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【比較テスト】 人気のステーションワゴン対決 アウディA4アバント対ボルボV60

2020年8月27日

アウディA4アバント対ボルボV60: テスト、エンジン、価格、ステーションワゴン

A4アバントやV60のエステート車はベーシックなガソリンエンジンで十分なのだろうか?
ベーシックなガソリンを搭載したプレミアムステーションワゴン – それはそれで十分なのだろうか?いやいや、アウディA4アバントとボルボV60は、我々の比較テストが示すように、実際には多くの楽しみがある。

いったいいつの間にこういうことが常識となったのか。

100馬力以下のポロに我々は顔をしかめ、ゴルフは150馬力あって当然だ?
そして、それ以上のすべてのモデルの馬の数は少なくとも200頭から始めなければならないなんて
だが本当にそうだろうか?
アウディA4アバントとボルボV60を比較してみて、より少ないもので、より多くのことができることを感じた。
ミッドサイズステーションワゴンの高貴な世界へのエントリーは、150馬力で十分可能だ。
そのことに関しては賭けてもいい。

アウディはA4に前例のない弱点を抱えている

まずは北の国のクルマから見てみよう。
ベースとなるのは163馬力のボルボV60 B3。
その後ろには、電動モーターと48ボルトのバッテリーに支えられた2リッターのガソリンエンジンがある。
このシステムはマイルドハイブリッドと呼ばれ、ブレーキ時にエネルギーを蓄え、発進時と加速時にエネルギーを放出する。
しかし実際にはよりダイナミックに聞こえる。
これについてはまた後ほど述べる。
次にアウディ。
(ほとんど)すべてがここでは非常に正常だ。
すなわち、ターボと150馬力を持つ2リッター4気筒、自動トルクコンバーターと、ボルボとは異なり、アウディは7速DSGにエンジンをカップリングしている。
両方とも4.76メートルという全長だ。
ボルボは5センチメートルより長いホイールベースを持っている。
したがって、後部にアウディよりわずかにより多くのスペースが備わっている。
そして、より丁寧に作られている!
我々は、この章では、品質の世界チャンピオン、アウディから1ポイントを差し引いている。A4は20点中17点、ボルボは20点中18点と、1ポイント勝っている。
だがアバントの固定されていない背面のフロアマットはうすっぺらく、VW Upのようにゆるゆるとスライドする。それはアウディのクオリティでは決してない。

アウディは、150馬力2リッター4気筒ターボと7速DSGをカップリングだ。

ボルボの2列目はライバルよりも大きい

ボルボでは、フロアマットがしっかりしているだけでなく、トランクの床にフラップを設置し、所定の位置にロックすることができるので、ショッピングが前後にスライドしないように、その下には、彼らはフェルトで二重床をカバーしている。

一方アウディの後部座席は、より快適で、快適なシートの高さと優れた脚のサポートを持っているが、ボルボでは、長さが足りず太ももがシートに残っていない。
これはアウディがリアのフットウェルを4.5センチ低くしているからともいえる。
アウディのフロントも快適だ。
これは、肩の周りでも完璧な横方向のサポートを提供する優れたスポーツシート(366ユーロ=約4万5千円)によるものだ。
さらに、A4のフロントシートは、ヘッドレストは上だけでなく、前方にも動かすことができる。

光と影。V60はアウディよりも後ろのスペースが広いが、シートの座り心地ではA4に劣っている。

そして、電子デバイスの分野で再びアウディを称賛する。直感的なタッチコントロールと音声入力を備えた新しいコネクティビティは、今ではより高価なA6とほぼ同レベルのものとなっている。
一方、タッチスクリーンのみのボルボのそれは、時代遅れであり、メニューが交互に配置され、アイコンが小さすぎて運転中にアクセスできない場合がある。ナビゲーションシステムも不正確だ。

ハイブリッドシステムはV60にメリットをもたらさない

ハイブリッドシステムはV60に利点をあまりもたらさない。ブレーキをかけるとエネルギーが蓄積され、発進時や加速時に放出されるようになっているはずの、ボルボのマイルドハイブリッドシステムは実際にはうまく機能しなかった。
スタートはボルボのほうがスムーズだ。トルクコンバーターは、DSG-アウディよりも、当然のことながら優れている。
しかし、性能数値は逆の結果となった
A4は0から100km/hに9.0秒(ボルボ:10.3秒)で、60km/hから100km/hの中間加速タイムも、5.1(ボルボ:5.7)でA4のほうが速かった。
走行性能のすべての分野で、A4 はハイブリッド ボルボよりも優れている。
燃料消費量の面では、両モデルは、リッターあたり13.3kmと対等だ。
これは、ボルボが221キロ重いためだ。
アウディもA4をマイルドハイブリッドと呼んでいる。
12ボルトベースだが。
アウディはまた、ベルトスターターオルタネーターを介して電力を回復し、それは別のバッテリー(10Ah)に保存される。
そして、我々は、ダンパーコントロール(1,004ユーロ=約12万6千円)を備えたアウディのサスペンションはより細かく、ステアリングは常に敏感でダイレクトだということに気づく。

