【ひねもすのたりワゴン生活】自称果樹園に新顔登場 その1
2024年1月7日
肥料の買い出しで出会った自然薯
しばらくご無沙汰してしまいました。旅に出たり、畑仕事に汗したり、キャンプや釣りを楽しんだり、何日ものロングドライブを満喫したり…と、相変わらず“ひねもすのたり”な生活を楽しんでいたのですが、文章にする余裕がなくて、画像ばかりが溜まっていました。なんとか1年くらい連載できるボリュームを書き上げましたので、またお付き合い願います。さて、再開1回目は、自称果樹園での畑仕事……相棒を泥だらけにした日々のお話です。
昨年の春、我が自称果樹園に新顔が入った。一応、果樹園と称しているので、この新顔、厳密には異邦人なのだけれど、空いたスペースがあったので面白半分で植えた次第。まぁ、素人のお遊びなので、そんなもんです。
その出会いは、肥料の買い出しだった。冬の間、いろいろな果樹に寒肥を施したら、肥料が残り少なくなってきたので、まとめ買いをすることに。以前は、農協の倉庫に出かけて、プロ仕様(笑)を調達したのだが、あまりに高価だったのと、今回は他の園芸用の小物も買いたかったので、ホームセンターに向かった。
やはりこういう時、ステーションワゴンは頼りになる。我が相棒に限ったことではないが、テールゲートを上げるだけで広い開口スペースを得られるので、重い荷物でも積み下ろしが楽だ。肥料なんて1袋が10㎏以上あるわけだから、これはとても助かる。以前、ダイビング好きな友人がサーブのワゴンにベタ惚れだったので実車を見せてもらったら、カーゴルームの床板が手前にスライドするようになっていて驚いたことがある。エアタンクなど重いものを出し入れする時、これなら腰を曲げなくても奥まで積み込めるし、取り出すのも楽なんだ…と自慢げだったが、ワゴンの用途を理解した設計に感服したのだった。
さて、各社、カーゴルームのレイアウトによって使い勝手は変わるけれど、我が相棒もなかなかいい仕事をしてくれる。スクエアに広がる空間はかなりの量を呑み込んでくれるし、積み荷を覆うカバーが電動なので、両手がふさがっている時に助かる。そして、リアのエアサスが奏功してか、沈みこむこともない。この日は15㎏~20㎏の肥料や腐葉土を10袋程度と、ネットやポール、ホースなどを買おうと思ったが、この程度ならおやすい御用。リアシートを倒すまでもない。最近のホームセンターは、この手の商品を買うと、車内に敷くビニールシートを添えてくれるのもうれしい。
で、店内に入ろうとしたら、入り口脇の棚にジャガイモの種芋がずらりと並んでいた。昨今、品種が多くなって、聞いたことのないような名前もいくつかあったが手は伸びない。でも、端のほうに「自然薯」の文字が…。見ると、3種類の種芋が売られていて、どれも入荷したばかりらしい。これって、あのとろろ汁やマグロの山かけにするやつだよなぁ…と、思わず手に取ってしまったのが運の尽きで、つい説明書きに目を遣ると、育てるのはそんなに難しくないらしい。種芋を植えて、蔓を巻きつける支柱を立ててやれば、あとは放っておくだけでよさそうだ。自然薯だの山芋だのといえば、八百屋で買うものと決めつけていたけれど、育ててみるのも悪くない。そういえば、ゴールドキウイの棚の下が空いているし、あそこなら風通しも日当たりも解決できるだろう。
…なんてことを妄想しているうちに、自分で育てた芋で、とろろ飯を作ってみたくなってきた。そして、気がつけばコロッと丸っこい伊勢芋系と平らな手芋系との2種をカゴに入れていたのだった。肥料を買おうと出かけた先で待っていた思いがけない出会い…クルマ旅でもそうだったけど、こういうのがいちばんワクワクする。
Text&Photo:三浦 修
【筆者の紹介】
三浦 修
BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。
【ひねもすのたりワゴン生活】
旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。