スクープ? 伝説のボルボP1800の復活? 不思議なボルボのテストカーの正体は?

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ボルボP1800クーペ: ポールスター

なんとも不思議なボルボが発見された。完全に偽装されたボルボP1800クーペがスウェーデンで発見された。そして板金の下にいくつかの非常に特別なテクノロジーを備えているかもしれない。そのファーストインフォメーション!

謎のボルボが目撃された!

このカモフラージュされたボルボP1800のようなクーペはいったいなんだ??不思議なことに、P1800は60年代のクーペだ。なぜカモフラージュなのか? そして、なぜ迷彩を施したクーペなのか?

まず、この写真が写された場所であるが。写真は、ヨーテボリ(スウェーデン)近郊のヘラード付近、つまりボルボの最深部にあるテストトラックの近くで撮影されたものだ。
そしてそれは、メーカーの専門家たちがここで仕事をしていることを示している。
つまりこれは古いボルボをわざと装飾した愛好家の仕事ではない。

ボルボP1800は記念日を祝う

そしてその興味深いのはタイミングだ。
2021年はボルボP1800の60周年となる記念の年だ。
だから、伝説のクーペを祝うために、何か特別なものを用意していることは明らかだ。例えば、古いボディワークと新しい技術を使用したレストモッドとか。
「レストモッド」とは「レストア」と「モディファイ」を組み合わせた造語だ。見た目は旧車だが、中身は現代の部品に交換してあるというものだ。
それならば、確かに壮大なものになるだろう。
つまりこれはボルボ自身によるプロジェクトのようだ。

ワイドなトレッドの改造されたリアアクスルがはっきりと見える。ナンバープレートから、もとのこのクルマが1964年に登録されたものであることがわかる。

このP1800は確かにオリジナルモデルではない

果たしてこのボルボには400馬力以上の電気デバイスが搭載されているのだろうか?
驚くべきことに、このボルボは、1964年に登録されている個体だ。
スウェーデンではネットで調べなくてもナンバープレートで調べることができるようになっているのでわかる。
ということは、このボルボは、明らかに改造されたオールドタイマーということになる。特にワイドなアクスルと大きなホイールが最新のテクノロジーだということを指し示している。
そして、リアに排気システムが見当たらないという事実は、ポールスター2やボルボXC40リチャージの電気工学が、ボルボP1800のシャーシに搭載されていることをも示している。
もしそうであるなら、古い板金の下で約300キロワット(400馬力)の推進力を提供することができるようになっている。
しかし、最終的な答えは、ボルボP1800の60周年記念式典によってのみ、明らかにされるのだろう。
それまでは気長に待つしかない、ようだ…。
次回のレポートをお楽しみに。

オリジナルモデルのボルボP1800 S。このボルボ製の美しいクーペは1961年から1972年まで生産された。

ボルボも面白いことをするものだ、と思った。というのも、この車は、よくこの手のモデルが行うように、昔のモデルのイメージを使って復刻モデルを作るのではなく、1964年のP1800 Sを「ちゃんと」使って、そこに何らかの新しいテクノロジーを入れて作っている、ということが面白いのである。
このスクープが言っているようにおそらくこれは純粋な電気自動車の可能性は高いし、おそらくそうなのだろうが、そうであればこの車は量産する車ではなく、1台だけ作ってどこかに展示する、あるいは何らかのイベントで使うための車なのだろうか。

そう考えると不思議なのは、こうまで偽装してちゃんと公道でテストを行っているその理由が、どうしてもわからない。ちょいちょいと電気自動車を作って、自社のテストコースで走らせてオシマイ程度の仕立てであっても、1台ぽっきりだったら別に構わないのではないか??

聞くところによるとこういう偽装フィルムを車に施す費用はかなり高く、100万円以上もするともいわれている。そうまでしてたった1台だけの車に偽装して、公道でテストをする意味がどうしても分からない。ひょっとして何らかの大規模なプロジェクトなのだろうか。興味深い。

そもそも外装は古いP1800なのだから、そのまま何もせず、しれっと中身だけ電気自動車にして走らせたほうがいいのではないか? そうすればおそらく、ほぼだれも注目せずに、気が付かれぬまま公道でテストできるはずである。

まあひょっとするとこれは、わざと目立つように仕立てて、スパイフォトを写させ広めるためのちゃっかりしたステマ、ティーザー広告だったのかもしれない。そう考えると、今あなたが見ているこのAUTO BILDの写真も、まんまとボルボにやられた策略とも考えられる。
いやはやなんとも複雑な時代だ。

Text: Peter R. Fischer
加筆:大林晃平