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ガチンコ勝負 アウディか それともメルセデスベンツか 大型SUVクーペ対決 勝者は?

2020年8月20日

アウディQ8対メルセデスGLEクーペ: テスト、エンジン、価格、SUV、ディーゼル

2台のジャイアントSUVクーペがディーゼルを加速させる。新しいメルセデスGLEクーペがアウディQ8と競い合う。最終的に僅差で勝利したモデルは?

ジャイアントSUVの世界

2018年伊デビューした、アウディQ7の技術的兄弟である、Q8、2304キロ。対する新型メルセデスGLEクーペは、それよりも110キロ重い2414キロだ。
果たしてこのヘビー級SUVの戦いやいかに。

グリルの巨大なスリーポインテッドスター、派手なエアインテーク、ワイドなリアを備えたGLEクーペは、外観的には威風堂々としている。
白い白鳥は、その金額に見合った価値を提供することはできないかもしれないが、素材の見た目や雰囲気の点では、他を圧倒している。
しかしアウディも決して負けていない。
ギザギザでアジアの影響を受けたメルセデスと比べると、直線的なラインと大きなウィンドウエリアを持つQ8は、常に少しバウハウスの精神を持っている。
広大なインテリアを持つQ8は、よりタイトにカットされた相手より気的な空間を提供する。
むろんGLEもダメだというわけではなく、すべての座席で最大の長距離快適性を提供している。
ギザギザでアジア風の影響を受けたメルセデスと比較して、Q8は直線と大きな窓領域を備えているため空間は広く、常にバウハウス精神がどこかに少しあるといえよう、あくまでも少しだが。
一方GLEも、すべての座席で長距離の快適さを提供することは間違いない。
ただ、アウディは常に多くスペースと素晴らしさを提供するだけの余分なミリメートルを備えているということだ。

アウディのドライブコンビネーションは洗練されていないように見える

両モデルとも、ボンネットの下は地味だ。
どちらも3リッターディーゼルエンジンが十分な推進力を発揮する。
286馬力のアウディのV6は、272馬力のベンツより14馬力も多くの馬力を生み出す。
重量面での優位性と組み合わせることで、あらゆる状況で、より速く、より経済的になる。そして性能的にもそれはより良い加速力とより弾力性を兼ね備えており、ベンツの226km/h に比べて、245km/hという大幅に高いトップスピードを提供している。
客観的な事実はここまで。
主観的には潮目が変わってくる。
ドライビングモードでは、アウディのTDIはより不調和で粗く感じる。
最初は何事もなく作動しているが、その後、ある時点で、完全に予想外に、ターボパワーが大量に発生し、背中が強烈にキックされる。
さらに、インゴルシュタット製大型SUVの8速コンバーターは、いつも少し緩慢で、ボールの上にうまく乗っていないように感じる。
慎重にその9つの速度ステップをソートし、柔らかく、正確にそのドライバーの願いを実行するGLEの洗練された外観とは比較にならず 嗄れたうなり声を伴ってしまう。

さらに、Q8の8速トランスミッションは、常に少し遅くこの点で洗練された外観のGLEとは比較にならない。
GLEは9つの速度ステップを慎重に分類し、ドライバーの願いを柔らかく正確に実現してくれるからだ。

シンプルかつ機能的なQ8のシフトノブ

というわけで、GLEにはスポーツ精神がかなり宿っている。
特に、追加料金がかかる「アクティブ ボディ コントロール シャシー」をオーダーすればなおさらだ。それは非常にうまく機能し、ベンツはあらゆる状況でアウディの周りを簡単に走り回れるほどだ。
もちろん、標準装備の全輪駆動のおかげでトラクションはどちらも普通に優れたレベルで機能する。

SUVクーペの価格は最高値圏

我々のテスト車は、アウディが87,953ユーロ(約1,100万円)、メルセデスベンツはアウディより4,325 ユーロ(約55万円)高い、92,278ユーロ(約1,155万円万円)だった。

第1位 800満点中563点: メルセデスGLE 350dクーペ
培った動力性能ドと優れたMBUXシステムで、1歩、前に出る。
しかしその分価格も高い。

第2位 800満点中557点: アウディQ8 50 TDI
多くのスペース、優れた性能、低コスト。しかし、Q8はシャシーやドライブの仕上げの面で今一歩メルセデスに後れを取っている。

むろん、買えるだけの財政的余裕が必要となる。Q8は9万ユーロ(約1150万円)以下、GLEはそれ以上だ。

結論:
両車とも2.5トンに達っしようとする大型SUVの対決であるが、メルセデスベンツの勝ちであるらしい。これは現在のメルセデスベンツがいかにSUVに力を入れて開発しているかということの証明であると同時に、今のアウディに昔ほどの勢いがなんだか感じられない、ということの現れであるのかもしれない。
あくまでも個人的には、アウディQ8のほうがデザイン的にもシンプルで好感が持てるし、なにしろ痩せても枯れてもクアトロなわけだから、あっさりとGLEをうっちゃってくれたら良かったのにとも思ったが、車の完成度としてはGLEのほうが上回っていたらしい。
猫背でつかみどころのない巨大なGLEは、実用的にいったいどうなんだろうとも思うが、SUV全盛の現代では、こういうクーペみたいなモデルもラインナップには必要ということなのだろう。それに実用性をもとめるのであればメルセデスベンツのラインナップには、ゲレンデヴァーゲンもあるわけだし、そういう意味ではメルセデスベンツは今やSUVのフルラインナップメーカーなのである。まあアウディだってBMWだってSUVのフルラインナップメーカーではあるが、メルセデスベンツのラインナップほど水も漏らさぬ、隙のない布陣ではない。
本当に今回の勝負はそういうメーカーの力と勢いによる勝利ではないだろうか。しかし…、それにしても2.5トン近い車重はなんとも重い。この2台だけが重いわけではないから、Q8とGLEだけを責める気はないが、昔のW124 メルセデスベンツ(TE)の上に、ゴルフⅡをのけたほどの車重、そりゃいくらなんでも重すぎる。そんなクルマを強引にパワーと電子制御デバイスでスポーツカーのように走り回らせることに、もったいなさと矛盾を感じてしまう。まあ、SUVを街中だけで乗ることがそもそも矛盾なわけではあるが…。

Text: Malte Büttner, Dennis Heinemann
加筆:大林晃平
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD