EVとしてのGTI登場!340馬力のパワーと全輪駆動と約600kmの航続距離 これが新型「VW ID.7 GTX」の重要な性能だ!
2024年7月1日
フォルクスワーゲン ID.7:VW ID.7 GTXの「X」はパフォーマンスを意味する。2基の電動モーターによる340馬力のパワー、全輪駆動、約600kmの航続距離。ファーストチェック!
「ID.7 GTXツアラー」から数カ月後、ヴォルフスブルクに本拠を置くVWは「ID.7 GTX」を発表した。新型「ID.7」の最上級モデルは、VWで最もパワフルな電気自動車である。
GTXは電気自動車のGTIである
「GTX」この略称は、IDシリーズでは、内燃エンジンの「GTI」に相当する。そして、VWは継続的にモデルレンジを拡大している。「ID.4」、「ID.5」に続き、「ID.3」、そしてちょっと意外だが、レトロフューチャーな「ID.Buzz」もスポーティな電動バージョンとして登場した。2024年3月に発表された「ID.7 GTXツアラー」と合わせ、「GTX」ファミリーは現在6台となっている。
基本的なレシピはいつも同じだ。内外装にスポーティな素材を採用し、パワーを少し高め、硬めのセッティングを施した。ルックス面では、「ID.7 GTX」は「GTI」のハニカムグリルを備えた新しいフロントエプロン、2つの三角形を重ねた人目を引くデイタイムランニングライト、グロスブラックのトリムパーツを備えている。
「GTX」のシグネチャーカラーである「キングスレッドメタリック」と20インチの「スカーゲン」ホイールは、LEDマトリックスヘッドライトやフロントとリアのイルミネーションVWロゴと同様、トップモデルの標準装備となっている。
見渡す限りのレッドアクセント
「GTX」の顧客は、インテリアにも豊富な標準装備を期待することができる。デュアルゾーンオートエアコンディショナー、AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ、ワイヤレスApple CarPlayおよびAndroid Auto、ChatGPT統合音声アシスタントIDAなどだ。
コックピットの非常に上質な印象は強調されるべきである。ノーマルの「ID.7」でも、VWは卓越した素材と非常に優れた仕上がりにこだわっているが、「GTX」では、オプションで「エルゴアクティブ」シートを注文することができる。
このシートは、電動調節機能(メモリー機能とコンフォートアクセス機能付き)だけでなく、シートベンチレーションといわゆるツボ押しマッサージも備えている。エルゴアクティブシートは、ハーマンカードン製サウンドシステムとリアシートヒーターがセットになった「インテリアパッケージプラス」にも設定されている。
340馬力のVW ID.7 GTX
「ID.7 GTX」は、これまでで最もパワフルな電動VWモデルとなった。「ID.7 GTXツアラー」と同様、電動モーターをフロントアクスルとリヤアクスルに1基ずつ搭載した電動デュアルモーター全輪駆動が採用されている。リヤアクスルには210kW(286馬力)のPSM電動モーター(AP550)と、80kW(109馬力)のASM電動モーターが搭載される。
特別な特徴:これは非同期式で、必要なときだけスイッチが入る。全輪駆動コントローラーとXDS+電子制御ディファレンシャルロックを介して制御される。通常の運転では、このシステムコンポーネントはほとんどエネルギーを消費しない。
その結果、システム出力は250kW(340馬力)となる。「ID.7 GTX」の0-100km/h加速は5.4秒だが、スポーツモデルであろうとなかろうと、最高速度は180km/hで停止する。バッテリー容量は正味86kWhで、最大595kmの走行が可能だ。充電は、「ID.7ツアラー プロS」ですでに知られているように、最大200kW(DC)で行われる。
「GTXツアラー」には、より強力なスタビライザーと専用のセットアップを備えた改良型サスペンションが搭載されている。プログレッシブステアリングも標準装備されている。我々が近いうちにおこなう最初のテストでは、「GTX」が、本当にスポーティかどうかがわかるだろう。
ベースモデルは6万ユーロ(約1,020万円)以上から
それまでしばらく時間がかかるが、「ID.7 GTX」と「GTXツアラー」は、現在、すでに注文可能だ。ベース価格はGTXが63,155ユーロ(約1,074万円)で、エステートバージョンは800ユーロ(約14万円)高い。「ID.7 Pro S(58,985ユーロ=約1,003万円~)」と比較すると、スポーツモデルの追加料金は4,000ユーロ(約68万円)となる。
結論:
「VW ID.7 GTX」にサプライズはない。トップモデルは、控えめでスポーティな外観、十分なスペース、非常に上質なインテリアで魅了する。さらにパワーアップした全輪駆動も用意されている。「ID.7 Pro S」に比べ、割増価格も控えめだ。
Text: Jan Götze
Photo: Volkswagen AG