絢爛豪華で豪奢で贅沢三昧のメルセデスAMG G63 ロングストレッチ&装甲車仕様 byインカス
2020年8月22日
頑丈に装甲されたGクラスは585馬力と豪華なインテリアを兼ね備える。カナダのチューナー、インカス社(Inkas)によって、長く引き伸ばされたG63 AMGは、装甲モデルで、585馬力を有し、室内に豪華なビッグスクリーン4K超高精度TV(Ultra-HD-TV)を備えている。これらすべてにより、「Gクラス モンスター」は非常に高価なものとなる。
もし貴方が自らを遮断することによって危険から身を守り、室内に贅沢な変更を加えたい場合は、この巨大なメルセデスGクラスをよく見てほしい。G63 AMGは、カナダのチューナーである、インカス社によって、最も要求の厳しい超富豪のわがままな願いをすべて叶え、ボディは長くストレッチされ、防弾装甲され、とことん洗練された状態に仕上げられている。
「ラグジュアリー セーフティ ストレッチ リムジン」は、G63 AMG 6×6よりも、さらに31センチ長く、現状6.19メートル(ホイールベース:4.37 m)という全長で、多くのキャンピングカーよりもさらに長くなっている。そしてこのストレッチリムジンは多層ガラスで、オールラウンドに防弾仕様だ。インカス社によれば、BR7弾丸耐性クラスとのこと。これは7.62ミリ口径の長いライフルの弾丸にも耐え得る強度だ(耐性クラスVR1からVR14は装甲保護車両に適用される)。ドアのヒンジが強化され、バッテリーと電子制御要素は特別に保護されている。壊れないG63 AMGは、赤外線および熱画像カメラで周囲をスキャンできるようになっている。
4リッターツインターボV8からの585馬力は、7速オートマチックトランスミッションにより、フルタイム四輪駆動システムを介して、ランフラットタイヤ付きのホイールに伝達される。さらに安全狂信者には、サイレン、消火システム、高性能ブレーキを備えた緊急装置を追加することもできるようになっている。すべての安全機能により重量が増えるため、VIPフロアのシャーシは適切に強化されている。
マッサージ機能付きボリュームシート
G63 AMGの後部座席に乗り込む人は、事実上別の世界、別名「ハーレム」(!!)に入る。2つのボリュームのあるキャプテンシートが完全に折りたたまれ、マッサージ機能を備えている。席に着く人は、カスタマイズ可能なプレミアムサウンドシステムと組み合わされた、Apple TV接続付きの4K超高精度(Ultra-HD)高性能モニターに迎えられる。すべての機能は、Siri(iPhoneのアシスタントのような機能をアンドロイドで利用できるためのアプリケーション)または中央のコントロールモニターを介して音声で制御することができるようになっている。これは、すべてのメディア、照明、快適性、セキュリティ機能を担当する。映画の雰囲気が望ましくない場合は、特別に調整された見出しの模擬昼光が疲労を防ぐようにできている。バー付きの冷蔵庫ももちろん搭載されている。
インカスの高級Gクラスは少なくとも100万ユーロ(約1億2,700万円)
価格?
その部分はやはり気になるところだ。当然のことながら、豪華さ、快適さ、安全性という組み合わせには(誇らしげな)価格が付いている。100万ユーロ相当(約1億2,700万円)から、楽しみは始まるはずだ。ちなみに、これはトロントのチューナー、インカス社によって美化された最初のG63 AMGではない。彼らは2020年3月にも他のバージョンのキングGクラスを作ったことでも知られている。
YouTube動画でゴージャスなインテリアをたっぷりとご堪能あれ。
なんでゲレンデヴァーゲンをベースにこういうクルマを作ったのかはさっぱり理解できないが、いかにも頑丈そうで、さらにゲレンデヴァーゲンのことが大好きで、これじゃなければリムジンはイヤだ、という人のための究極の車、なのかもしれないが…。以前、カリフォルニアや東京都内などでも、ハマーのストレッチリムジンを見たことがあるが、あれは言ってみれば格好だけの、長さとウケ狙いに一発勝負をかけた(おそらく)剛性も走行性能も話にならない車だと思うが、こちらはそういう見かけだけのインチキ物件とはわけが違う。
なにしろ防弾レベルなどのスペックを読むと、本気も本気、まじめ?に命を狙われている人が乗るための車に仕上がっていて、そういう意味では世の中でこういうクルマの需要というものも結構あるのだろう。それがどういう世界の人なのか断言はできないが、このゲレンデヴァーゲンの防弾車をあえて普通のリムジン(例えばマイバッハとかロールスロイスとかキャデラック、ではなく)の代わりに選ぶ人は、それなりの地位にあり、命を頻繁に狙われかねない立場の人で、しかもゲレンデヴァーゲン大好きな人ということになる。具体的にそれは誰なのか?
映画の観すぎなのかもしれないが、どこかの国の麻薬カルテルのボスとか、武器商人とか、将軍様とか…。そんな人にとっては 1億円も2億円もどうってことのない金額なのだろう。
このレポートには一切書かれていないので、どれほど重い車なのか一切不明だが(おそらく重さがわかると、その防弾装備などが推測されてしまうから、かもしれない)、想像を絶するほど重いだろうし(4トン、5トンは当たり前だろうし、これだけのストレッチを施してしまえば、言うまでもなく本来のゲレンデヴァーゲンの悪路走破性能はまったく期待できないだろう。さらに燃費の悪さも想像を絶するし、運転手を任された人物も命の危険性にさらされながら、よほど丁寧に運転しなければこれほどの質量の車を快適に走らせることは難しいだろう。
いずれにしろ、我々のような人間には関係のない別世界のクルマだが、こういうクルマも自動車好きには話のタネにはなる、そういった意味では興味の尽きない一台ではある。そして自分はこんな防弾装備の車に乗らなくてもいいことを素直に喜びたい。
Text: Christian Jeß
加筆:大林晃平