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ワイルドなメルセデス190といえばこれ!「ブラバス 190E 3.6S」はベビーベンツをモンスターへと変身させた!

2024年5月23日

ブラバス 190E 3.6S(BRABUS 190E 3.6S):メルセデス・ベンツ190Eが272馬力を発揮するとこうなる。1980年代末、ブラバスは市販モデルを猛烈なドライビングマシンに変身させた。改めて、272馬力の「ブラバス 190E 3.6S」のパフォーマンスを試してみよう!

「メルセデス・ベンツ 190」は、72馬力の「190 D」から235馬力の「Evo II」まで、さまざまなパワーレンジのエクスワークスが用意されていた。さらに1980年代には、ブラバスのようなチューナーたちが「190」を一躍有名にした。その焦点はパフォーマンスの向上にあった。

しかし、BMWとは異なり、それはラップタイムよりもトータルパフォーマンスを重視したものだった。今回、我々は、特に邪悪なベンツ、「ブラバス 190E 3.6S(ブラックグリル、スリーポインテッドスターなし、リアにブラックスター付き)」を、レーストラックに持ち込んだ。フロントスポイラー、太いアルミホイール、ワイドタイヤ、スポーツシート、ツインパイプエキゾーストシステム、大音量エンジンを備えたワイルドな野獣だ。

ブラバスはベビーベンツをモンスターに変えた

標準的なトリムでは、小さな「メルセデス 190E」はまともな人のための車だった。一方、チューニングパーツで武装したブラバスは、より上品で、ちょっと気取っていて、ものすごく高価だった。1990年代初頭には、最大限の装備を備えた最高レベルの構成で82,000ユーロ(約1,350万円)に相当し、6気筒エンジンを搭載したエクストラなしの「190E 2.6」の実に3倍に相当した。スポーツシートはしっかりとしており、リアのシートはフロントのレカロと同様にスポーティだ。

熱狂的なラウンジ:黒いレザーとオプションのためのたくさんのボタン。ラジオも新しい。

骨のようにドライで正確、重く俊敏

スポーツカーのようなサウンド!ベビーベンツというより、現代の「BMW M5」かもしれない。ホイールアーチを覗けば、それも頷ける。H&R製スプリング、コニ(KONI)製ダンパー、ワイドなブラバスモノブロックIIホイールを装着したブラバスの場合、左右のスペースは指一本分しかない。1990年には6000ユーロ(約100万円)もした(!)「ブラバスハイパフォーマンスブレーキシステムバージョン1」は、17インチホイールを完全に埋め尽くしている。

最高速度: 258km/h

オリジナルの2.6リッター6気筒エンジンの代わりに、ボンネットの下にはボアアップされた3リッターエンジンが搭載されている。大型の「W124」サルーンシリーズのものではなく、「300SLロードスター(R129)」と「300GE」オフロードビークルのエンジンを搭載したバージョンである。シリンダー径は91mm、クランクシャフトは可能な限り大きなストロークを持ち、燃焼室は3,590立方センチメートルに達する。

直列6気筒エンジンはメルセデスの3リッターエンジンがベース。エキマニはブラバス製。

600rpmから6200rpmで大排気量スポーツカーのようなサウンドを奏でるだけでなく、スピードメーターが約束するように、300km/hに向かって力強く走る。結局、272馬力のパワーは、フロント面積が小さいにもかかわらず、マジックリミットには届かないかもしれないが、邪悪なベビーベンツは依然として印象に残る。

Text: Henning Hinze
Photo: Ronald Sassen