ほどよいラグジュアリー感「メルセデスCLE 450 4MATICクーペ」に韓国で初試乗
2024年8月25日
メルセデス・ベンツ CLE 450 4MATICクーペ:ほどよいラグジュアリー感。メルセデスは韓国でフルスロットルを展開している。メガマーケットである中国のお隣の韓国で、メルセデスCLE 450 4MATIC クーペに試乗した。
メルセデスは、その厳しい競争環境においてプレミアムから遠ざかって久しく、国際的なラグジュアリーブランドになることをこれまで以上に望んでいる。このことは、世界で最も重要な自動車市場のひとつである韓国にも当てはまる。
韓国は近年、特に自動車産業において目覚ましい発展を遂げ、メガマーケットである中国の小型版となった。メルセデスは、その最も重要な市場のひとつで、絶対的な高級ブランドとしての地位を確立したいと考えている。
これは、特に人気の高い「Eクラス」サルーンだけでなく、「CLE」のエモーショナルな派生モデルなどで達成される。というのも、メルセデスはラグジュアリー戦略を声高に宣言しているにもかかわらず、「Sクラス」のラグジュアリークーペを後継モデルもなく無謀にも廃止してしまったため、「CLE」は「AMG GT」や「SL」のピュアスポーツバージョンを除けば、新たなトップモデルとなっているからだ。
したがって、小さなベーシック4気筒の「CLE 180 / CLE 200」を選ぶのはもったいない。この「CLE」は、イメージアップのための6気筒エンジンが欲しい、と – たしかにバックグラウンドでは非常に静かに – 叫んでいる。
ハンドルを握るパイロットになりたいなら、よりシャープな「53 AMG」バージョンを選ぶべきだが、唯一理想的な代替モデルは全長4.85メートルの「CLE 450 4MATICクーペ」である。3リッター直列6気筒エンジンを搭載し、日常使用時の静粛性は非常に高く、さながら電気自動車に乗っているかのようだ。
メルセデス CLE 450 4MATICクーペ:381馬力、500Nm
韓国の海岸沿いを走り、釜山に架かるいくつもの橋を渡ると、何百万人もの人々が暮らす大都市と、それを取り囲む緑の丘が見渡せる。ここでは381馬力&500Nmは必要ない。23馬力のスタータージェネレーターと、必要に応じてさらに205Nmのトルクがサポートされる。洛東江のすぐ後にある印象的な港湾施設に右折する2台の小型トラックを2トンの2ドアが追い抜くように。
このアウェーゲームでは、スワビアの騒音レベルも印象的なほど低い。一方、韓国の人々は「メルセデスCLEクーペ」が好きなようで、信号待ちのときだけでなく、あちらこちらで興味深そうに見てくる。
シャシーはタイトなコンフォートパッケージを提供し、ダイナミックなドライバーでなければ、ドライビングプログラムに応じて調整可能なショックアブソーバーや、セルフステアリングリアアクスルはなくてもいいだろう。
印象的なエンジンパワーにもかかわらず、AMGバッジのない「CLE」はカジュアルで自信に満ちたクルーザーであり、単純に運転する喜びを感じさせてくれる。蔚山に向かう途中の田舎道で少しペースを上げたときでも、レッグサポートが充実し、十分な輪郭を持つ優れたレザーシートが体をサポートしてくれる。直列6気筒エンジンは、ドライバーの要求に応じて進んで回転数を上げ、その気にさえなればいつでも速く走れることを教えてくれる。
短い中間スプリントや、高速道路でのスピードは、このクラスでは印象に残らない。
いずれにせよ、最低でも72,585ユーロ(約1,175万円)する「メルセデスCLE 450 4MATIC」は、裕福な二人世帯向けのモデルだ。大きな荷物を運ぶ必要がある場合は、リアシート2席をスマートバッグ用に使うか、420リットルのトランクからリアシートを倒した方がいい。
テクニカルデータ:メルセデス・ベンツ CLE 450 4MATICクーペ
エンジン:直列6気筒ガソリンエンジン
排気量:2999cc
最高出力:381馬力
最大トルク:500Nm@1800~5000rpm
トランスミッション:9速オートマチック
駆動方式:全輪駆動
最高速度:250km/h
0-100km/h加速:4.4秒
ラゲッジコンパートメント容量:420リットル
車両重量:1,950kg
基本価格:72,585ユーロ(約1,175万円)より
Text: Stefan Grundhoff
Photo: Daimler AG