ferrari F80-技術諸元
エンジン | |
内燃エンジン(ICE) | V6-120ードライサンプ式 |
総排気量 | 2992сс |
ボア・ストローク | 88mm x 82mm |
最高出力 | 900cv / 8750гр |
最大トルク | 850Nm / 5550гр |
最高許容回転数 | 9000rpm(動的リミッター9200rpm) |
圧縮比 | 9.5:1 |
比出力 | 300cv/L |
ハイブリッド・パワートレイン | |
タイプ | リッツ線集中巻きステーター、ステーターおよびローターはハルバッハ配列 |
作動電圧 | 650 – 860V |
最高出力 | 回生ブレーキ:70kW(95 cv)、ICEアシスト:60kW(81cv) |
最大トルク | 45Nm |
最高回転数 | 30,000гр |
重量 | 8.8kg |
フロント・アクスル電気モーター | |
作動電圧 | 650 – 860V |
最高出力 | 各105kW (142cv) |
最大トルク | 121Nm |
最高回転数 | 30,000гр |
重量 | 12.9kg |
高電圧バッテリー | |
最大電圧 | 860V |
最高出力(充電・放電) | 242kW |
容量 | 2.28kWh |
最大電流 | 350A |
出力密度 | 6.16kW/kg |
重量 | 39.3kg |
サイズ&重量 | |
全長 | 4840mm |
全幅 | 2060mm |
全高(車両重量の状態) | 1138mm |
ホイールベース | 2665mm |
フロント・トレッド | 1701mm |
リア・トレッド | 1660mm |
乾燥重量 | 1525kg |
乾燥パワーウェイト・レシオ | 1.27kg/CV |
重量配分 | 42.2%フロント/57.8%リア |
燃料タンク容量 | 63.5L |
トランク容量 | 35L |
タイヤ&ホイール | |
フロント | 285/30 R20 |
リア | 345/30 R21 |
ブレーキ | |
フロント | 408x220x38mm(6ピストン・キャリパー) |
リア | 390x263x 32mm(4 ピストン・キャリバー) |
トランスミッション&ギアボックス | 8速デュアルクラッチF1DCT |
電子制御 | SSC 9.0: TC, eDiff、SCM、PCV 3.0、FDE 2.0、EPS、ABS-EVO (マネッティーノの全ポジションで稼動)、6D センサー、高性能 ABS/ABD |
パフォーマンス | |
最高速度 | 350km/h |
0-100 km/h | 2.15 秒 |
0-200 km/h | 5.75秒 |
100-0 km/h | 28m |
200-0 km/h | 98m |
燃料消費量 | ホモロゲーション取得申請中 |
CO2 排出量 | ホモロゲーション取得申請中 |
Text:アウトビルトジャパン
Photo:Ferrari Japan