ルクレールがモナコを制す!サインツJrが3位!F1グランプリ第8戦モナコGP決勝
2024年5月27日
F1グランプリ第8戦モナコGP決勝:シャルル ルクレールがモナコの呪縛を乗り越え、公国を陶酔の渦に巻き込む!
シャルル ルクレールが故郷の呪いに打ち勝ち、F1モナコGPで勝利を飾った。1931年にブガッティを駆ったルイ シロンに次いで2人目のモネガスク人ドライバーであり、ポールトゥフィニッシュに結びつけたのはモナコ公国で初めて。2022年のオーストリアGP以来、通算6勝目を母国で祝う。
予選で見事ポールポジションを獲得したルクレールは、スタート直後のターン3、ボー リバージュで起きたマグヌッセン、ペレス、ヒュルケンベルグの多重クラッシュによる赤旗中断にもめげず、再スタートからリードをキープ。78周のレースを1セットのタイヤで走り切り勝利した。
感情的に難しいレースだった
レース中、無線では奇妙な議論が交わされる:「僕がどれくらい速く走れるか興味ある?」とルクレールはもっと加速できることを伝えたのだ。レースエンジニアが彼とマシンの好調ぶりを確信した瞬間だった。
「このグランプリは、僕がF1ドライバーになりたいと思うきっかけになったグランプリなんだ」とフェラーリのスターは涙ながらに語った。「感情的に難しいレースだった。レース中は思った以上に父のことを考えていた。いつかここでレースをし、優勝することが僕たちの共通の夢だったんだ」。ルクレールの父は2017年に54歳で亡くなっている。
ルクレールとチームの全員は、その成功を大いに楽しんでいる。アルベール王子は目に涙を浮かべ、次にモネガスク国歌に合わせて歌い、そして表彰台のスターのようにシャンパンシャワーに酔いしれた。
ルクレールのすぐ後方で、マクラーレンのスター、オスカー ピアストリがフェラーリのカルロス サインツの前の2位に割り込んだ。ランド ノリスがステアリングを握る2台目のマクラーレンは4位だった。
「マクラーレンがこのままいけば、他のチームも気を引き締めなければならないだろう」とSkyのエキスパート、ラルフ シューマッハは見ている。「マクラーレンは今年もワールドチャンピオン争いに加わるだろう」。
ラルフ シューマッハの懸念
しかし、ラルフ シューマッハは、タイヤ交換義務を消化して再スタートしたことによって、ほとんどのチームがタイヤ交換せずに走り切ったレースに対して苛立を隠さない。「ドライバーたちは、モネガスクの通りを走り抜けることよりも、ゆっくり走ってタイヤを温存したり、相手のためにピットストップの窓を開けないことのほうに気を取られている」。
「これはF1の正しい姿には思えない。彼らは6、7秒遅く走る。ドライバーたちは“数独”のパズルを同時に解いているようなものだ。それはやりすぎだ。彼らはドライビングよりも戦略について話すことが多い」。
メルセデスのラッセルの後にワールドチャンピオンのフェルスタッペンがハミルトンを抑えて6位でフィニッシュラインを通過した。
どうした?マグヌッセン
スタート直後の多重クラッシュで、カメラマンが軽傷を負い、F1メディカルセンターで手当てを受けることになった。原因は、ハースのマグヌッセンがカジノに上がる途中でペレスにクラッシュしたこと。レッドブルはバリアに激しくぶつかり、マグヌッセンのチームメイトであるヒュルケンベルグも巻き込まれリタイアした。
マグヌッセンのコックピットから見ると、罪の意識はすぐに明らかになる:マグヌッセンはペレスの横の、実際には存在しない隙間に入り込もうと無理に割り込んだ。ペナルティポイントが2点加えられたマグヌッセンだが、出場停止は免れた。
ヒュルケンベルグは「マグヌッセンとペレスどちらも冷静さを欠いたことは愚かだった。ペレスは余裕を残すことができたし、同時にケビンは楽観的すぎた。僕は関係なかったのに残念だよ」と語った。
1周目のアクシデントは他にもあった。赤旗が出ている中、アルピーヌのガスリーとウイリアムズのオコンがターン8(ポルティエ)のトンネルの入り口で接触し、オコンのマシンが大破、そのままリタイア。「あれは何だったんだ!?」 ガスリーは無線で呼びかける。オコンには次戦モントリオールGPでの5グリッド降格が決定した。
さらに、フェラーリのサインツJrは、ターン1でマクラーレンのピアストリとわずかに接触し、左前輪にトラブルが発生。こちらは赤旗中断が功を奏し、再スタートで再びコースに復帰することができた。
モナコGPに関しては毎年物議を醸しているが、これもレース。シャルル ルクレールの母国優勝を祝いたい。ルクレールおめでとう!
2024年F1第8戦モナコGP決勝結果(10位まで)
1位 シャルル ルクレール(モナコ) 2時間13分15.544秒
2位 オスカー ピアストリ(オーストラリア)- マクラーレン +7.152秒
3位 カルロス サインツJr(スペイン)- フェラーリ +7.585秒
4位 ランド ノリス(イギリス)- マクラーレン +8.650秒
5位 ジョージ ラッセル(イギリス)- メルセデス +13.309秒
6位 マックス フェルスタッペン(オランダ)- レッドブル +13.853秒
7位 ルイス ハミルトン(イギリス)- メルセデス +14.903秒
8位 角田裕毅(日本)- レーシング ブルズ +1周
9位 アレックス アルボン(タイ)- ウイリアムズ +1周
10位 ピエール ガスリー(フランス)- アルピーヌ +1周
ドライバーズランキング(8戦終了時点の順位 第10位まで)
1位 マックス フェルスタッペン(オランダ)- レッドブル 169ポイント
2位 シャルル ルクレール(モナコ)- フェラーリ 138
3位 ランド ノリス(イギリス)- マクラーレン 113ポイント
4位 カルロス サインツJr(スペイン)-フェラーリ 108ポイント
5位 セルジオ ペレス(メキシコ)- レッドブル 107ポイント
6位 オスカー ピアストリ(オーストラリア)- マクラーレン 71ポイント
7位 ジョージ ラッセル(イギリス)- メルセデス 54ポイント
8位 ルイス ハミルトン(イギリス)- メルセデス 42ポイント
9位 フェルナンド アロンソ(スペイン)- アストンマーティン 33ポイント
10位 角田裕毅(日本)- レーシング ブルズ 19ポイント
コンストラクターズランキング(8戦終了時点の順位)
1位 レッドブル 276ポイント
2位 フェラーリ 252ポイント
3位 マクラーレン 184ポイント
4位 メルセデス 96ポイント
5位 アストンマーティン 44ポイント
6位 レーシング ブルズ 24ポイント
7位 ハース 7ポイント
8位 ウィリアムズ 2ポイント
9位 アルピーヌ 2ポイント
10位 キック・ザウバー 0ポイント
Text:Bianca Garloff