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【テスト&全情報】絶大なる人気を誇るM5 新型「BMW M5」の全て M4かM5か 貴方ならどちらを選ぶ?伝統的な純粋主義者なら・・・

2024年10月23日

BMW M5(G90):700馬力以上を発生するプラグインハイブリッドエンジンを搭載し、獰猛な外観を持つBMW M5。V8ツインターボはほとんど気づかないほど静かにブーストされ、事実上常にパワーが供給されている。新型BMW M5のドライビングテストレポートを含む情報総まとめ。

我々のお気に入り
・精悍なルックスとワイドなフェンダー
・700馬力以上の圧倒的なパワー
不満な点
・重量が重い(2.4トン以上)
・高い車両価格

7代目のBMW M5

「BMW M5」は、ラグジュアリークラスのスポーティな派生モデルとして、2代目5シリーズ(E28)ベースのM5(1985年)からほぼ40年にわたって存在し、これまでに6世代が「アウディRS6」や「メルセデスEクラス」のAMG派生モデルなどのライバルモデルと争ってきた。

BMWがM5ツーリングを復活

セダンを発表した後、「M5ツーリング(G91)」が続いた。つまり、2世代おいて14年ぶりに「M5」のステーションワゴンモデルが復活したということだ。「G91」は「E34」と「E61」に続く3番目の「M5ツーリング」だ。

価格: 新型M5は14万4千ユーロ(約2,300万円)から

新世代のM5には多くの新技術が搭載されており、新型「M5」はディーラーで14万4,000ユーロ(約2,300万円)から販売される。いつも通り、セダンよりもエステートの方が若干高価で、2,000ユーロの追加料金を請求しており、つまり、最低価格は146,000ユーロ(約2,332万円)となる。

デザイン:M5は大幅にワイドになった

視覚的に、新型「M5」は正真正銘の「M」であると言える!まず、サイズから見てみよう。具体的には、フロントで7.5cm、リヤで約4.5cm拡大している。「M5」の新しいサイズは、張り出したフェンダーが一目瞭然だ。

新型M5は本物のMだ!フロントで7.5cm、リヤで約4.5cm広がっている。台形のエアインテークと垂直に配置されたエアカーテンを備えた新しいデザインのフロントスカートが採用された。

今回初めて、フロントに20インチ、リヤアクスルに21インチという組み合わせのタイヤが選択可能になった。さらに台形のエアインテークと垂直に配置されたエアカーテンを備えた新しいフロントスカートのデザイン、そして、リヤにはモータースポーツを思わせる中央のライトエレメントを備えたパワフルなリヤディフューザーが採用されている。

4本のテールパイプは必見

Mモデルにふさわしく、後続のドライバーは否応なしに4本出しのエグゾーストシステムのテールパイプを眺めることになる。垂直に配置されたリヤスポイラーのリップは、ワイドな外観をさらに強調している。テールゲートの先端にもスポイラーリップがあり、オプションでプラスチック製またはカーボンファイバー製を選択できる。カーボンファイバー製は、プラスチック製よりも大きく目立つ。

たくましい外観:リヤセクションは、パワフルなリヤディフューザーと典型的なMの4本出しエグゾーストシステムが特徴的だ。

追加料金を支払えば、カーボンルーフを注文することもできる。あるいは、室内をより明るくするパノラマルーフを注文することもできる。それでもまだ物足りないという人は、「M5」の工場出荷時に装着されるMパフォーマンスパーツを入手することもできる。ボディ塗装は新しいカラーで仕上げられている。写真の車両は、「M3」でおなじみの「マン島グリーン」の塗装が施されている。

パワーユニット:新型M5はさらに高速に

新型「M5」は生産開始から数ヶ月しか経っていないが、BMWはすでに高速化に向けた調整を行っている。セダンは依然として3.5秒で0から100km/hまで加速するが、プラグインハイブリッドの充電技術が改善されている。

2024年11月以降、18.6kWhのバッテリーは11kWで充電されるようになる(以前は7.4 kW)。これはM5が1時間速く走り出せることを意味する。ただ、充電停止時間はまだ決して短くはなく、満タンになるまで2時間15分かかる。そして、純電動航続距離は69kmとなる 。

727馬力
競合他車の一部とは異なり、「M5」は引き続き4.4リットルの排気量とツインターボチャージャーを備えた8気筒エンジンを搭載している。さらに、トランスミッションには電動モーターが搭載されている。

内燃エンジンが大部分の動力を供給するが、585馬力という出力は「M5コンペティション(625馬力)」よりも低く、電動モーターと組み合わせることで、システム全体では最大727馬力、最大トルク1000Nmを発揮する。

