【新車情報】クリーンなアウディ 初テスト CNG(天然ガス)仕様車 アウディA5スポーツバックg-tron 

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アウディA5スポーツバック40 g-tron その実力と実用性は?

天然ガス仕様のA5は、超クリーンな走りを提供するが、残念ながら給油時にはイライラする。フレッシュアップされたアウディA5スポーツバックなら、天然ガスバージョンでも楽しめる。ただし給油所のネットワークさえちゃんと確保されていれば…。我々はCNG仕様のA5スポーツバックをテストしてみた。

我々ドイツ人は時に逆説的なドライバーの集団である。
我々の多くはいまだにガソリン自動車を運転するのを好むが、ガソリン自動車は私たちにとって意味がない。
なぜなら、天然ガスはクリーンで、何よりも驚くべきことに、ガソリンエンジンと比較して80%のCO2削減が可能だからだ。
そして何よりも、驚くほど安価で、混沌とした現代社会にとって、明日への架け橋となる技術だからだ。
プラグインとEVに関する誇大広告はCNG(天然ガス仕様)車のことを人々の頭から拭い去り、簡単に忘れさせてしまう。

いずれにしても、2019年の天然ガス仕様車の登録台数シェアは0.2%だったが、前年比では29.4%も減少している。
このようなCNG(天然ガス)車にまだ興味を持っている人は、実際にはまだ大規模にこの技術に頼っているのはVWグループだけであることを発見して驚くだろう。
例えばアウディ、メーカーはその低い販売の数字によって落胆していないし、再びg-tronとして、フェイスリフトされたA5スポーツバックを提供している。
そして、ご覧のように、おそらく現在最も美しい天然ガス車だろう。
視覚的には、g-tronは、ガソリンやディーゼルでのみ駆動されるその兄弟モデルとは異ならない。太いホイールや「S ライン スポーツ パッケージ」も利用可能だ。

g-tronは、走行時には良い数字を生み出す

そして、それはすごく誇張されてなどいない。
この170馬力のg-tron(46,936ユーロ=約595万円から)は、しっかりと運動性能を発揮する。
ボンネットの下に何か違うものがあることに気づかせてくれるのは、ややきつい燃焼音だけだ。
しかし、その音質も、まだTDIよりもはるかに、はるかにソフトに実行される。
サスペンションもしっかりとその役割を果たしている。
A5は原則として、しっかりとチューニングされており、日常生活で神経質になることなく存分に楽しめる。
唯一ステアリングが軽すぎるのが難点だ。
走行性能におけるCNG(天然ガス)駆動による欠点?
ない。
事実、何も気づかない。
トランクの床は3.5センチ高くなっている(天然ガスタンクのため)。
本当に厄介なのは、エネルギー再補給用スタンドのネットワークの薄さだ。
ドイツ国内には800軒ほどあるが、それでも実用性は極めて低く、インフラはほとんど整備されていないといってもいいと思う。
また7リットルの小さなガスタンクは本当に困るのだ。

とにかくそれにはそれだけの価値がある

1キログラムの天然ガスをプレミアムガソリンに換算すると、燃料費は1リットルあたり約70セント(約75円)だ。
我々のテストでは、100kmの走行で4.9キログラムを消費したので、コストはわずか5.39ユーロ(約680円)だ。
それなのに、誰も天然ガス車の開発に本腰を入れて取り組もうとしないのか?
まさに逆説的というしかない。

結論:
天然ガス駆動のA5スポーツバックはエキゾチックであるため、本当に残念だ。
見た目もよく、日常使いには十分な実用性があり、洗練されたクリーンで経済的な運転ができる。
しかし供給ネットワークが実用性からは程遠いインフラの現状が天然ガス駆動モデルの普及を阻んでいるという事実は非常に歯がゆい。またタンクの容量もまだまだ足りないと思う。
AUTO BILDテストスコア: 2-

燃料電池にEVとプラグインハイブリッド……。まだまだ車のパワーユニットはこれから様々なタイプのものが混相する時代だと思う。完全な解答というのはもちろんなく、それぞれが一長一短だが、CNGというのももちろん一つの方式だし、可能性はまだまだあるといえよう。
もちろんこういうエネルギー問題には、それを供給するインフラ整備が必須なので国政とか補助金とかそういう生臭い話にもなってしまうが、そういったことをひとまず別として、CNGのアウディをちゃんとランナップし、その広報車(おそらく)をきちんと用意しているアウディの態度は評価すべきである。
そういえば日本ではタクシーはLPGが主流なわけだし、数年間にトヨタ プロボックスのLPG使用バージョンがちゃんと用意されて、普通に売られていたことに軽い衝撃を受けたことがある。そう考えれば、意外と日本ではガソリン(軽油)以外のエネルギーでも比較的に違和感なしに普及する可能性もあるだろう。
ドイツでもこれだけアウディが本気の一台を出してきたのであればフォルクスワーゲングループだけではなく、他のメーカーも(現在、もちろん研究はやっているだろうが)CNGのモデルをラインナップに載せる時代がやってくる可能性は高いのではないかと思う。

Text: Stefan Voswinkel, Dennis Heinemann
加筆:大林晃平
Photo: AUDI AG