ついに初試乗! これが最後のGTI? 新型VWゴルフGTIを初テスト

1216

VWゴルフ8 GTI(2020): 価格、馬力、テクニカルデータ、テスト

新しいゴルフ8のGTI初試乗。我々は、245馬力コンパクトスポーツカーに何ができるのか、そしてどこに弱点があるのかを明らかにする。
テストから得た情報をお届け!

VWゴルフGTIのナンバー8でスタート!

電化とID.3とバッテリーサイズに対するエネルギーと未来の電気自動車メーカーになるためのVWのあらゆる努力に感謝しつつ、我々はGTIを称賛する!
2リッターと245馬力を備えたこのエンジンと、あらゆる状況でのダブルパイプ排気とスポーツサスペンションにありがとうといいたい。
そして今日、我々はこのコンパクトスポーツカーを、大きな期待と楽しみとともに運転する!

GTIは一般道で真価を発揮する

GTIに乗り込み、高速道路を直進し、右を踏み込むと、デジタル速度計が250km/hを表示するまでそれほど長い時間を必要とはしないが、この種のフルスロットルヒステリーにはGTIという車の特性には対応していないと思う。
だから高速道路から降りて、田舎の道路へ向かう。
その通り。
ゴルフ8はゴルフ7のさらなる発展形であり、依然として洗練されたテクノロジーを備えたMQBベースモデルだ。
VWはスプリングレートを前モデルと比較して、フロントを5%、リアを15%増加させた。
シャシー開発者は、GTIパフォーマンスおよびTCRからの電子式フロントアクスルデファレンシャルロックを新しいGTIに組み込んで、高速コーナーでのトラクションを最適化し、取り扱いを改善した。
また、電子式ディファレンシャルロックとダンパーコントロールを仲介し、ホイール固有のダンピングを毎秒200回調整する、新しい「ドライビングダイナミックスマネージャー(Driving Dynamics Manager)を開発した。

ID.3ではなく、これは明らかにGTIのコックピットだ。完全にデジタル化されており、自由に設定可能だが、操作にやや難点がある。

そう、多くのテクノロジー、多くの電子機器が備わっており、かつての鋼とばねでは物理学に対抗するチャンスはない。
この前輪駆動車は、高い速度でコーナーに突入しても、まるでタイヤがパテックスでタイヤを塗りつけたかのように、カーブに身を投じ、安定したままコーナリングを終える。
文字通り、GTIは夢の車だ。
VWで何十年にもわたって行ってきたすべてのことをさらに高い次元で可能にするし、一層洗練されたDSGの7つのギアを巧みに、そして細心の注意を払って選択し、チェンジする。
そうすることによって、このクルマの優秀性が見えてくるだろう。
VWがこのGTIで(まだ)できないことは1つだけだ。
それは新しい世界を創造することだ。

インフォテインメントはあいまいで緩慢だ

ビジョンという面でのディスプレイとタッチスクリーンは素晴らしい。
だが操作はそれほど優れていない。
時間をかけて使用してみて、ようやくトリップメーターと運転データをマニュアルなしでゼロにする方法がわかった。
それはモニター上の画像に応じて、8〜10回クリックして、組み合わせ、プログラムを入力する必要がある。
加えて、システムが起動するまでに時間がかかることもある。
我々がこの記事を不名誉と恥とともに終わらせたいと考えているのかって?
いいえ、まったくそうではない。

クラシックだ。もちろん、新しいGTIには、スポーツシートに従来のチェックパターンが備わっている。シート形状にも注意。

これが最後のゴルフGTI?

むしろ我々はもう少し運転してそのフィーリングを調べて見たい。
黒いルーフの裏地、タータンカバーのパターンを持つシート(決してレザーを注文しないように!)、それはGTIらしいディテールである。
新型GTIには、その下につながったライトの帯があり、両側に5つのLEDが付いた巨大なハニカムグリルがあり、2本の巨大なテールパイプを左右に備えている。
やはりGTIは特別なゴルフなのである。
しかしGTIは決して安くはない。
先代の4ドアパフォーマンスバージョンに匹敵するモデルは最低でも35,000ユーロ(約437万円)を想定している。

おそらくゴルフ8 GTIは、この種のモデルの最後のものになると推測される。
その後はGTEだけが残るかもしれない。
したがって、我々からの唯一の推奨事項は、「GTIは今のうちに購入すべきだ!」というものだ。

シャシー、ステアリング、エンジン – VWで常に優れているそれらは、新しいGTIでも印象的だ。

まだ日本には「普通の」ゴルフ8でさえ導入されていないので、まだまだ実感はないのだが、そろそろゴルフ7はゴルフ8に全面的にその居場所を譲ることになるはず、である。
個人的には、ゴルフ7は素晴らしい車だと思っているし、今でも時代遅れの部分など皆無だし、このセグメントでゴルフ7に追いついていない車のほうが多いのではないかと思う。
そんな普通のゴルフ8にさえまだ触れたこともないというのに、本国ではもうGTIが路上を走り始めている。コロナ禍の影響がこんなところにも、と思うと同時に、フォルクスワーゲンもこんな時代だと、やはり苦しい状況なのだろうと同情してしまう。本来ならば日本のジャーナリスト(だけではなく世界中のジャーナリストを)を招いて、一大試乗会をヨーロッパで敢行しているはずだし、ゴルフの新型発表ともなれば、その力の入れようはただものではないだろう。
GTIに関して言えば、おそらくどんな場面でも破綻も見せず、性能にも不満足な部分などあろうはずもなく、とにかく完成度の高いゴルフの高性能版であろうことは(乗らなくとも)容易に想像がつく。
もちろん細かい部分や、操作性に難があるらしい電子デバイスの操作性などは乗ってみなければわからないが、とにかく今までのGTIに乗った記憶をたどり、そこに最新モデルへの期待というトッピングを振りかければ、きっと良い車で、不満点などわずかなものであろうことは間違いない。

そんなゴルフ8 GTIではあるが、今回のレポートの中で一番気になるのは「最後のGTIになる」と明言しているくだり、である。
今回のゴルフが今後5~6年くらいとして、GTIは2025年くらいにはなくなってしまうのだろうか?ゴルフIのゴルフボール型シフトノブやチェックパターンのシート、ゴルフII GTI 16Vのあの凛としたたたずまい、そんな姿に心から憧れていた身としては、世の中からGTIがなくなってしまうということに、軽いショックを受けた。
憧れのGTIを新車で買うのなら、もう「今しかない」ということなのだろうか…。

Text: Andrew May
加筆:大林晃平
Photo: Volkswagen AG