1. ホーム
  2. スポーツカー
  3. 【このテスタロッサルックのベンツなんぼ?】ド派手なボディキットが痺れる「メルセデス 560SEC ABCエクスクルーシブ ワイドボディ」の価格は?

【このテスタロッサルックのベンツなんぼ?】ド派手なボディキットが痺れる「メルセデス 560SEC ABCエクスクルーシブ ワイドボディ」の価格は?

2024年7月23日

メルセデス・ベンツ 560SEC ABCエクスクルーシブ ワイドボディ(Mercedes-Benz 560SEC ABC Exclusive Widebody)ケーニッヒスペシャルズのコンバージョンでもまだ控えめすぎるという方には、ABCエクスクルーシブのこのメルセデス 560SECがお勧めだ。35年落ちのこのベンツは、わずか5,000kmしか走っていない!

どんな価格でも目立つことがモットーだ!ケーニッヒスペシャルズやSGSのコンバージョンでさえ、まだありふれているというなら、ABCエクスクルーシブのワイドボディを持つこの「メルセデス 560 SEC」は、少なくともミリオタにはうってつけのクルマだ!

長い間、80年代と90年代のチューニングは「DIYマーケットチューニング」として悪名高かった。ボディキットは極端で、スポイラーは膨張し、色に関しては、実質的に制限はなかった。そんな中、一般的な認識は(部分的に)変わってきた。ここ数年、ケーニッヒスペシャルズのようなチューナーのクルマはカルト的な人気を誇り、徐々に貴重なコレクターズアイテムとなっている!

ABCエクスクルーシブは1983年設立

1983年にボンで設立された「ABCエクスクルーシブ」は、どちらかというと無名のチューニングカンパニーだが、瞬く間にシーンにその名を轟かせた。ABCエクスクルーシブは、BMWとメルセデスをベースにしたコンプリートコンバージョンを専門としていたが、ジャガーや ポルシェ、その他のブランドのモデルもモディファイしていた。

メルセデスだけでなく

ヴォルフガング フレードリッヒの会社で最もよく知られたコンバージョンには、「W126」シリーズの延長「メルセデス Sクラス」があり、「BMW 6シリーズ(E24)」と「メルセデス 190(W201)」のコンバーチブルバージョンは特にワイルドだった。ワイルドなワイドボディキットに加えて、インテリアも完全に洗練され、顧客の要望に応じてテレビやミニバーなどが装備された。

ところが「ABCエクスクルーシブ」が有名になると同時に、同社は下り坂になった(いくつかの競合他社と同様)。同社は経営難に陥り、1993年にはついに破産を申請せざるを得なくなった。それまでに何台のクルマがカスタムされたかは定かではない。ワイルドなABCコンバージョンは確かに珍しい。

ワイルドというのは控えめな表現だ:ABCエクスクルーシブによる改造は、純粋な80年代チューニングだ。

さらに興味深いのは、「Auto Leitner」が広告を出しているこの1990年型「メルセデス560 SEC」だ。このオランダのディーラーは希少なメルセデスのモデルを専門に扱っており、現在、「メルセデス 350SL(R107)ケーニッヒスペシャル」と「ブラバス ロケット800」も出品している。

しかし、ABCエクスクルーシブの「560SEC」に比べれば、この2台ですら控えめに見える。1990年製の「メルセデス C126」をベースにしたこのチューニングカンパニーは、他の追随を許さないクルマを作り上げた。

XXLサイズのワイドボディ: ボディキットはGRP製で、リアホイールのサイズは295/50 R15。

「ダイヤモンドブルーメタリック」に塗られた「SEC」は、実に目を引く。これはもちろん、極端なワイドボディによるものだ。「フェラーリ テスタロッサ」をモデルにしたフェイクエアインテーク付きのボディキットはGRP製で、ただでさえ華奢とはいえない「126」を極端にたくましく見せている。さらに、クロームメッキはすべて取り除かれ、すべてのパーツが車体色に塗装されている。ボディキットだけでも、1980年代には4万から5万ドイツマルク(約355~444万円)ほどかかったと思われる。また、対応するホイールのないワイドなボディはカッコイイというより恥ずかしく見えるので、ペイントされた星(スリーポインテッドスター)とドロップセンター付きの15インチホイールがマッチしている。

XXLサイズのリアウイング

ボンネットのエアスクープはほとんど滑稽に見え、リアウイングも少なくとも1サイズは大きすぎるように見える。

完全脱クローム:SECのボディパーツはすべて車体色に塗装された。

ヘッドライトはUSモデルから拝借したものだが、インテリアを見ればわかるように、さらにワイルドになる。ここでは、ベビーブルーのレザーとアルカンターラが組み合わされ、それだけではグロテスクになりきれないので、白いパイピング、白いトリム、シートベルトが取り付けられている。しかし、極めつけはホワイトカーペットだ。

完全なエスカレーション:エクステリアでさえ、インテリアに比べるとほとんど目立たない。

ブルーのレザーとアルカンターラのコンビネーションとホワイトのカーペット。このコンバージョンには多くのお金がかかっているようで、インテリアのほとんどすべて(ルーフライニング、レカロスポーツシート、ドアパネル、ダッシュボード、パーセルシェルフなど)がレザーまたはアルカンターラで覆われている。デリケートな色と素材にもかかわらず、写真で見る限り、インテリアは新品同様だ。これは、「SEC」のスピードメーター(当然ながら白色)の走行距離がわずか5,157kmであることに起因している。

これがSECの価格だ

ちなみに、このワイルドな外観とは裏腹に、5.5リッターV8(M117)には手が加えられておらず、279馬力を発揮する。この「560SEC」は、内向的で静かなペダルをこぐ人向けではないし、気の弱い人向けでもない。オートライトナーは、ABCエクスクルーシブコンバージョンに175,000ユーロ(約3,000万円)を要求している。ひとつ確かなことは、これ以上人目を引く「560 SEC」はないということだ!

Text: Jan Götze
Photo: autoleitner