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「メルセデス SL 500 FABデザイン メガウィング」はなんちゃってSLRマクラーレンだが希少価値あり

2024年6月1日

メルセデスSL 500 FABデザイン メガウィング:このメルセデスSL(R230)はSLRマクラーレンになりたい。メルセデス SL 500 FABデザイン メガウィングという、この世のものとは思えないメルセデスSLが販売中。

F1ノーズ、シザーズドア、サイドギル・・・。「メルセデスSLRマクラーレン」をアイコンにしたすべてのデザイン要素。メルセデスとマクラーレンのコラボレーションによるスーパースポーツカーは30万ユーロ(約5千万円)では到底買うことができない。だが、この人目を引く風変わりな「SL」なら、その4分の1の価格で手に入れることができる!

ケルペンのディーラー「Car Special M Quizow」は、このエキゾチックな車を販売している。「R230」シリーズの「メルセデスSL」をベースに、スイスの高級チューナーである「FABデザイン」は、伝説的な「SLRマクラーレン」に似せたロードスターを作り上げた。

FABのデザインコンバージョンは珍しい

1997年にローランド ライサニックによって設立された「FABデザイン」は、ワイルドなワイドボディコンバージョンと壮大なガルウィングモンスターで2000年代にその名を馳せたが、そのほとんどがアラブ諸国で販売されたこともあり、ヨーロッパ、特にドイツではFABコンバージョンを見たことがない。

FABデザイン メガウィングは正体不明のスーパーカーだ。

そう考えると、オリジナルの「FABデザイン メガウィング」は、とても興味深いものになる。XXLサイズのワイドボディの下には、2007年にスイスでカスタマイズされた「メルセデスSL」がある。

FABデザインが当時特許を申請していた華麗なバタフライドアは、さらに16,000ユーロ(約270万円)を要した。2007年、『AUTO BILD』はこう書いた。「我々のテストでは、SLRやエンツォでさえも、これ以上のものはないだろう」と。3ピースの20インチ「6 Evo」鍛造ホイールは、控えめに言っても、当時も現在と同様に豪奢なものだ。

エクステリアデザインに比べ、グレーのバイカラーレザー張りのインテリアは、少なくともFABのデザイン基準からすれば、地味である。というのも、このシルバーのメガウィングの最初のオーナーは、ベース車両に「SL 55」や「SL 65 AMG」を選ばず、「SL 500」を選んだからだ。

グレーのバイカラーインテリアはメルセデスSLのエクステリア塗装とマッチし、派手さはない。

5.5リッターV8(M273)は388馬力と530Nmを発生し、「メガウィング」にパワー不足はないはずだ。結局のところ、このクルマはとにかくパフォーマンスよりも見た目が重要なのだ。

メガウィングの価格はこれくらい

走行距離わずか52,150km、3人の自信に満ちた前オーナーによって、「メガウィング」の価格は79,800ユーロ(約1,340万円)になると予想されている。2007年式の「SL 500」が25,000ユーロ(約420万円)前後から入手可能なのだから、決してお買い得ではない。しかし、現在ヨーロッパでは「FABデザイン」製の「メガウィング」は1台も販売されていない。

ボディキットは、ボンネット、オーバーフェンダー、フロントバンパー、リアバンパー、サイドスカート、自社開発の4本出しスポーツエキゾーストシステムで構成されている。

「メルセデス SLRマクラーレン」に話を戻すと、やはり「FABデザインSL」はお買い得だ。「SLR」は現在、30万ユーロ(約5,000万円)以下では購入できない。そして希少である。

Text: Jan Götze
Photo: Car special M. Quizow