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【動画付き】新着ニュース メルセデスAMG GTブラックシリーズP Oneエディション登場

2020年7月24日

メルセデスAMG GTブラックシリーズP Oneエディション: スペシャルモデル、価格

AMG GTブラックシリーズのこのスペシャルモデルの価格は、わずか50,000ユーロ(約625万円)だ。メルセデスAMGはGTブラックシリーズに特別なモデルをもたらす。「P Oneエディション」購入のための金額はたった50,000ユーロ(約625万円)たらずだが、このスペシャルモデルをオーダーできるのは、スペシャルカスタマーのみとなる。以下にその理由を述べる。

メルセデスAMGがスペシャルモデルのスペシャルモデルを投入?

つい先日730馬力の「AMG GTブラックシリーズ」が発表されたばかりだが、1000馬力以上のハイパースポーツカー「AMG One」を発注した顧客のみに予約が可能とされる、さらに限定された「P Oneエディション」についての憶測がすでに出回っている。
驚くべきことに、このスペシャルモデルAMG GTブラックシリーズ(想定価格30万ユーロ=約3750万円)のスペシャルモデルの価格はたったの50,000ユーロ(約625万円)とされている。
mercedes-fans.deが報じているように、GTブラックシリーズの「P Oneエディション」は、AMGの本拠、アファルターバッハの開発陣が「AMG One」の市場投入を何度も延期せざるをえなかったという事実を補うためのものとされている。
その遅れた主な理由とは?
複雑でエキゾチックなF1技術を現行のレギュレーションに適合させるのは非常に難しく、コストもかかるからだ。

ハイパースポーツカー、AMG One。
Photo: Daimler AG

前提条件は、「AMG One」のオーダー

そこで、メルセデスAMGは、「AMG One」納品の待ち時間をもう少し辛抱してもらうために、現在、予約注文した275名のすべての顧客に、AMG GTブラックシリーズ「P Oneエディション」を50,000ユーロ(約625万円)という破格値で注文する機会を提供している。
レギュラーモデルのGTブラックシリーズのための1台300,000ユーロ(約3750万円)という想定価格と比較して、最初は絶対的な掘り出し物のように聞こえるかもしれないが、それはベース価格が1台あたり275万ユーロ(約3億4375万円)の「AMG One」を購入することが、GTブラックシリーズのスペシャルモデルである、「P Oneエディション」を注文できるための前提条件であることを忘れてはならない。
しかし、現時点ではこれらはあくまでも噂であり、正式には確認されていない。

フロントはシルバー、バックはブラック。小さな星を含む配色は、F1マシンをベースにしたものだ。

フォーミュラ1マシンをベースにしたデザイン

すでに1年間の工期が限定されている新特別モデル「AMG GTブラックシリーズ」の魅力とは?
そのルックスだ。
デザインはF1マシンの配色を採り入れたもので、フロントがシルバー、バックがブラック。加えて、多くのシルバーとブラックの星。
これが塗装仕上げなのか、メッキ仕上げなのかは明らかではない。
しかし、「AMG One」にも非常に似たカラーリングが用意される。
サイドスカートと鍛造ホイールのデザインは、下線部にターコイズブルーのアクセントを備えている。
インテリアにもターコイズブルーがプラスされている。
シートの縞模様やコントラストステッチ、トラクションコントロールダイヤルまでもが印象的なカラーで仕上げられている。
ちなみに最新情報によれば、「P Oneエディション」は、歴代最強のAMG V8市販エンジン(730馬力、800Nm)を搭載する「AMG GTブラックシリーズ」と比較しても、技術的には何も変わらないとのことだ。

標準のオレンジのアクセントの代わりに、スペシャルモデルはターコイズブルーのディテールを備えている。

ポルシェも特別モデルで待ち時間調整

このような「待ち時間のための」特別モデルという基本的な考え方はいいのだが、選ばれたモデル名はいささか残念である。
もちろん、その名前から、メルセデスAMGの狙いは明らかだが、2013年に登場した916馬力のマクラーレン「P1」との重複は避けられないのではないか。
ところで、エクスクルーシブなモデルを待ち焦がれる顧客に、市販モデルの限定特別仕様車を購入できる特権を提供することによって、待ち時間を我慢してもらうという手法は、決して目新しいものではない。
2011年、ポルシェは918スパイダーを注文した顧客に、911(997.2)ターボSをエディション918スパイダーとして注文する機会を提供した。
この特別モデルは、何よりも「アシッドグリーン」という色のアクセントと、グローブボックスのバッジによって認識されていた。
しかし、918の顧客のうち、このスペシャルオプションを利用したのは結局合計で146台(クーペ79台、カブリオレ67台)にとどまり、「ポルシェ911ターボSエディション918スパイダー」は、現在ではコレクター垂涎のアイテムとなっている。
275人のAMG Oneを注文した顧客のうち、どれだけの人数がGTブラックシリーズの「P Oneエディション」を5万ユーロ(約625万円)で注文するか、今後の動向が注目されるところだ。

スペシャルモデルのポルシェ911ターボSエディション918は、クーペとコンバーチブルの両方で利用可能だった。合計146台が製造された。

待ち時間のためのクルマ、というのはまあわからないでもないが、いくら特別価格とは言え無料サービスではない、というところは当たり前ではあるが、ちゃっかりした商売である。
今回のメルセデスAMG GTのブラックシリーズ「P ONEエディション」という、長く複雑怪奇なネーミングの車も、ざっと625万円という価格だし、ポルシェの場合は(たしか)定価だったので、やっぱりちゃっかりしている、というか、商売上手ですねぇ、と思う話題だ。
メルセデスAMG GTのブラックシリーズP ONEエディションは、定価から考えればものすごく割安といえなくもないが、うがった見方をすれば、もともとのAMG GTの利益とか、ディーラーの儲けとか、付加価値やら宣伝費やらなにやらを一切取り除いた素材としての原価は、案外そんなものなのかもしれない。
この車を購入する(というか、「AMG One」を発注するほどの)、カスタマーならば、他にも複数の自動車を必ず所有しているはずだから、別にわざわざメルセデスAMG GTのブラックシリーズP ONEエディションを発注しなくとも何も困らないはずではあるが、ミニカーを買うノリで、これもついでに一台発注し、ちょっとだけ乗って味見したくらいでもう乗らなくなってしまう、そんな世界に生息する自動車なのだろう。
まあそんなことを言えば、メルセデスベンツ AMG GTのブラックシリーズP ONEエディションを発注できるオーナーのもとへいずれ納車される3億5000万円の「AMG One」だって通常はガレージに並べておき、ごくたまにチョロっと乗る程度の原寸大ミニカー的な存在になるはずだから、余計な心配もお節介も無用だろう。
とにかく世界には、こういうクルマをずらりと全種類自宅ガレージに並べなくては気が済まない人もかなりの人数存在している。そういう方は大いに経済活動に貢献してほしいと、コロナ禍の今だからこそ皮肉ではなくそう思う。

https://youtu.be/JdpJh51XRaI

Text: Jan Goetz
加筆:大林晃平
PHOTO: www.mercedes-fans.de