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【新車情報】ポルシェ パナメーラが フェイスリフト 全情報

2020年8月29日

ポルシェ パナメーラがフェイスリフト。911からステアリングホイールをゲットした。

ポルシェがスポーツサルーンパナメーラのデザインを一新。911のステアリングホイールを取り付け、新型プラグインハイブリッドを導入。

➤ イントロダクション
➤ エクステリア
➤ インテリア
➤ イクイップメント(装備品)
➤ エンジンと価格

パナメーラ ターボSがターボに取って換わる

家族みんなでスポーティに走りたいと思う人たちのために、ポルシェは、2009年からパナメーラでそのことを可能にした。
しかし初代は多くの批判を浴びた。
フロントエンジンとロードコンパートメントを備えた4ドアのツッフェンハウザーは、ブランドの多くのファンの間では「似合わない」との意見があった。
しかし、パナメーラの成功は、ポルシェが正しいことを証明した。
2016年、ポルシェはパナメーラをよりスタイリッシュに、より不器用さを抑えたモデルに生まれ変わらせた。
現在、ポルシェはスポーツセダンの全バージョンでフェイスリフトを推進している。
エンジンの選択肢が全体的に増えたことで、ポルシェはターボを廃止し、よりパワフルなターボSに置き換えた。
他に何が変わったのかを以下にレポートする。

エクステリア(外観): スポーツデザインエプロンがベース

ビジュアル的には、一見すると以前のパナメーラとあまり変わらない。
基本的なエプロンが不要になり、これまで追加料金がかかっていたバージョンが、「スポーツデザインパッケージ」に交換されている。
一方、新型のトップガソリンエンジン「ターボS」には、ダブルデイタイムランニングライトと大型のエアインテークを備えたバンパーが装着されている。
ポルシェは今後、ホイールを3種類から選べるようになり、21インチホイールにスポーツタイヤを装着することも可能になった。
リアエンドには、連続したストリップ状のライトが装着されることになる。
そして、新しいフィリグリーライトのグラフィックを備えたリアライトが装着されている。ウインカーエレメントもリデザインされ、もう少し鮮やかに曲がる方向を示すようになる。
パナメーラ全モデルに共通するのは、リアエプロンに新デザインのディフューザーエレメントを採用したことだ。ここでも、ターボSは、4本の黒くなったテールパイプを持つ独立したエキゾーストシステムを装備している。
また、今回のフェイスリフトでは、2つの新色が用意されている。
「トリュフブラウンメタリック」のほかに、「チェリーメタリック」の注文も可能だ。

リフレッシュしたパナメーラのリア。新しいフィリグリーテールランプが特に印象的だ。

インテリア: 911から新ステアリングホイール

インテリアにおいても、ポルシェはいつものように視覚的な工夫を凝らして目立たないようにしているが、今回最も顕著な変更点は、ステアリングホイールだ。
今回のフェイスリフトでは、911やタイカンでお馴染みのローラーコントロールとドライビングモードダイヤルを備えた新デザインのステアリングホイールが採用されている。
いつものように手にしっくりと馴染み、最初の1秒からクルマをフルにコントロールすることができる。
その後ろのデジタルコントロールは、以前のままの外観を維持しており、解像度を調整しただけで、現在はフルHDでコンテンツを表示している。
センターコンソールの中央モニターも同様で、こちらも解像度が向上している。
インフォテイメントはよりインテリジェントな音声アシスタントによって補完されている。
座り心地は良好で、目に見える部分の仕上がりは文句なく、人間工学的にも不満はない。
残念ながら、折りたたみ式センターアームレストの裏地のプラスチック製ベロアが安っぽく見えて、全体的な印象にはマッチしていない。

フェイスリフトバージョンには、911とタイカンでおなじみのローラーコントロールとドライビングモードダイヤルの備わったステアリングホイールが採用されている。

イクイップメント(装備品):変更点詳細

インテリアの新しい装飾を除けば、パナメーラの装備品リストには何の変更もない。
しかし、スポーツクロノパッケージを注文した人は、ダッシュボード上にクロノグラフを置くことができるようになっている。
エンジニアたちは、アダプティブダンパー、電気機械式ロールスタビライザー、ステアリング、エンジンとアクスルのベアリングなどの最適化に詳細な作業とエネルギーを投じた。
具体的には、これにより、より正確なステアリング、より多くのトラクション、高速カーブでの横傾斜の減少がもたらされるはずだ。

エンジンと価格: 新しいプラグインハイブリッド

従って、新しいパナメーラでは、イノベーションはボンネットの下に隠されている。
これは特にエンジンに当てはまる。
パナメーラとパナメーラ4の2種類のエントリーモデルは、3リッターV6のままで、モデルアップグレード後も330馬力を発揮している。
GTSでは、従来の460馬力から480馬力に変更されている。
パナメーラ ターボは、ラインナップから外され、630馬力のターボSに置き換えられる。
パワーは依然、実績ある4リッターV8からのもので、新しいセットアップによって強化されている。
また、電動化されたモデルにも新機能が搭載されている。
フェイスリフトのために、新しいプラグインハイブリッド誘導体、パナメーラ4S Eハイブリッドが用意される。
これは560馬力のシステム出力でディーラーに並ぶ。
パナメーラ4 E-ハイブリッドのエントリーレベルのハイブリッドは、以前と同じシステム出力(462馬力)で提供されているが、トップモデルのターボS E-ハイブリッドは700馬力で登場する。
また、ポルシェはバッテリー容量の面でも進歩を遂げている。
将来的には容量17.9kWhの蓄電ユニットを使用するが、バッテリーのサイズは変わらない。しかし、容量が増えることで、全ハイブリッドモデルの航続距離が最大30%伸びることになる。
価格面では、パナメーラは先代モデルと比較して、ほぼ安定している。
91,000ユーロ(約1,150万円)前後のパナメーラは、エントリーモデルとして継続し、新型ターボSは18万ユーロ(約2,280万円)前後からとなっている。
ガソリンモデルはすぐに注文でき、2020年の晩秋に納車される予定だ。
プラグインハイブリッドは時間がかかるが、2021年春には発売されるはずだ。

パナメーラ ターボはなくなり、630馬力のターボSに変更される。
プラグインハイブリッドモデルは来春登場予定。
新色の「チェリーメタリック」を身にまとった新型パナメーラ。

マイナーチェンジを受けたパナメーラ……と教えてもらっても、なんとなく目つき(ライト)が変わったなぁ、とか、見なれない色(新色だから当たり前)くらいしか判別できないが、おそらく中身は、細かい部分を含めると無数に改善改良されているはずで、クルマのマイナーチェンジは、特にドイツ車の場合、昔からそういうものである。
パナメーラのマイナーチェンジも、じっくり旧モデルと新モデルを乗り比べるか、毎日乗っているオーナーでもない限り、その差を明確に表現できる術はないのかもしれない。
そもそもマイナーチェンジ前のパナメーラでダメな点、足りてない点などあるのだろうか、というと、世の中の99%の人には、そういうものは見つけられないだろうとも思う。だがエンジニアたちにとっては改良したい部分も必ず出てくるのだろうし、日進月歩のエレクトロニクスデバイスの部分などは圧倒的に優れたものとなっていると、予想はできる。
「最新のポルシェは最良のポルシェ」という言葉、今でも全モデルに適合しているかどうか、気になると同時にぜひ機会があれば試してみたい。
 

Text: Andreas Huber
加筆:大林晃平
Photo: Porsche AG