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【動画付き】新着情報 ゴードン マレー の新作 T.50 高回転型コスワース製V12を採用

2020年7月28日

ゴードン マレー オートモーティブT.50: マクラーレンF1後継モデル、V12、価格

マクラーレンF1の後継モデルがついに登場する。
ゴードン マレー(サー ゴードン マレー、英王室から数年前に叙勲を受けた)は、現在、伝説のマクラーレンF1の後継者となるニューモデルを製作中だ。そのT.50と名付けられたスーパースポーツカーは、高回転型V12エンジンをコスワースから入手する。そしてそれがT.50のエンジンサウンドとなる。その詳細。

超高回転型V12とそのサウンドを備えたGMA(Gordon Murray Automotive) T.50。

それがT.50のV12の音だ!

約1年前、ゴードン マレーは、史上最も軽量で純粋なスーパースポーツカーを作りたいと発表した。
その名もT.50。
自然吸気V12エンジンを搭載し、12,100rpmまで回る高回転型だとされている。
コスワース社のエンジンスペシャリストによって作られたこのエンジンは、ロードカーに搭載された、史上最高のV12エンジンだと言われている。

ゴードン マレーは、重さわずか180キロのコスワース製V12のサウンドを初めて聴くことができるビデオを公開した。
エンジンはテストベンチで1,500rpmまでしか回転しなかったが、それだけには留まらない。事実、自然吸気エンジンの最高回転数は、12,100 rpmという驚異的なものだと言われている。
しかし、それ以上に印象的なのはレスポンスの良さだ。
GMA(ゴードン マレー オートモーティブ)は、V12がアイドル状態から最高速度まで、わずか0.3秒でレブアップすることを約束する。

これがコスワースのV12だ

そして、なぜそれほどまでに労力を費やしているのか?
マレーは、T.50を、最後の、そして最高のアナログスーパースポーツカーという理念とコンセプトの下に開発に取り組んでいる。
すべてが構想通りにと、エンジンのエキスパートであるコスワースが開発したのは、まったく新しいV12自然吸気エンジンだった。
3.9リッターV12は659馬力、450Nmの最大トルクを発揮する。
このエンジンは、ターボチャージャーの使用や電動化を行わず、即応性を重視して意図的に設計されたものだ。
ゴードン マレー オートモーティブは、T.50のパワーウェイトレシオを1トンあたり672馬力としている。
パワーはXtrac(英国のトランスミッション専門製造業者でモータースポーツと高性能車に特化している)が開発した、6速マニュアルトランスミッションによって後輪に伝達される。

マレーはV12が多くのパワーを有すると同時に、見た目も良いことを要求する。

マレーは伝説のマクラーレンF1の父である

ゴードン マレーは自分が何をしているかをよく理解している。
今からおよそ30年前、開発者でありデザイン責任者であるゴードン マレーは、路上のスーパースポーツ、マクラーレンF1という記念碑を打ち建てた。
現在でもF1は、史上最高のスーパースポーツカーの1台と見なされ、事実多くの専門家や愛好家からもそう認めされている。
そして今、マレーはそのマクラーレンF1の正当な後継モデルを作りたいと考えているのだ。
マレーは、トップスピードや加速記録には興味がないと強調する。
その代わりに、T.50はドライバーに完全に焦点を当て、可能な限り最高のドライビング体験を提供すべきだと心に決めている。
そのための鍵となるのは、何よりも重量だ。
全長4.38メートルのマクラーレンF1後継モデルは、カーボンを使用することで、わずか980キログラムの軽量化を実現しているという。
マレーは、過去15年間のスーパースポーツカーの平均重量が約1400kgであることを突き止めたと主張しているが、T.50はそれを明らかに下回っている。
とはいえ、それは空のレーストラックツールではなく、最大3人乗りの快適さとスペースを提供することを目的としている。
1993年に作られたマクラーレンF1も、長旅のためのグランツーリスモとしても設計されていた。

ゴードン マレーはスーパースポーツカー、マクラーレンF1の生みの親だ。そして今、彼は後継モデルの作成に取り組んでいる。

セントラルドライビングポジションとガルウィングドア

伝説のマクラーレンF1とさらに類似しているのは、コクピット中央に装着されたドライバーズシートとガルウィングドアだ。
また、新型T.50は洗練された空力特性も備えており、大型のスポイラーやリアウィングなしに完全に機能するよう設計されている。
ちなみにマクラーレンF1は、1990年代初頭にアクティブエアロダイナミクスを採用、装着した最初のクルマでもあった。

T.50は100台のみの限定生産

現段階では、T.50の完全なレンダリングや写真はまだない。
しかし、分解図を見るとマクラーレンF1との類似性が見て取れる。
しかし、これはすぐに変更される。
最初のT.50が登場するのは2020年8月の予定だ。
しかし、伝説のマクラーレンF1の足跡をたどるまでには、まだもう少し時間がかかるだろう。
T.50の最初の1台は、2022年から納車される予定だ。
マレーによれば、すでに世界中から関心が寄せられており、その関心の規模は巨大なものだと述べている。
T.50は合計で最大100台が作られることになり、マクラーレンF1より6台少ない。
価格は200万ポンド(約2億8千万円)になるという。

このドローイングから見る、4.38メートルの長さと1.85メートルの幅を備えたT.50のプロポーションは、マクラーレンF1との類似性を備えている。

マクラーレンF1こそ、史上最高の自動車である、と言う人は多い。
その理由は多々あるが、一言で言えば天才設計者ゴードン マレーの考える理想を、一切の妥協なしに、採算を(おそらく)度外視して作った車がマクラーレンF1であったからで、おそらく当時の価格でも儲けはなかったといわれている。
そんなマクラーレンF1を超える自動車を作る、というのは並大抵のことではなく、T.50と呼ばれている今回の車の開発は、いかにゴードン マレーといえどもそんな簡単なものではないことは予想される。
中途半端なものを出せばその評価は、かつてのマクラーレンF1の名前に傷をつけかねないし、最後の作品であるからこそ責任重大な仕事であるはずだ。
だがゴードン マレーが生粋のエンジニアであるからこそ、いつまでも妥協することなく理想を追求し続ける、とも考えられる。30年前と違う素材とテクノロジーを使い、2020年の現在で考えられる最高の車を生み出す、そんな自動車エンジニアなら誰もが憧れる仕事を現在彼は行っているのだろう。
本文中にも記されているように、過剰な電子デバイスを持たない車のようだし、ポイントとなるべき点は2点あると思う。

ひとつは車重で、これが本当に1トン程度で出るのであれば、他の重く複雑な超高性能スーパーカーはその時点で顔色を失うことになる。軽さとはすべての面で絶対的な必要条件なのだから。
もうひとつはエンジンだ。前回はBMWだったエンジンが、今回はコスワースのエンジンとなる。これがどのような完成度を持つものなのかは、現時点ではまったく予想もつかないが、この点でも妥協することなどありえないだろうから余計な心配などいらないはずである。

いずれにしろ100台などはもうすでに争奪戦か、あるいはとっくに売り切れなはずで、いくら心の底から欲しくとも、これから注文することなどはおそらく不可能なのがちょっと悔しい。たとえ、買えない身であっても…。

https://www.facebook.com/GordonMurrayAutomotive/videos/270836390879243/?t=15

Text: Jan Goetz.
加筆:大林晃平