【欧州市場投入】「マツダCX-80」高性能と最大7人乗りのゆとりある室内空間を実現
2024年5月18日
マツダCX-80:最大7人乗りの新型ラグジュアリーSUVを欧州市場に投入。BMW X5、メルセデスGLEなどのユーザーを振り向かせることはでき るか?
「マツダCX-60」ではまだ物足りないという人たちのために登場したヨーロッパにおけるフラッグシップとなる「CX-80」は、マツダの「ラージプロダクトグループ」の2番目のモデルである。このSUVは、マツダが提供する最大のSUVではないが、さらに大型の「CX-90」は、米国と一部の非EU諸国のみを対象としている。
価格: CX-80はCX-60より4,500ユーロ(約75万円)高い
市場導入は2024年9月、注文は早ければ夏から可能だ。「マツダCX-80」の価格は、「CX-60」の「エクスクルーシブライン」(50,850ユーロ=約840万円)より4,500ユーロ(約75万円)高い。つまり、「CX-80」は55,350ユーロ(約915万円)で販売され、327馬力のプラグインハイブリッドも用意される。マツダはディーゼルの価格をまだ発表していないが、ディーゼルエンジンは市場導入時に約59,050ユーロ(約975万円)からになるはずである。
デザイン: CX-60とCX-90のミックス
デザイン面では、「CX-80」は明らかに「CX-60」をモデルにしているが、そのサイズはむしろ「CX-90」を彷彿とさせる。ヘッドライトと巨大なグリルはすでに見慣れたものだが、クロームの使用が増加している。
全長5mというSUVは、「BMW X5」や「メルセデスGLE」と競合するが、マツダの方が数cm長い。ホイールリムは20インチが標準で、装備によってデザインが異なる。少なくともドイツでは、これより小さなホイールは用意されない。
エンジンは2種類のみ
エンジンの選択肢は限られており、「CX-80」には2種類のエンジンのみが用意される。ひとつは3.3リッター直列6気筒ディーゼルで、48ボルトのマイルドハイブリッドシステムを搭載する。ディーゼルエンジンの最高出力は254馬力、最大トルクは550Nm。
多くのメーカーがデュアルハートドライブをラインナップから外していることを考えると、少々異例だ。排気量2.5リッターの4気筒が電動モーターと組み合わされ、システム出力327馬力、最大トルク500Nmを発生する。
しかし、電動航続距離は競争力がない。比較的小さな17.8kWhのバッテリーでは、53kmしか走れない。これに対し、メルセデスとBMWは、エンジンにもよるが、ハイブリッドSUVで80~110kmの電動走行が可能だ。マツダはこの点を改善する必要がある。
6人乗り、7人乗りの2タイプ
もちろん、乗員は豪華なエクステリアからも恩恵を受ける。基本的に、6人乗りと7人乗りの2種類のインテリア構成がある。最初のバージョンは、2列目に個別のシートが2つ、3列目に追加のシートが2つある。7人乗りはよりクラシックなレイアウト: 中央列には3人掛けのベンチがあり、60:40の比率で折り畳むことができる。
オプションのパノラミックルーフは、さらに広さを感じさせる。リアの足元スペースはすでにかなりのものだが、3列目になるとすぐに窮屈になる。マツダによると、3列目シートは身長170cmまでの人しか座れないように設計されているため、背の高い人はここで限界に達してしまう。
また、「CX-80」には合計5つの装備ラインが用意されており、カスタマイズの余地も十分にある。エントリーグレードの「エクスクルーシブライン」、「ホムラライン」、「タクミライン」、そしてその延長線上にある「ホムラプラス」、「タクミプラス」だ。
CX-80にはクラシックなボタンが増えた
これらの装備バリエーションの違いは、まずシートである。標準装備がクラシカルな7人乗りであるのに対し、「ホムラ」と「ホムラプラス」はオプションで6人乗り、いわゆる「キャプテンズシート」を装備する。「タクミプラス」では、2列目の独立した2つのシートにシートベンチレーションとセンターコンソールを装備することもできる。日本人は素材に良い仕事をしており、表面はレザーとファブリックのミックスで覆われている。プラスチックは目につきにくいところだけに使われている。
インフォテインメントに関しては、「CX-80」はマツダの他のモデルと同様、伝統的なもので、完全なデジタル化にはあまりこだわっていない。つまり、ステアリングホイールや空調コントロールのボタンは、この大型フラッグシップにもクラシックなものが採用されている。とはいえ、インフォテインメントシステムは12.3インチのディスプレイを備え、タッチ操作にも対応する。重要な情報はコックピットだけでなく、ヘッドアップディスプレイにも表示できる。
ただし、タッチ操作が少なくなったからといって、日本車が完全にレトロになったわけではない。もちろん、「シースルービュー」機能を備えた360度カメラなど、さまざまなアシストシステムが用意される。
また、「CX-60」でデビューした「ドライバーパーソナライゼーションシステム」も搭載されている。これはカメラを使って運転席に座っている人を認識し、それに応じてあらかじめ設定されたシートとミラーの位置を調整するものだ。ちなみに「CX-80」では、ステアリングホイール左のボタンを押すだけで、時に煩わしい制限速度警告システムを解除することができる。
アマゾンアレクサを搭載したボイスコントロール
Apple CarPlayとAndroid Autoによるスマートフォン接続は、「CX-80」ではワイヤレスで動作し、今やエンターテイメントのほぼ標準となっている。アマゾンアレクサも車の音声コントロールシステムに統合されている。
結論:
一見したところ、「CX-80」は「メルセデスGLE」や「BMW X5」などの対抗馬としてふさわしい。「CX-80」が走行テストでも好印象を与えられるかどうかは、まだわからない。
Text: Sebastian Friemel
Photo: Mazda Motor