新着ニュース 最後のVWトゥアレグV8 TDI トゥアレグV8スペシャルモデル

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VWトゥアレグV8 TDI: ディーゼル、スペシャルモデル、価格

ついに最強のV8エンジンにお別れする時がきてしまった。VWはトゥアレグにV8ディーゼルを採用し、特別なモデルを作る。VWトゥアレグの強力なV8ディーゼルはもうすぐ歴史となる。スペシャルモデル「ラストエディション(最終版)」で、ヴォルフスバーガーはその別れを祝う。

パワフルな900Nmという最大トルクは1250rpmという低回転域から活用可能だ。
そう、VWトゥアレグV8 TDIこそ、真のパワーSUVだ。
しかし今、ヴォルフスバーガーは、このビッグディーゼルが廃止されることを発表した。
スペシャルモデル「ラストエディション」で、VWはトゥアレグのV8ディーゼルに別れを告げる。
その代替モデル、トゥアレグRは秋に発売予定だ!

長い間、VWはトゥアレグにV8 TDIバージョンを提供してこなかった

2019年5月に、ツインターボ、421馬力、900Nmの最大トルクを備えた4リッターのV8が追加されたが、そのディーゼルエンジンはまもなく廃止されようとしている。
そして、VWは社内部で「EA898圧縮点火エンジン」と呼ばれるパワーユニットをスペシャルモデルに採用し、別れを告げたいと思っている。
VWトゥアレグV8 TDI「ラストエディション」は、400台の番号付きで限定生産され、ドイツ市場で独占的に販売される。
出発点となるのは、「ブラックスタイルパッケージ」を備えたスポーティーなRライン(R-Line)のトゥアレグV8 TDIだ。
加えて、ホイールアーチ、ドアハンドル、およびディフューザーは、高光沢のブラックで塗装される。
VWは、LEDマトリックスヘッドライト、「イノビジョン(Innovision)」コックピット、アダプティブサスペンション、21インチホイール(鈴鹿製)をスペシャルモデルに標準装備している。

462馬力トゥアレグRハイブリッドは今年後半に市場デビューすると予想されている。

スペシャルモデルは400台限定

トゥアレグの「最終版」は、Bピラー上のプラークで確認できるようになっている。
そこには「ラストエディション」とそれぞれの限定生産ナンバー「XXX / 400」が表示されている。
400人の幸運な購入者は、「ピュアホワイト」、「アンティモニーシルバーメタリック」、「シリコングレーメタリック」、「マルベックレッドメタリック」、「ディープブラックパールエフェクト」、「オリックスホワイトパールエフェクト」の6種類のエクステリアカラーから、自分のクルマのボディの色を選択できる。
特別モデルは、2020年8月17日から104,361ユーロ(約1,304万円)という基本価格で注文できる。
通常のV8 TDIより約12,000ユーロ(約150万円)高い値段だ。
選択する装備によっては、スペシャルモデルはじゃっかん安くなる。

代替モデルはトゥアレグR

V8ディーゼルを搭載したトゥアレグの代替モデルとして、VWが用視しているのがトゥアレグRだ。
プラグインハイブリッドは、136馬力の電動モーターでサポートされている340馬力のV6ガソリンエンジンに依存している。
VWは総出力を462馬力としている。
ただし、最大トルクに関しては、700NmのRはトゥアレグV8 TDIの900Nmと比較して明らかに不利だ。
現時点では、VWはトゥアレグRの具体的な市場投入や正確な価格を明らかにしていない。
したがって、待ちたくないすべての人にとっては、トゥアレグV8 TDIこそが、「ラストエディション」なのだ。

残念ながら日本には輸入されていないが、V8 TDIのトゥアレグは、ものすごい性能を持っていると言われている。ちょっと考えれば当たり前のことだが、そのスペックを見ただけでもものすごいトルクと、それによって発揮される腰が砕けるような性能は予想されよう。
同じようなジャンルにはアウディSQ7もあるが、どちらもちょっと恐ろしくなるほどのトルクを持っているし、空間がゆがむほどの勢いで、ものすごい質量のSUVが加速する、そんな超高性能SUVなのだろうと思う。

そんなジャンルのSUVはちょっと考えてみればものすごく矛盾に満ちた存在だし、いつまでも生産を続けられるほど甘くない世の中になった、ことは不思議でもなんでもない。
だが自動車の存在が、ある種の悪魔的な(非合法すれすれのような)魅力と、少なからず無駄であるがゆえに生み出される輝きの上に成り立っていることも否定できない。
もちろんトゥアレグのV8モデルなど無駄も無駄、そんな少数なモデルが世の中から消えたからと言っても、99.9%の人間にはなにも影響など出ないだろう。だがベントレーの古き良きV8が引退し、今度はフォルクスワーゲンのV8が幕を引く、というニュースを相次いで聞くと、町内自治会でお祭りまとめ役の(でも頼りになる)、声の大きな頑固じいさんが次々に引退してしまうような、そんな寂しい気持ちになってしまうのである。

Text: Jan Götze
加筆:大林晃平