サブコンパクトからクロスオーバーへ 新型トヨタ「アイゴX」本格的なエントリーカーの全情報
2024年3月23日
トヨタ アイゴX:5速マニュアルが標準なんて楽しそう!シンプルなテクノロジー、スマートなパッケージングにより、アイゴXは本格的なエントリーカーと言えそうだ。
気に入った点:
● 室内空間が広い。
● 5速マニュアルトランスミッションが標準。
不満な点:
● 開口部が狭く、敷居がかなり高いトランク。
● 後部座席が狭い。
2022年以降、トヨタは「アイゴX」でサブコンパクトセグメントに新たな道を切り開いてきた。これまでの2世代(2005年から2014年、2014年から2021年)とは異なり、トヨタ最小の3代目はミニクロスオーバーに成長している。全長は3.70メートルと大幅に長くなったが、これは「ヤリス」のプラットフォームをベースに改良されたためである。
価格: 先代より高価になったアイゴX
しかし、走りの面では従来と変わらず、3気筒ガソリンエンジンを搭載している。サイズが大きくなり、SUVライクな外観になったためか、価格は上がっている。価格は17,550ユーロ(約280万円)から。これにより、先代より4,000ユーロ(約65万円)も高くなった。
デザイン: アイゴXのキリッとした外観
プラスチック製のパネルが「アイゴX」にオフロードの魅力を与えている。標準装備は17インチホイールだが、オプションで18インチホイールも装着可能。
ヤリスプラットフォームの採用で一回り大きくなった新型アイゴX
ボンネットの下には、「ヤリス」と「ヤリス クロス」の改良プラットフォーム(TNGA-B)が採用されている。これにより、「アイゴX」はトランク容量が大きくなっただけでなく(231リットル、リアシートベンチを倒した状態で829リットル)、全体的に大きくなった。
サイズ一覧
● 全長: 3.70メートル
● 全幅: 1.74メートル
● 全高: 1.51メートル
● ホイールベース: 2.43メートル
● ラゲッジコンパートメント: 231リットル、後席ベンチを倒すと829リットル
3気筒エンジンはキャリーオーバー
駆動システムに関して、トヨタは試行錯誤を繰り返してきた。ボンネットの下には、おなじみの1リッター3気筒ガソリンエンジン(ノンターボ)が搭載されている。最高出力72馬力と93Nmのトルクが前輪を駆動する。大したことはないように聞こえるが、車重(940kgから1,015kg)が軽いため充分以上のパワーである。トランスミッションはマニュアルの5速ギアボックスか、S-CVTと呼ばれる無段変速トランスミッションである。
アイゴXの平均燃費はリッターあたり21.2km(マニュアル)またはリッターあたり20.4km(オートマチック)となっている。そして、0-100km/h加速は約16秒、最高速度は158km/hとされている。
装備: アイゴXは背の高いドライバーにも快適な空間を提供する
広々としたインテリアデザインは、背の高い人ドライバーでも十分なスペースを確保できる。マルチファンクションステアリングホイールは、大人っぽく整然とした印象を与える。追加料金で9インチのタッチスクリーンが利用でき(標準は7インチ)、インフォテインメントシステムはApple CarPlayとAndroid Autoによるスマートフォン接続に対応するほか、無線アップデートにも対応する。
素材の選択は小型車らしいく、どこにでもあるような硬質プラスチックに加え、フロントドアとリアドアには塗装されたシートメタルが使われている。背の高い人が前席に座った場合、後席の乗員はかなり窮屈な思いをすることになるが、市街地を移動する際にはほとんどの人にとって十分だろう。「アイゴX」は、基本的なニーズ以上のものはカバーしていない。
優れたシティラナバウト
自然吸気エンジンは高回転を要求するものの、1トンを切る車重に対してエンジンは楽勝。歯切れのいい5速ギアボックスとの相性は抜群だ。1,200ユーロ(約20万円)の追加料金で、無段変速CVTも用意されている。
最初のドライブで、「アイゴ」にはすぐに納得させられた。大径ホイールとショートホイールベースという不利な組み合わせにもかかわらず、驚くほど快適に転がるように走り、ステアリングは正確で、9.4メートルというターニングサークルは非常に取り回しが良い。
結論:
明快なデザイン、シンプルなテクノロジー、巧みなソリューション: エントリーレベルのクルマとして、「アイゴX」は驚くほど完成度が高い。唯一欠けているのは、電気自動車かハイブリッド車である。
フォトギャラリー: トヨタ アイゴX
Text: Peter R. Fischer and Malte Tom Büttner
Photo: Toyota Motor Corporation