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後半生を迎える視覚的にも技術的にもリフレッシュされた「アウディ S3」に初試乗

2024年5月2日

アウディのハイパフォーマンスコンパクトカー「S3」が最後のフェイスリフト:視覚的にも技術的にもリフレッシュされたアウディS3は、後半生を迎える。4気筒エンジンは333馬力、シャシーはダイナミックなトルク配分。A3からS3へ!

アウディのチーフデザイナーであるマルク リヒテは、その名前に光(リヒテ)があるから、ライト関連もデザインしたのだろう(笑)、そんなダジャレはほどほどにして、実際にはセザール ムンターダが「S3」のライト関連のデザインを担当している。ライトエクスペリエンスデザインの責任者である彼は、”光の法王”とでも訳すべき存在で、このクルマには個別に調整可能なデイタイムランニングライトが装着されている。最大4つの異なるライトシグネチャーを選択することができる。

「S3」はより低く、よりワイドに見えるようにデザインされている。また、車の開閉時には、シックで小さな「ハロー&グッドバイ」ライトショーが行われる。新しいライトメイクに加えて、「S3」の心臓部はやはりエンジンだ。2リッター4気筒エンジンは、フェイスリフト前から存在する見慣れたものではあるが、よりパワフルになった。333馬力は、ファンにとって最も重要なファクターだろう。そして、「ゴルフR 20周年エディション」のパワーと、リアアクスルからのトルクスプリッターの技術もすでに知っている。というのも、「アウディS3」と「ゴルフR」はしばしば性能面でシンクロするからだ。しかし、「S3」は依然として250km/hでリミッターがかかるが、0から100km/hまでのスプリントは4.8秒から4.7秒になった。

スタイリッシュなサルーンには800ユーロ(約14万円)の追加料金がかかり、5ドアのスポーツバックほど多用途ではない。

後方から見てもS3の外観はそのスポーティさとは裏腹に控えめである

しかし、最初に戻ろう。フロント!六角形のグリルは健在だ。わずかにフラットでワイドになった。新しいフロントスポイラーと同じだ。また、「アウディA8」のフェイスリフトで初めて見られた、小さなL字型のフォルムを持つ新しい構造もある。リアから見ると、新しい2分割ディフューザーと新しいリアライトに気づくだろう。

試乗車にはアクラポヴィッチの新しいチタン製エキゾーストパイプが見える。しかし、これは別料金だ。「S3」が日常的なスポーツカーでありたいと願っている以上、トランクを見ることはやはり重要だ。サルーンは325リットル、スポーツバックは380リットル。リアシートを倒せば、最大1,200リットルまで可能だ。すべて従来通りだ!

Sモデルでは、コントラストステッチやロゴにシルバーのアクセントを配したダークなコックピットに変更されている。

インテリアは小変更にとどまる

インテリアもあまり変わっていない。2つのスクリーンがコックピットを支配しており、インテリアのすべてがダークカラーになった。ダブルステッチや「S」ロゴなど、シルバーのアクセントもある。ボトムがフラット化されたステアリングホイールにはクロームメッキ仕上げのシフトパドルが新たに採用され、アルミルックのペダルも装備される。ヘッドレスト一体型のスポーツシートや、横方向のサポート力を高める大型のサイドボルスターも、もちろん「S3」の特徴である。装飾インレイには、マイクロファイバー製、カーボン製、アルミニウム製、テクニカル構造(アウディではこう呼ぶ)のカバーなどがある。ホイールとタイヤも同様で、18インチホイールが標準となり、「アウディS3」をさらにスポーティにする19インチタイヤもオプションで2種類用意されている。ちなみに、ホイールの裏側には大型のブレーキが隠されている。パワーとパフォーマンスが向上すれば、当然、制動に対する要求も高くなる。ブレーキディスクは従来よりも4ミリ厚くなり、ブレーキキャリパーには新しいダブルピストンが採用されている。

標準のS3ではまだおとなしすぎるという人は、サウンドのスペシャリスト、アクラポヴィッチのチタンシステムを選ぶことができる。

追加料金を入れると、すぐに75,000ユーロ(約1,240万円)になる

コンフィギュレーターで「S3」を選択すると、「スポーツバック」の価格は少なくとも55,600ユーロ(約920万円)になる。オプションを加えると、おそらく75,000~80,000ユーロ(約1,240~1,320万円)になるだろう。

結論:
「S3」のフェイスリフトは、フロントヘッドライトの小さな光の遊びの裏側では、明らかに熟成が進み、スタイリッシュにダイナミックになった。これが「S3」の最終進化系となる。

Text: Dennis Petermann
Photo: Audi AG