新型メルセデスSクラス最新情報 さらなる安全性と使いやすさへの飽くなき追及
2020年7月31日
メルセデスSクラスW223(2020): リアアクスルステアリング、シャシー、アシスタント、エアバッグ
2020年秋にいよいよデビューする新しいSクラスは、より多くのエアバッグを筆頭に画期的な数々の安全デバイスとリアアクスルステアリング、つまり4輪操舵システムを採用する。新型Sクラスメルセデスの最新情報。
メルセデスのフラッグシップモデルの安全性とドライバーアシスタンスシステムに関するこだわりは徹底したものだ。
7代目となるラグジュアリーモデルには、新しい「MBUX(Mercedes Benz User eXperience)」オペレーティングシステムに続き、新たに搭載される安全機能やアシストに関する事前情報を公開した。
新型Sクラスは2020年9月初旬にワールドプレミアされる。
事故発生時の保護機能をさらに強化
メルセデスは、事故の際にアクティブに機能するシステムで大きな進歩を遂げている。最大の技術革新は、差し迫った側面衝突の場合の新しい保護システムだろう。
これは、メルセデスによってオプションとして提供されている「Eアクティブ ボディコントロール(E-Active Body Control)」シャシーとの組み合わせで提供する。このシャシーで、エアサスペンションは、48ボルトネットワークを使用するハイドロ空気圧システムによって補完されるようになっている。
側面から障害物がぶつかる数秒前に、新型Sクラスは最大で8センチ車高が自動的に上昇するようにできている。このようにして、衝撃はより耐久性のあるシル(敷居)に向けられ、乗員はより安全に保護されるようになっている。
さらに、新型Sクラスにはエアバッグも追加されている。
事故の際には、新しいセンターエアバッグが運転席と助手席の間で開き、両者の頭部衝突を防止するようになっており、後席の乗員は、フロントシートのバックレストに隠された追加のエアバッグで保護されるようになっている。
アシスタントシステムの改良
もちろんメルセデスはアシスタンスシステムもさらに改良している。
ドアが開いたときに他の道路利用者に警告する出口警告機能は、新型Sクラスではさらに進化した状態でアラームが鳴るようになっている。
またアクティブステアリングアシストは、緊急時の脱出レーンへのサポートすることもできるようになっている。
そして、パーキングアシストシステムは特に大幅に見直されている。
標準システムには12個の超音波センサーが採用されるようになったほか、メルセデスは操作を簡素化し、逆走時の緊急ブレーキ機能を統合した。
オプションの360度カメラ付きパーキングパッケージでは、線で囲まれた駐車スペースも認識できるようになっている。これまでは、システムは2台の車の間のギャップのみを報せていた。
また、3D画像にズームインすることもできるようになった。
新しいシャシーとリアアクスルステアリング
すでに述べたように追加料金がかかる「Eアクティブ ボディコントロール」シャシーは、より快適性を追求したものとなっている。
技術的なベースとなるのは、5つのプロセッサーと20個以上のセンサー、そしてカメラ。毎秒1000回という信じられないほどの走行状況を分析し、各ホイールのシャシーを個別に調整する。
例えば「コンフォート」ドライビングプログラムでは、カメラが道路をスキャンして段差を検出し、システムが可能な限り減衰させる。
新しいリアアクスルステアリングシステムもオプション装備の一部で、最大4.5度と10度の2つのバージョンで利用可能だ。
メルセデスは、これによってSクラスがコンパクトカーのように小回りが利き、取り回しがよくなることを約束している – もちろん、それは最初のドライブでのみ確認できるものだが。
いずれにしても、新しいステアリングシステムは、最大2メートルのターニングサークル(旋回円)を削減することができるようになっている。
いよいよ登場まであと数か月となった新型Sクラスメルセデスベンツ。
今までに判明したその特徴を箇条書きにしてみよう。
1: 4輪操舵採用。
2: ハイブリッドを含む様々なパワーユニットの中には12気筒も、もちろんディーゼルモデルもあり。
3: 大幅にアップした電子デバイス(特に自動運転など)と、今までにはなかった安全装備の数々。噂ではVRを使用したヘッドアップディスプレイなども装備。
4: ホイールベースは3種類。一番長いのはマイバッハモデル(含む防弾仕様)。
5: センターコンソールにはiPadのような大型モニター。
6: 今のところSクラスクーペベースの4座オープンモデルはラインナップから消える。
7: セダンの外装デザインは現行モデルの雰囲気を踏襲し、あまり変化なし(らしい)。ただしドアノブは収納式になる(今回の写真をじっくり参照してほしい)。
8: 本国での発表は9月の予定。日本には年末ぎりぎりか来年早々導入(の予定)。
9: 完全EVモデルは、まったく別のボディで別のモデルとして登場。
といったところだが、実際に出てみるまでは、その数々の先進装備などのすごさは、
まだまだ分からない。だができれば、さすがはやっぱりSクラスと周囲が驚くほどの内容を持っていてほしい、と願っている。それでこそ最善か無かをモットーとするメーカーのトップモデル、親玉たる所以であるのだから。
ちなみに、先日、横浜市都筑区の路上で偽装され、仮ナンバーでテストしていた車を目撃した(私の個人的な体験)。日本でもプロトタイプが走行テストをおこなっているようだ。
Text: Katharina Berndt
加筆:大林晃平