アウディのアドバンテージ。より良いチューニングを施されたA4は、パフォーマンスの面で明らかにV60を凌駕している。

いろいろと備わったテスト車では、エントリーレベルのモデルは高価になる
ボルボの、あまりにもタイトで状況によってはバンピーなシャシーと太い19インチタイヤという組み合わせは、時にあまりにもハードな乗り心地をもたらす。
スウェーデン製プレミアムステーションワゴンは、クロスジョイントを全く好まない。我々としてはより柔らかいスプリングが必要だと思うし、ステアリングは中間位置でより多くのフィードバックをもたらす必要があるが、あまりにも鈍感だ。
以上はすべて主観的なものだが、客観的にも批判する違いはまだある。
アウディは100km/h時から33.2メートル(ボルボ:35.2メートル)で完全停止する。
アウディは、より良いドライブだけでなく、より短い時間で停止する。
これらのテスト車は、エントリーレベルのモデルだ。

しかし、高貴な世界のステーションワゴンはそれなりに高価だ。
38,000ユーロ(約480万円)という開始価格は1つの真実だが、より快適なモデルとするためのオプション費用の5000〜7000ユーロ(約63万円~88万円)という、もう1つの真実が存在することも忘れてはならない。
今回のテストに供されたボルボV60は、ヘッドアップディスプレイ、アコースティックグレージング、アダプティブサスペンション、19インチホイールを装備して、価格は45,835ユーロ(約580万円)だ。
一方、仮想コックピット、ナビゲーションシステム、快適なサスペンション、スポーツシートと18インチホイールを兼ね備えたA4のテスト車は、V60のテスト車よりも、2310ユーロ(約30万円)少ない43,525ユーロ(約550万円)で購入できる。

高価なベーシックガソリンエンジン。テスト車に備わったすべてのエクストラを含めて、A4アバントとV60は軽く40,000ユーロ(約500万円)を超える。c

第1位 800満点中552点: アウディA4アバント 35 TFSI Sトロニック
150馬力ガソリンエンジンは、スタートからフィニッシュまで、納得のいく勝利をおさめる。優れたシャシーと完璧なステアリング、そして優れたコネクティビティを兼ね備えている。そして対戦相手(ボルボ)よりも若干安い。

第2位 800満点中526点: ボルボV60 B3
素晴らしいデザイン、完璧な出来栄え、非常に素晴らしいエンジンとギアボックスのチューニングだが、残念ながらあまりにもデコボコしたシャシーだ。そして、より高価だ(アウディに比して)。

結論:
4.76メートルのエステートカーに150馬力のガソリンエンジンは十分か?
もちろん、十分だ!
アウディとボルボは、ベーシックバージョンだからといって、何かを犠牲にすることを意味しないということを明確に示している。今回は最終的に、より良いサスペンション、より敏感なステアリングを持っているアウディの勝利となった。
そして、それは評価対象となったテスト車が、ライバルよりも2310ユーロ(約29万円)安いということも理由となった。

最近のボルボの人気の高さは当然であると思う。

かく言う私も、今のボルボは格好いいなぁと思うし、ちょっと欲しい車リストに入っている。エクステリアもインテリアも北欧モノらしい魅力あふれるデザインで、なおかつそこに上品さと控えめな雰囲気も加味されているところが、実にスマートで格好いい。
そのようなスマートで北欧らしさにあふれていることが今のボルボ絶好調の理由であることは間違いなく、迫力と押し出しに勝負をかける他者の同セグメントの車たちとの違いである。
だがそのイメージほどクルマそのものが優れているかと言われると、今回のアウディをはじめとして、同セグメントの例えばメルセデス・BMWといったライバルよりもハードウェア面では追い付いていない面も多い。
昔からボルボはそういったイメージ戦略がうまく、強固で安全な車、というイメージをもつ車としてその分野では他車を圧倒していたといってもよい。だが、安全であることは確かであったとしても、ボルボのクルマそのものが(例えば240とか740などの時代)、強固だったり、ものすごく故障が少なく丈夫だったりということはなく、意外と乗ってみれば柔らかく、アメリカ車にも似た感覚を持つ車であったと記憶している。
だからこそアメリカでは知的な職業のお客様に愛され、人気を博していていたわけでもあるのだが、いずれにしてもボルボというのは、良いイメージが先行することが多い自動車メーカーなのだと思う。

そしてそれは北欧スゥエーデンという国に対して私たちが描く、マイナス面の少ないイメージともつながっているが故の高評価なのではないか。ボルボのクルマは、決して悪くはないし、内容的にもダメな部分というのは探しにくい。だがメルセデス、BMW、アウディと同価格となり、直接比較した場合には、客観的事実としてどうしても特にハードウェア的には劣ったものとなってしまうことは避けがたい。

昔、240とか740時代のボルボは、他のドイツメーカーの同セグメントの車よりも、安かったからこそ説得力があったともいえるし、今も昔と同じようにイメージ先行の車なのだとも思う。アウディと比較した場合、ハードウェア面ではアウディの勝ちが明らかになった今回のテストは、きわめてまっとうな結果であるといえよう。
だが、それでもボルボを積極的に選ぶ人がいることを私は少しもおかしく思わない。
自動車というのは、そういう性格の、きわめて複雑な商品なのである。

Text: Andreas May, Dennis Heinemann
加筆:大林晃平
Photo: Sven Krieger