新着ニュース 史上初 BMW M3にエステートバージョン誕生! M3ツーリング

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BMW M3 Touring (2023): The M3 estate car is coming!

それはもはや単なる噂ではなくなった。BMWはメーカー史上、初めて、M3ツーリングを世に送る。BMW M3は1986年以来、シリーズモデルとして生産され続けているが、エステートカーとしてのM3は今まで存在しなかった。そして今そのことが変わろうとしている。なぜなら、M社(M GmbH)が「M3ツーリング」が3年後にやって来ることを公式に認めたからだ。

BMWはM3ツーリングを量産する予定

これは、M社(M GmbH)によって正式に発表されたものだ。
したがって、ここ数日間、噂されていたことは、もはや噂ではなくなり、事実化した。
初めて、M3のステーションワゴンバージョンが取締役会で承認され、最短で2022年にはワールドプレミアされることになったのだ。
しかし、ディーラーショールームにこのM3ステーションワゴンが並び始めるのは、2023年になる可能性が高い。
BMWによれば、G21-3erをベースに開発されるM3ツーリングは、現在まだ開発の初期段階にある。
BMW自身、その開発期間は約2年かかると述べている。
朗報と言えるが、このことがなぜそれがそれほどまでに大騒ぎとなるのだろうか?

M3ツーリングが量産化されたことはかつてない

非常に簡単に言えば、これまで、BMWは、M3をツーリングバージョンで提供することを、断固として拒否してきたのだった。
工場にE46 M3をコンバージョンしたツーリングバージョンさえあったにもかかわらず…。
一方で、ライバルメーカーは、BMWの高性能ステーションワゴンの欠落という弱点をついて、巧みに活用した。
アウディとメルセデスAMGの両方が、それぞれRS4とC63エステートで、スポーツステーションワゴンを提供してきた。
そして開発陣は、これまでも、生産や営業現場から、標準モデルの3シリーズツーリングをもっとスポーティなものにしろというプレッシャーを受け、悩み、苦しみ続けてきたのだった。
しかし、その問題も2〜3年後には解消される。
M3ツーリングがやってくるというBMWによる公式発表は、エステートバージョンのM3は長年にわたって多くのファンの希望モデルとしてウィッシュリストに挙げられているため、間違いなく多くのM3ファンから肯定的な反応があるはずだ。

メーカーとしての最初の公式な試み: BMWはE46 M3ツーリングを作り上げた。しかし、熱心なファンの願いむなしく、それは量産モデル化されなかった。

あれ?今までもM3のツーリング(ワゴン)ってなかったんでしたっけ? というくらい様々な組み合わせのモデルが氾濫しているドイツメーカーだが、そういえばM3にはツーリングはなく、今まで長年にわたって3ドアと4ドアのセダンのみだったのだ。
そういうところがBMWの「M」らしいところであり、少なくともM535iあたりを心の一台と思う私にとっては、その頑固さと硬派なところに安堵してきたことも事実である。

M3の好敵手(といっても、方向性も性格も違うが)である、アルピナにはずいぶん前からツーリングモデルが存在していて、日本にも結構な数が輸入されている。メルセデスベンツには言うまでもなくAMGのC63 ワゴンがあり、アウディにはRSにもアバントがあるから(RSはアバントだけの時代さえあった)、M3にツーリングが存在していなかったことはやや不思議かもしれないが、それこそがBMW Mの矜持であったともいえる。そしてやはり「M」というバッチには、その成り立ちや歴史が込められている、ということもツーリングをあえて作らなかった理由なのかもしれない。

そこに届いた、いよいよツーリング追加の情報…。BMW Mよ、お前もか、とも思うが、もはやあらゆるセグメントでオセロゲームのような陣取り合戦を繰り広がるメルセデスベンツとアウディに負けることは許されない、そういう実情なのだろう。
もちろんツーリングになったからといって、M3の価値が下がるとも思わないし、乗ってみれば、おそらく前を向いて運転している限りセダンなのかツーリングなのか判別できないくらいの完成度と性能を持っているであろうことは疑う余地がない。
 
あとはリアテールゲートに「M」のバッチが付いちゃうのかよ、そんなのに合わないじゃん、という感傷的な気持ちだけの話である。

Text: Peter R. Fischer
加筆:大林晃平