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【クラシック オブ ザ デイ】欧州で未だに高い人気を誇る日本の生んだ名オフローダー「三菱パジェロ」はその無骨さで魅了する

2023年12月14日

三菱パジェロ キャンバストップ:無骨なオフロードコンバーチブルはトラックのような走りで、サビが大好き。しかし、三菱パジェロにはパリダカールラリーの遺伝子もあり、質実剛健なイメージでファンを魅了する。クラシック オブ ザ デイ!

「三菱パジェロL040(1982-1990)」は、三菱初の海外向けオフロード車。1983年春からヨーロッパで販売されたパジェロは、コンバーチブル、オフローダー、ファンビークルの三拍子が揃った魅力的なクルマとして、今でも愛され続けている。

コックピットは硬質プラスチックで占められている。小物入れの上には何かと便利なハンドルがある。

ラフロードを軽快に駆け抜ける初代パジェロ

1985年以降、「パジェロ」はパリダカールラリーの主役となった。今日に至るまで、三菱は砂漠のコンペティションで最も成功したブランドであり、38レースで12回の総合優勝を飾っている。選択可能な四輪駆動とオフロードリダクションを備え、砂利や砂のピットを軽快に走り抜ける。しかし、砂漠での成功にもかかわらず、「パジェロ」は決して不滅ではない。

排気量2.5リッター、インタークーラー付き、最高出力95馬力の1988年から1990年までのターボディーゼルでさえ、アンダーパワーな感じは否めない。

さらに、スムーズな走りをするモデルでもなければ、特に気合の入ったモデルでもない。0から100km/hまで、加速に18.5秒を要する。初期のギアボックスでさえ、しばしば歯ぎしりをする。

キャンバストップであれば、リアのソフトトップ(ファンは親しみを込めて「ラグトップ」と呼ぶ)には、さまざまな開口オプションがある。暑い日には、両サイドとリアウインドウをそれぞれ独立してロールアップすればいい。最大限のリフレッシュを求めるなら、ソフトトップ全体を折り返すことも、完全に取り外すこともできる。

フロントシート上のタルガルーフは、ボタンを外してレールから引き出すことができる。

1989年式三菱パジェロ キャンバストップ: 巨大なカウキャッチャーは、オフロードオープンカーのオフロードへの野心を示している。

サビでかなり間引かれたパジェロ

素朴なオフロードの魅力と多目的に使えるソフトトップが、「パジェロ キャンバストップ」を魅力的なヤングタイマーにしている。メカニックたちは、メンテナンスが簡単で、容易にアクセスできる整備性の良さに満足している。しかし、フロアパネル、ホイールアーチ、シル、サイドパネル、リアセクションに影響を及ぼすサビとの熾烈な戦いを強いられることも多い。

サビによって在庫はかなり薄くなっている。初期モデルは避けるべきで、1986/87年以降の後期モデルはディーゼル車のトランスミッションやエンジントラブルのリスクを軽減している。コレクターズバリューが高いため、キャンバストップはクローズドボディのタイプより1,500ユーロ(約25万円)以上高くなることがある。

Text: Margret Meincken and Matthias Techau
Photo: Sveinn Baldvinsson