ルノー5がBEVで復活!「ルノー5 E-TECH エレクトリック」は戦略的な価格でBEVの普及を目指す
2024年3月14日
Renault 5 E-Tech Electric(ルノーサンク E-Tech エレクトリック):ルノーのアイコンが帰ってきた。R5(ルノーサンク)は、e-モビリティへの移行を強化し、ブランドの変革において重要な役割を果たす。
ルノー5は小型BEVの価格戦略車
手頃な価格の電気自動車は、現時点ではまだ数少ない。メーカー各社は、大衆が購入可能な新モデルを少しずつ発表しているに過ぎない。ルノーは、手頃な価格の電気自動車を提供するべく40年以上の時を経て、伝説的な名車、「R5」をBEVとして送り出そうとしている。
初代「R5」は、オイルショックに対応するように、70年代のわずか10年あまりで900万台以上を売り上げた。そして新しい「R5」は2021年にコンセプトモデルとして発表された。成功したモデルシリーズは、過去のカルト的な小型車のスタイルで現代にもたらされる予定だった。そして今、シリーズ版がスタディ版とほぼ同等の状態で市場に投入される。
電気自動車を手頃なものにするルノー5
「R5」は2024年夏から注文可能となり、秋には最初のユニットが納車される。e-モビリティを手頃な価格で購入できるよう、ベースモデルは約25,000ユーロ(約400万円)に設定される。
コンセプトカーのままのレトロなデザイン
もちろん、フランス発の小さなコンセプトカーが私たちを魅了したディテールのすべてが量産化されたわけではない。たとえばヘッドライトは、以前はジグザグに走る細い光の帯だったが、LEDライトに変更された。上質なデイタイムランニングライトのシグネチャーがヘッドライトガラスに埋め込まれ、自由に浮いているように見える。この外観は、1982年型「R5ターボ」のフォグランプをオマージュした長方形デザインのライトエレメントによって補完されている。フロントエプロンには、「R5」のモダンレトロな魅力を強調するエレメントが追加されている。
しかし、歴史的な先代モデルと比較して、新型が維持できていない点がひとつある。新型車の常として、「R5」は大きく成長し、全長は3.92mになった。これは「クリオ(ルーテシア)」より9cm小さく、トゥインゴとクリオの中間に位置する。同時に、先代の「R5」よりも30cm近く長くなっている。全幅は1.77m、全高は1.50m。
ホイールベースは2.54mで、フロントとリアのオーバーハングは比較的短く、大きなホイールアーチには18インチホイールが標準装備されている。ちなみに、ベースモデルにはR5 ターボデザインのハブキャップ付きスチールリムが、上級トリムレベルにはアルミホイールが装着される。
サイズ一覧
長さ:3.92メートル
幅:1.77メートル
全高:1.50メートル
ホイールベース:2.54メートル
ラゲッジコンパートメント:326リットル
リアビューにも「R5」を彷彿とさせるクラシカルなデザインが採用されている。エクステリアの外観は、かつてベンチレーショングリルが配置されていたボンネット上の充電インジケーターによって引き締められている。
最大150馬力の3種類のパワーユニット
駆動面では、ルノーは「R5」で新境地を開拓している。まったく新しい「AmpR」スモールプラットフォームを採用したブランド初のモデルで、電気自動車専用車として登場する。
パワーユニットの出力は95馬力から150馬力の3種類で、フロントにパワーユニットを置く前輪駆動レイアウトとなる。ベースモデルは40kWh、よりパワフルなほうは52kWhである。これにより、航続距離は300kmから400kmとなる。
400ボルト技術により、DC充電器は最大100キロワットの充電能力を持ち、小型バッテリーは80キロワットに制限されている。双方向充電と、家電に電気を供給するためのヴィークル トゥ ロード機能を備えるのが、ルノーのドライブコンセプトだ。
テクニカルデータ
ルノー 5 E-Tech 70 | ルノー 5 E-Tech 90 | ルノー 5 E-Tech 110 | |
エンジン | フロント電動モーター | フロント電動モーター | フロント電動モーター |
ドライブ | 前輪駆動 | 前輪駆動 | 前輪駆動 |
パフォーマンス | 70kW (95馬力) | 90kW (120馬力) | 110kW (150馬力) |
最大トルク | 215Nm | 225Nm | 245Nm |
0-100km/h | 12秒 | 9秒 | 7.5秒 |
最高速度 | 150km/h | 150km/h | 150km/h |
航続距離(WLTP) | 300km(400km**) | 300km(400km**) | 400km** |
デジタルインテリアとクラシックなデザイン要素の融合
インテリアに目を向けると、実に現代的である。新型「R5」がテクノロジーの面で先代を凌駕していることは明らかだろう。しかし、インフォテインメントシステムはまったく新しいものではなく、「OpenR link」システムは他のモデルですでに採用されている。標準装備の10インチセンターディスプレイは、ルノーの常套手段である縦並びではなく、横並びである。ステアリングホイールの後ろのディスプレイには、7インチと10インチの2つのオプションがあり、こちらもフルデジタル。
ルノーは、旧型「R5」から多くの細かなディテールを新世代に受け継いでいる。例えば、ダッシュボードの飾りステッチや、「R5ターボ」から視覚的なインスピレーションを得たワイドでフレアなシートボルスターを備えた新しいシートなどだ。素材の選択も現代的だ: フェイクレザーとリサイクルファブリックが主な素材だ。私たちのプレス車両は、イエローとブラックのシート表皮で、一種の粒状感があり、シートは快適で、仕上がりもプリプロダクションカーとしては上質に感じられる。
結論:
魅力的なレトロチックデザインが、電気駆動を備えた最新テクノロジーと融合することで、ルノーは伝説の「R5」に新たな命を吹き込んだ。しかも価格は25,000ユーロ(約400万円)前後。この新型スモールカーが、クラシックな先代モデルのサクセスストーリーを引き継ぐことができるかどうか、興味津々だ。
Text: Sebastian Friemel
Photo: Renault Group