標準の最高速度は250km/hだ。「Mドライバーズパッケージ」を搭載すると、最高速度は305km/hまで引き上げられる。

そして、限界に挑む人にとって最高の機能が、先代モデルと同様に、新型「M5」にも純粋な後輪駆動を可能にする走行モードが搭載されている。このモードでは、煙が出るほど後輪にフルパワーが伝達される。

しかし、こうしたテクノロジーにはすべて欠点がある。それは重量が増えることだ。より正確に言えば、新型「M5」の車両重量は2,435kgで、先代モデルよりも540kg(!)も増えている。

装備:新型M5にはバケットシートは装備されていない

「M5」のインテリアはエクステリアほど無骨ではなく、快適なスポーツシートが標準装備され、「5シリーズ」でおなじみのテクノロジーが数多く採用されている。しかし、「M5」には「M4」でおなじみのバケットシートは装備されていない。やはり、高級車クラスでは快適性が最優先されるのだ。

高級車としては十分な広さがあり、後部座席も非常に快適だ。

快適性はスペースにも関係する。「M」バージョンは「5シリーズ」にふさわしい広々とした空間を提供している。5人の乗員には十分なスペースがあり、トランクにも多くの荷物を収納できる。もちろん、従来のエンジン車よりもスペースは少なくなる。プラグインハイブリッド技術とバッテリーを搭載する必要があるからだ。それでも、「M5」のトランクルームには466リットルの荷物を収納できるようになっている。

ちなみに、スルーロード機能により、長尺物も車内に収納できる。さらに、ステアリングホイールやiDriveコントローラーのM5ロゴなど、「M5」を際立たせる小さな要素が数多くある。今回の試乗車のアダプティブアンビエントライティングはMカラーに設定されていた。もちろん、異なる設定も可能だ。

Mパフォーマンスパーツでさらにカーボンを追加

新型「M5」にもMパフォーマンスパーツが用意されている。そして、それは何よりも、カーボンをさらに追加することを意味する。リヤディフューザー、フロントインサート、サイドシルアタッチメント、カーボンとチタニウム製のミラーキャップ、テールパイプトリムなどが用意されている。

テストドライブ:プロトタイプのファーストドライブは衝撃的だった!

我々はカモフラージュを施した「BMW M5」でザルツブルクリングサーキットを走った。すべてを「スポーツプラス」に設定し、出発。4.4リッターV8エンジンはすぐに回転数を上げ、7,000回転で咆哮を響かせる。時折、この人工的なEサウンドがV8ビートと混ざり合い、その後、一息ついてから、最大1,000Nmのパワーで再び加速する。

BMWらしい:カーブドディスプレイ、赤いスタートボタンなど、その他にも様々な特徴がある。

ディスプレイには、小ぶりのブーストバーがせわしなく前後に動いているのが見える。競合他社の電動モーターが顕著に作動しているのとは異なり、電気ブーストの気配は感じられない。「M5」ではいつもと同じように感じられる。回転数が上がり、狂気じみているが、すべてが一段と強烈だ。

しかし、驚異的な走行性能だけが印象的なわけではない。ハンドリングもまた抜群だ。2.4トンもある車を運転しているとは思えないほどで、1.9トン以下であるかのように感じられる。サスペンションと全輪駆動は非常にうまく機能している。4WDでは、オーバーステアがわずかに発生する非常にニュートラルな状態だ。4WDスポーツでは、オーバーステアがさらに多く発生する。このトルクベクタリングは、ドライバーを不安にさせるのではなく、スムーズなプロセスだ。素晴らしい!

結論:
新型「BMW M5」は、よりワイドでたくましく見えるようになった。さらに、V8エンジンとハイブリッド技術の組み合わせにより、十分なパワーが得られる。ファンはきっと気に入るだろう。

フォトギャラリー:BMW M5

新型M5には、セダンとツーリングモデルが市場投入された。
今回初めて、フロントに20インチ、リヤアクスルに21インチのホイールを組み合わせたミックスタイヤの選択肢が設けられた。
Mモデルにふさわしく、4本出しのエグゾーストシステムのテールパイプが備わっており、垂直に配置されたリヤスポイラーのリップが、M5のワイドな外観をさらに強調している。
追加料金を支払えば、カーボンルーフや、あるいは室内をより明るくするパノラマルーフを注文することもできる。それでもまだ物足りないという人には、M5の工場出荷時に装着できるMパフォーマンスパーツもある。
快適なスポーツシートが標準装備され、5シリーズでおなじみのテクノロジーが数多く搭載されている。しかし、M4でおなじみのバケットシートはM5にはない。
ステアリングホイールやiDriveコントローラーに配されたM5のロゴなど、M5を際立たせる小さな要素が数多くある。

Text: Guido Naumann and Sebastian Friemel
Photo: BMW Group