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【中国EV市場での戦い】中国と争うフォルクスワーゲンはこうしてBYDに対抗する その変更点と施策とは?

2024年1月1日

中国と戦うVW:フォルクスワーゲンは中国でのEV市場での戦いに備え、いくつかの点を変更した。BYDに対する施策とは?

フォルクスワーゲンは中国でのポジショニングを変えようとしている。フォルクスワーゲンは、これまでとは異なるアプローチで電気自動車の競合他社に攻勢をかけたい考えだ。

野心的な目標は、2030年までに中国市場向けに30車種の新型電気自動車を投入することだ。これは主に、合肥にあるフォルクスワーゲンチャイナテクノロジーカンパニー(VCTC)と、純粋な電動コンパクトモデル用のMEBから派生した独自のプラットフォームによって達成される。

「このプラットフォームをベースとした車両は2026年から市場に投入され、価格帯は14万~17万元(1万8,000~2万2,000ユーロ)となる予定です」と、VWグループの中国担当取締役であるラルフ ブランドシュテッターは発表した。

人口800万人を擁する中国の都市にある工場は、ここ数年で拡張されており、その費用はグループ全体で約10億ユーロ(約1,600億円)にのぼる。

時間とコストの節約

中国市場向けモデルの開発は、ヴォルフスブルクから中国に移されることになった。これによりフォルクスワーゲンは、準備から開発までの時間を30%短縮することになる。

2024年までに約3,000人が合肥でモデル開発に従事することになる。同時にVWは、世界第2位の経済大国である中国のEV市場において、専門知識を共有し、より迅速に参入するために、中国のメーカー、Xpeng社など他の企業とも協力している。

「ダイナミックな市場環境では、高い開発ペースが不可欠です」とブランドシュテッターは言う。彼自身の言葉を借りれば、「非常に積極的な価格水準」を期待している。

ID.3は中国で好調だ。

さらに、フォルクスワーゲンは自律的でコントロール可能なバリューチェーンを目指している、と彼は説明した。ウクライナや中東のような危機の影響を受ける輸入や輸出に依存しすぎないようにするためだ。ブランドシュテッターはこれを「中国のための中国での生産」と呼んでいる。

重大かつ新たな課題

フォルクスワーゲンは中国で大きな課題に直面しているだけでなく、新たな課題にも直面している。顧客はより若く、運転習慣も異なる。これらは、フォルクスワーゲンがBYDのような競合他社に追いつくために対処しなければならない前提条件である。

最新の販売台数は希望を与えてくれる。10月の「ID.3」の中国での販売台数は、昨年の同時期に比べ65%増加した。合計で約24,000台の電気自動車が顧客に販売され、これは2022年10月のほぼ2倍にあたる。しかし、中国市場全体も成長したため、フォルクスワーゲンへのプレッシャーは依然として高い。

Text: Andreas Reiners
Photo: Volkswagen AG