フォルクスワーゲンの新型キャンピングカー「VW カリフォルニア」登場!新世代ブリは新たな時代を迎える
2024年6月9日
新型フォルクスワーゲン カリフォルニア(Volkswagen California):ブリは新たな時代を迎えようとしている。昨年の公開された「カリフォルニア コンセプト」のほぼそのままで生産がついに開始された。
ヴォルフスブルクを本拠地とするフォルクスワーゲンは、昨年公開された、「カリフォルニア コンセプトモデル」とほぼ変わらない姿で、伝説的なキャンピングカーの後継モデルを発表した。従来のカリフォルニアとは、まったく違う新しい発想で開発されたのが最大の特徴だ。「カリフォルニアのデザイナーのアルベルト=ヨハン キルジンガーのインタビュー(http://autobild.jp/34267/)」
ファンコミュニティからの反応はさまざまだった。小さすぎる、フラットすぎる、「本物のキャンピングカー」ではない、というものだった。「T5」と「T6」の違いはむしろわずかなものだったが、「T7」ベースの新型キャリイは大きく変わった。これは、「オーシャン」と並んでニュー「カリフォルニア」を完成させ、「コースト」と「ビーチ」が2024年6月から注文可能となった。
しかし、まずは「オーシャン」へ。ロングサイズのマルチバン「ライフ」をベースにしたフル装備の「カリフォルニア」モデルだ。より多くのアシスタンスシステムを満載したこの車は、より快適なドライビングを提供し、道路上でより環境に優しい設計となっている。新型「カリフォルニア」には、110kW(150馬力)の「TDI」、150kW(204馬力)の「TSI」、180kW(245馬力)の「e-Hybrid 4MOTION(オートマチックトランスミッションのみ)」がオプションで用意されている。フォルクスワーゲンは最先端を目指しており、特にプラグインハイブリッドドライブでは、新型「カリフォルニア」を一時的に日常使用の電気自動車に変身させる。カラーについては、すでにお馴染みのマルチバンのカラーパレットから、象徴的なツートーンペイント仕上げも含めて選択できる。
新型「カリフォルニア」の寸法を見ると、ファンコミュニティの不安はすべて解消される。新型「ブリ」は決して小さくも平たくもない。それどころか、全長5メートル、全幅1.90メートル、全高1.99メートルと、新型カリフォルニアは「T6」とほぼ同じ寸法である。
VWカリフォルニア オーシャン: 運転席側の日よけは理にかなっているが、慣れが必要
まず目を引くのは、おそらく最も明白な革新である運転席側の2枚目のスライドドアだろう。ファミリー向けのマルチバン、キャラベル、エステートカーには以前からオプションとして用意されていたが、キャンピングカーバン・バージョンでは、車外からキッチンブロックに出入りできるようにするため、2枚目のスライドドアが採用された。バンの中にもぐることなく、素早く簡単にクールボックスから飲み物を取り出せるようになった。
ただし、キッチンユニットが短くなったため、ガスコンロは1つしか常設されていない。しかし、キッチンブロックに折りたたみ式のテーブルを設置することで、追加のコンロを置くスペースが確保され、立ったまますべてのキッチン作業ができるようになった。また、後部には屋外シャワーも新設された。このシステムは他のパネルバンやMPVですでに定着しているが、「カリフォルニア」にもシャワーが装備された。
Thule製のオーニング(日除けテント)が新型キャリイの運転席側に設置されているのだ。少なくともVWはそう提案している。オプションで助手席側にも取り付けることができる。新しい取り付けシステムのおかげで、オーニングの取り付けと取り外しは簡単な手順で行えるようになり、時間のかかるネジ止めも不要になった。
リアベンチシートの代わりにキャプテンシート
車内を見ると、もうひとつの新機能があることがわかる。リアベンチシートの代わりに、2つの独立したキャプテンシートが用意されているのだ。これは、特に重量な点で、また、簡単に取り外しができるように作られているのが特徴だ。試行錯誤を重ねたレールシステムのおかげで、シートは個別に移動でき、必要であれば簡単な手順で折り畳むことができる。トランクからマットレスを載せれば、幅約1.10mのベッドが完成する。
しかし、「カリフォルニア」の古典的なボディの特徴もいくつか残っている。例えば、椅子はテールゲートの中にエレガントに隠すことができる。テーブルは車内でも車外でも使える。大きな吊り戸棚を含む食器棚システムも、基本的におなじみで、試行錯誤が繰り返されている。フロントシートは従来通り回転し、高さ調節も可能になった。
ポップアップルーフは、電動油圧式でボタンひとつで昇降するようになった。これは「オーシャン」の標準パッケージにも含まれており、「コースト」と「ビーチ」ではオプションとして用意されている。テント生地は、従来の赤に代わり、ダークブルーと新色のタフィーブラウンが用意されている。ただし、スリーピングエリアの寸法に関しては、小さい。ベッドの上部の幅も1.10メートルしかない。クラシックモーターホームのスマートなオンボードコントロールも新しくなった。「カリフォルニア」コンセプトモデルでは、コントロールパネルはまだキッチンブロックの中にあったが、助手席側のCピラーに設置されている。
カリフォルニア ビーチ:ポップアップルーフとオプションのリアキッチンを備えたマルチバン
燃料レベル、照明コントロール、エネルギーフローは、アプリやコックピットのインフォテインメントシステムからも便利に確認できる。「カリフォルニア」の「コースト」は、従来通り、「オーシャン」をスリム化したもので、そのため価格も若干安くなっている。
「カリフォルニア オーシャン」は、すでに発表されたコンセプトのおかげで、多くの点でもはや驚きはなかったが、「ビーチ」には多くの新機能がある。ポップトップルーフのマルチバンには、折りたたみ式ルーフに2バースだけのタイプ(カリフォルニア ビーチ)、1.30×2メートル弱のスペースに上2バース、下2バースの計4バースのタイプ(カリフォルニア ビーチ ツアー)、リアキッチンを追加したキャンピングカー仕様の3種類がある。
キャンピングカー仕様のビーチには、リアキッチンが装備されている。
ベッド下部のトランクにガスコンロが設置できる。その下には2つ目の引き出しがあり、その隣には電源接続用のサービスボックスがある。リアキッチンはこのように、運転席の後ろのサイドウォールからガスクッカーを折り畳むことができた従来のシステムに取って代わる。ちなみに、「ビーチ」のオーニング(日除け用テント)は助手席側に備わっている。だから見た目はいつもと変わらない。
Text: Jan-Philipp Chluba
Photo: Volkswagen