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2019年ドイツでもっともたくさん盗まれた車ランキング発表!

2020年9月17日

自動車泥棒: なんとトップ10台中6台が日本車!

ドイツでもっとも盗まれた車: これらが泥棒のもっとも好むモデルだ。自動車泥棒たちは2019年、ドイツにおいて、14,000台の車を盗んだ。そしてもっとも人気の高かったのは、ドイツのプレミアムブランドではなく、ジャパニーズブランドだった。そしてハイクオリティSUVはやはりその中でも人気の車種だった。

Photo: DPA

昨年、自動車泥棒は包括的な保険の対象となった14,229台の車を盗み、約2億8000万ユーロ(約355億6千万円)の経済的損害を引き起こした。
ドイツ保険協会(GDV)の盗難報告書によれば、これは前年より5%少ない台数だったものの、保険金は盗まれた物1台あたり19,600ユーロ=約248万円(1%マイナス)とほぼ同じままだった。

当然のことながら、SUVが好まれている

泥棒たちもドイツの購入者と共通した趣味嗜好を持っているようだ。
しかし、ポルシェ、メルセデス、アウディ、BMWなど、ドイツの高級メーカーの製品が犯罪者に特に人気があると想定している人は間違っている。
実は盗まれたのは、意外にも主にトヨタとその高級姉妹会社であるレクサスの車であり、トップ10には6台もの日本車が含まれていたのだった。
そして盗まれたのは新車ではなく、2~3年落ちの中古車が多かったのも特徴的だ。
「キーレスエントリーシステムをより安全なものにしようとする自動車メーカーの努力が報われているようです」とドイツ保険協会の常務取締役、ヨルグ アスムッセン氏は述べている。
しかし、やや古いモデルでは、無線チップをベースにしたこのキーレス技術を比較的簡単に活用することができるようになっているとのこと。

2019年に最も盗まれたモデルシリーズ トップ10の確認は、以下のフォトギャラリーでどうぞ。

第10位: トヨタRAV4
盗難頻度:1000台の被保険車のうち5.0台
被害額の平均コスト: 27,356ユーロ(約347万円)
Photo: Sven Krieger / AUTO BILD

第9位: トヨタ GT86
盗難頻度:被保険車1000台中5.2台
平均損害賠償額: 15,020ユーロ(約190万円)
Photo: Christian Bittmann / AUTO BILD

第8位: ルノー タリスマン(日本未導入モデル)
盗難頻度: 被保険車1000台中5.9台
損害の平均コスト: 21,109ユーロ(約153万円)
Photo: Toni Bader / AUTO BILD

7位: レクサス NX
盗難頻度: 被保険車1000台中6.0
損害賠償の平均費用: 30,144ユーロ(約382万円)
Photo: Toni Bader / AUTO BILD

6位: ランドローバー レンジローバー
盗難頻度: 被保険車1000台中6.2台
損害賠償の平均費用: 48,779ユーロ(約619万円)
Photo: Range Rover

第5位: トヨタ プリウス+
盗難頻度: 被保険車1000台中7.4台
平均損害賠償額: 22,052ユーロ(約280万円)
Photo: Werk

第4位: レクサスCT 200h
盗難頻度: 被保険車1000台中7.5台
被害の平均コスト: 18,304ユーロ(約232万円)
写真提供: Toyota Germany GmbH

第3位: マツダ CX-5
盗難頻度: 被保険車1000台中8.8台
損害賠償の平均費用: 26,954ユーロ(約342万円)
Photo: Toni Bader / AUTO BILD

第2位: ランドローバー レンジローバー ヴェラール
盗難頻度: 被保険車1000台中10.4台
損害賠償の平均費用: 57,886ユーロ(約735万円)
Photo: Toni Bader / AUTO BILD

そして栄えある盗難台数第1位は?(笑): BMW X6
盗難頻度:被保険車1000台中11.5台
平均損害額: 47,674ユーロ(約605万円)
Photo: BMW Group

ドイツでは年間14,000台の車が盗まれている、ということは、ざっと一日40台。一時間あたりだと、1.5台、という計算になる。多いか少ないかといえば、決して少なくはないが、おそらくイタリアの南の方(あくまでもイメージですよ)とか、スペインの都会(これもまたあくまでもイメージです)のほうがきっと盗まれる確率は高そうだし、全世界的に見れば、もっと車が盗まれる国は他にあるだろう。
そんなドイツでのベスト、否、ワーストというか、とにかく盗まれちゃうクルマの中に日本の車が6台も入っていたことは、意外ではあるが、信頼性などを考えるとそうかもしれないなあ、と思わないこともない。
また最近のクルマに必須のリモコンドアロックとイモビライザーの特性にも、破られやすい、破られにくい、といった条件があるのかもしれないし、とにかく(盗んだあとに)、金になりそうで盗みやすいクルマが今回のクルマたちなのだろう。
ちなみに日本では圧倒的に盗まれる車は、ここ数年ランドクルーザーとハイエースというのがツートップで、どちらも海外でも圧倒的に人気が高く、売り手がすぐつくから、らしい。たしかにランドクルーザーもハイエースも、信頼性などにおいて右に出るものはいないほどのスペックだし、世界中のどの国に持って行っても、即座に働き者として役に立ちそうなクルマである。
それにしても今やスポーツカーでもスーパーカーでもなく、盗まれる車はSUVと実用車。それが現実のようである。

Text: Christian Jeß
加筆:大林晃平