このクルマなんぼ? 911(991)の価格 ドイツではこの走行距離でこの値段 日本と比べてどうよ? 

66

ポルシェ911(991): ユーズドカー、MT、価格

手入れの行き届いたポルシェ911が7万ユーロ(約889万円)以下で購入できる! タイプ991のポルシェ911は、サーキットでも日常生活でも優れた走りを提供する。そんな安価な991の中古車の情報!

911は今でも、日常生活用の足と本物のスポーツカーとの間の最良の妥協案だろう。
仕事の後にサーキットへの小旅行?
ノープロブレム!!!
2011年、ポルシェ911の第7世代、991シリーズが発表された。
991は、マニュアル7速トランスミッションを搭載した最初のスポーツカーであり、まさにそのMT仕様991がランシュット(バイエルン州)で販売されている。
しかも、70,000ユーロ(約889万円)以下で!
この991は2014年5月に購入され登録された個体で、その際のオリジナル価格は105,000ユーロ(約1,333万円)だった。
しかし、マニュアルトランスミッション仕様の911は、ポルシェの純粋主義者によってのみ選ばれ、現在の911のほとんどのドライバーは、7速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)を搭載した車を注文する。
この991が、このような比較的「低価格」なのは、MT仕様だというのがその理由だ。
ポルシェ911は伝統的に非常に価値が安定しており、実際にはすべての911がどこかの時点で、クラシックカーに成熟していっているので、この991も将来的には良い投資になるはずだ。

売りに出されている白いポルシェ911(991)は、これまでに78,900キロを走行している。
その6気筒ボクサーエンジンは350馬力を発揮し、最高速度は285km/hを誇り、0から100km/hまで4.9秒で加速する。
911は四輪駆動で、「50 Years of 911」オプションパッケージを搭載している。
このパッケージには、人気の高い5つのオプションエクストラが含まれている。
ナビゲーションシステム、電話モジュール、パークアシスタント、シートヒーター、スポーツクロノパッケージだ。
これには、ダイナミックエンジンマウント、アナログおよびデジタルストップウォッチ、エンジンやトランスミッションなどのパフォーマンスを重視した設定が可能なスポーツプラスボタン、などが含まれる。
インテリアはダークブルーのレザーで全面的に仕上げられており、ダッシュボードにはアルミアプリケーター、ヘッドライナーにはアルカンターラを採用している。
そして19インチのカレラホイールはブラックに塗装されている。
クルーズコントロール、2ゾーンオートマチックエアコン、サウンドパッケージプラスも搭載されている。
6万9790ユーロ=約886万円(中古車保証含む)が、ディーラーがこのポルシェに対して求めている価格だ。
この車は無事故で、点検整備もされている。
車検は2021年5月まで有効となっている。

911は安心の貯金箱

この911のオーナーが普段から入念にメンテナンスを行っていることが、この良い状態を保てている結果に他ならない。
テスターによる検査の結果でも、この991にサビは一切発見されなかった。
アクスルサスペンション、スプリングとショックアブソーバー、ベアリング、ステアリングシステムも一切問題がない。
フロントライト、ヘッドライト、リアライト、ターンシグナルシステムのエラー率も平均を大きく下回っている。
照明を含めても、すべての機能とコンポーネントの等級はAクラスだ。
ブレーキホースやブレーキラインについても、ほとんど批判されることはない。
ブレーキディスクについても、すべてがグリーンエリアにとどまっている。
高い整備工場価格だけが問題。
特にクーペはスポーティに運転されるため、ブレーキやクラッチ、タイヤの消耗が大きくなることがある。

911のコックピットの古典的な構造。左側のイグニッションロック、5つの丸いインスツールメント、手動ギアシフト。

いつの間にか911のミッションがMTではなく、オートマチックトランスミッション(PDK)のほうが主流になってずいぶん時間が経つ。そういえばティプトロニックが出たころから、気が付いたら30年以上が経過し、ミッションはその間にものすごく進化し、今やどうやってもMTよりも速く、効率よく、そして安楽に誰でも同じ性能を出せる時代になってしまった。
もはやMTは少数派で(聞くところによると、日本でももちろんMTは圧倒的少数派で、MTは2割とも言われていたこともある)、このレポートによれば、なんとも嘆かわしいことにMTのほうが安いのだという(つまり、下取り価格もMTのほうが安くなってしまうということだ)。
フォルクスワーゲン ゴルフGTIくらいならまだしも、911にしてこの状況を見ると、自然とため息しか出ない。せっかくの911なんだから、クラッチ踏んで運転したらどうだ、とつい無駄口をついてしまう。

それでも…、もし自分が新車で911を購入するとしたら、MTかPDKかは非常に悩ましい問題で、何も迷うことなくMT一直線に進めるかというと、そういう自信もないのは我ながら情けない。それほど現在のPDKは完成度も高いし、MTよりも楽しさに劣る、ということはまったくないだろう。
だが、やはりポルシェ911はMT、それもカブリオレでもタルガでもなくクーペでサンルーフ付き、という硬派には、このレポートの991、なかなかいい一台ではないだろうか。色もシンプルにストイックなホワイトだし、内装も実にきれいで大切に使われてきた様子である。
わが国で流通する991よりも、走行距離はちょっと多めではあるが、これぐらいの距離をアウトバーンなどで使われた個体のほうがエンジンの調子も良い可能性がある。もちろん左ハンドルということもあるし、なかなか魅力的だと思うが、硬派な991愛好家のあなた、この一台いかがだろうか?

Text: Matthias Techau
加筆:大林晃平