【箱根へのカングーでの旅】富士山に映えるディーゼル仕様の新型「ルノー カングー インテンス」との楽しい4日間
2023年12月28日
スペースも拡大されたルノーの小型バン、カングーに普通の乗用車並みの技術を追加。もちろん“もっと遊べる空間”として生まれ変った新型ルノー カングーのユーティリティ(実用性)の高さは言うまでもいないが、驚くことに(?)、その運動性能の高さにも驚かされる。運転してみればわかる。とてもダイナミックで楽しいことは多くの人が意外に思うに違いない。
ほしいクルマの1台。「ルノー カングー」は常に頭の隅にある。万能フランス車だ。いや、ルノーらしさを備えた万能選手というべきだろう。
今回は、ディーゼル仕様の新型「ルノー カングー インテンス」で4日間、ヨコハマ➡御殿場➡FISCO(富士スピードウェイ)➡箱根➡横浜を旅した。
1.5リッターのターボチャージャー付直列4気筒ディーゼルエンジンで、116馬力+270Nmを発揮する。電子制御の7速ATで前輪駆動だ。
最初はハンドリングにじゃっかん違和感があったものの、翌日、山道を走ったら、素晴らしかった。「カングー」なのに「メガーヌ」か「トゥインゴ」かと思うほどだった。さすがはハンドリングのルノー。(笑)
それからシートがとても良いと思った。フランス車(ルノー)の伝統だろうか?
やっぱりディーゼルはエンジンブレーキが弱いらしい。山道の下りは、ブレーキばっかり踏んで、なんか運転が下手くそになった気になっていた。
でも良いクルマだ!(笑)
「ルノー カングー」は、1997年に「ルノー エクスプレス」に代わって初代モデルが登場して以来、小型バン市場の定番となっている。しかし、モデルラインが25年以上販売されている一方で、「カングー」の各世代は異例の長さで存続している。「カングーMk1」は10年間販売され、第2世代は2007年から2021年まで続いた。そして、日本では2022年に第3世代が「Mk2」に取って代わった。
しかし、この最新の「ルノー カングー」は待った甲斐があった。後継車よりもハンサムなマシンで、ルノーの乗用車ラインアップだけでなく、より大型のトラフィックにもインスパイアされたルックスを持っている。以前のバージョンの「カングー」もそうだったが、今回のクリオは驚くほど高級志向で、その結果、「カングーMk3」は小型バンとしてはかなりプレミアム感のあるインテリアを提供している。
「ルノー カングー」は、これまで以上の実用性とスペースを提供しながら、これまで以上に効率的になっている。価格は旧モデルより上昇したが、日常的なランニングコストが安くなることで軽減される。標準装備も充実していて、財布に負担をかけない。カングーの最新バージョンでは、ルノーはコストを削減するのではなく、新しいテクノロジーを導入し、バリューフォーマネースモールバンであり続けることを保証している。
カングーのスタイリングは、ルノーの他のモデルレンジを反映している。そのため、C字型のLEDランニングランプを備えた大きなヘッドライトに挟まれた、目立つがっしりとしたグリルがある。
マニュアルボックスは正確かつスムーズで、同等のキャディやトランジットコネクトとさほど変わらないフィーリングだと感じた。対照的に、オートマチックは楽ではあるがやや遅い。シフトチェンジはスムーズだが、ゆったりとしたドライビングスタイルに適している。どのオプションを選んでも、「カングー」は運転するのに最高の小型バンのひとつだ。
積載スペースと実用性
どのパワートレインを選んでも、「ルノー カングー」の荷室容量と積載重量は、スモールバンのライバルと比較しても遜色ない。標準モデルの場合、荷室容量は3.3立方メートルで、「シトロエン ベルランゴ」に匹敵する。
荷室の長さは1,806mm、ホイールアーチ間の幅は1,248mmで、スライド式サイドドアの後ろの荷室の最も広い部分は1,570mmである。バックドアの全高は1,115mm、ロードシルの高さは635mmで、室内の最大高さは1,215mm。リアドアのフロア最大幅は1,256mmで、テールライト直上で1,196mmに狭まる。
ロングホイールベースモデルを選ぶと、荷室容量は4.2立方メートルとなり、ロングホイールベースのベルランゴよりも半立方メートル近く多くなる。荷室の長さは2,230mmで、他のほとんどの寸法は標準バンのものと同じである。リアシルは613mmとわずかに低く、最大荷室高は1,248mmである。
キャビンとインテリア
カングーの車内に座ると、グレーとブラックのプラスチックがふんだんに使われている。しかし、ダッシュボードのレイアウトは以前のカングーよりずっと良くなっており、スイッチ類も以前より質が良くなっているように感じられる。空調コントロールのロータリーダイヤルはクリオ スーパーミニから採用されたもので、上級仕様車には同じメタルエフェクトベゼルが採用され、より高級感が増している。
ステアリングホイールもクリオと同じで、ステレオ調整用の追加ストークを含む同一のマルチファンクションコントロールが採用されている。言わずもがなだが、カングーではもちろん収納も充実している。
カングーのこれまでのバージョンは、スモールバンクラスでは的外れだったが、もはやそうではない。より大きなボディ、より多くのテクノロジー、より多くの安全機能を備えた最新バージョンは、現在最も充実したスモールバンであり、広々としたインテリア+大きくなった後部荷室+静かなロードマナーで、あなたの新規購入車候補の最上位に位置するはずだ。
カングー、楽しい旅をありがとう。
Text & photo: AUTO BILD JAPAN