どう位置付けて、どう評価すべきか、正直とまどう、レトロなロシア製電気自動車

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レトロ-マスタング アヴィアーR67: フォード、EV、航続距離、テスラ モデルS

マスタングのレトロルックなボディに、航続距離500キロの850馬力テスラエンジン! R67は、ロシアの会社、アヴィアーモータース(Aviar Motors)の最新かつ最も人気のあるプロジェクトだ。マスタングの外観の電気自動車は、テスラモデルSをベースにしている。

新型マスタング マッハEで、フォードは2020年に、アメリカンのレジェンドモデルである1960年代のマスタングの電化バージョン(E-SUV)をリリースする。
光学的および技術的に、そのE-SUVは、オリジナルのマッスルカーの象徴的な魅力とほとんど共通点はない。
そしてロシアの会社は、このほど、よりよい電動ムスタングを発表した。
1960年代のポニーの外観と、市場で最も有名な電気自動車の1つであるテスラモデルSの技術を兼ね備えたモデルだ。

過去と現代のミックス

「アヴィアーR67」がレトロなムスタングの名前だ。
アヴィアーは、会社名「アヴィアーモータース」から来ており、一方で、67は明らかに67年のマスタングを意味し、そのデザインのベースとなっている。
つまりR67は「レトロ67」を示唆しているようだ。
アヴィアーモータースの創設者兼CEOである、アレクシー ラチェフ氏は、「自動車の進化(Autoevolution)」とは真逆とも思えるモデルの背後にある考え方を次のように要約している。
「我々は60年代の伝説的な車の精神を捉え、現代的な方法でそれを再現しようとしました」、と。
主にヘッドライトの外観に反映されているマスタングの影響に加えて、アヴィアーにはテスラも採用されている。
これは、中央の大きなインフォテインメントスクリーンが目立つインテリアで顕著だ。

インテリアには、60年代のスタイルはまったく存在しない。テスラでさえ、オールドファッションになりかねない装いだ(あくまでもコンピューターグラフィックスなのでなんとも評価は難しいが)。

パワーと航続距離が印象的

R67のもう1つの現代的な機能は、世界で最も売れているeカーの1つであるテスラモデルSのエンジンだ。
データは印象的だ。
たとえば、未来のロシアのマスタングでは2基の電動モーターが使用され、合計850馬力が生成される。
加速: 2.2秒で0から100km/h。
100kWhのバッテリーのおかげで、500 kmを超える航続距離も可能だ。
アヴィアーモータースが説明しているように、電動スポーツカーはテスラのスーパーチャージャーステーションでも充電できるようになっている。

それは遠い未来のプロジェクトのように聞こえるが、実際には、アヴィアーR67はすでにプロトタイプの開発に取り組んでいる。
ただし、現時点では、市場投入はまだ確定していないし、価格も未定だ。
しかし、我々はその価格を推測する。
前述されたもろもろの要素を兼ね合わせるならば、R67は、マッハEの最低価格46,000ユーロ=約575万円をはるかに超越したものになるだろう。

デザインは間違いなく、60年代の伝説的なマスタングを模したものだ。

悩ましいのはカテゴライズだ。これは新車? カスタマイズドカー? それともチューニングカー? クラシックカーでないことだけは明らかだが…。

テスラの性能は素晴らしくいいけれど、ルックスはなんだかつかみどころがない、という方は世の中に多いかもしれない。
深読みをするならば、テスラはあえてあの無国籍で国籍不明な格好をしている、という意見も聞かれるが、そういった理由があるにせよ、めちゃくちゃエレガントとかスポーティーというデザインではないことは確かである。

そこで、テスラの下半分?を使い、そこに昔懐かしいマスタングをかぶせてしまえという巧みな?アイディアが今回の車なのだが、これがアメリカのどこかの片田舎の作品ではなく、ロシアというのが面白い。
ロシア人にとってもマスタングは「心の一台」、なのかどうかはわからないし、今回の写真はあくまでもコンピューターグラフィックスに過ぎないから、この姿のまま世の中に出ることが許されるのかどうか、微妙にあやしい。
だがこういう、電気自動車で昔の車の形をしたまま復刻、するというのは大いにありえるのではないかと私は思う。

今までに素晴らしいデザインの車は幾多あったし、その格好のまま、例えば3Dプリンターなどを駆使して、優秀なテクノロジーの車を自由に再現できる時代、そんな未来が来ないかな、と考えるとちょっと面白い。
個人的にそんなことが可能な時代が来たら、シトロエンBXの電気自動車とか、ルノー5の電気自動車、あるいはフィアット トッポリーノの電気自動車なんて欲しい。あなたはそんなことが可能なら、どんな電気自動車を昔のデザインのまま復刻してみたいですか?

Text: Julian Rabe
加筆:大林晃平