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第16回 「クラシックカーフェスティバル in 桐生」を訪ねて

2023年11月6日

16回目となった「クラシックカーフェスティバル in 桐生」が、今年も群馬大学理工学部のキャンパスで盛大に開催された。毎年参加車が殺到し、主催者がお断りを入れなくてはいけないほどの人気イベントなのだが、2万人以上もの来場者が会場に足を運ぶという、その秘密はいったいどこにあるのか。当日の楽しそうな風景から、ぜひその魔法の秘訣を感じ取ってほしい。

歴史ある落ち着いた街、群馬県桐生市にある群馬大学理工学部キャンパスをメイン会場として毎年11月の初めに開催されている「クラシックカーフェスティバル in 桐生」は奇跡のようなイベントである。

群馬大学理工学部という公立大学のキャンパスのほぼすべてを使って開催されている、という条件が奇跡的なことだ。

大学構内のわずかな隙間にさえ、展示された車輛や設営されたブース、老若男女問わず多くの笑顔で自由にイベントを楽しむ。昔所有していた思い出の一台を熱く語る万年青年や、家族連れで「自動車お絵かき教室」に参加する家族、ソウルフードである焼きまんじゅうを頬張りながら超高級車を眺めるカップル・・・。各自が想い想いのスタイルで、気ままに自由な時間を過ごす会場には、無粋な立ち入り禁止のロープも、高額な入場料もない(無料のイベントなのだ!)。

パレードに出発する車輛。歩道橋にもウオッチャーが鈴なりなことに注意。

さらにその会場だけではなく、ラリーやパレード等を行っている桐生の街全体がこのイベントを歓迎し、盛り上げているかのように感じられることも奇跡の出来事であると言ってよいと思う。

歴史ある街中と紅葉した道程を使用したラリーやパレードの際には、笑いながら旗を降って色とりどりのクラシックカーを大歓迎してくれる街の人々を見ていると、来年もまた再訪しなくっちゃいけないなぁ、という暖かく優しい気持ちが自然と生まれる。まさにそれこそが「クラシックカーフェスティバル in 桐生」の魅力なのだと思う。

これ以上余計な駄文を重ねることはやめて、多幸感あふれる当日の空気を写真で感じてほしい。

アルファロメオなどイタリア車のコーナー(と後ろにはDSなどのフランス車コーナー)。
名前を一発で言えたら大エンスー間違いなしの珍車も数えきれないほど。
ヨーロッパのキュートでエレガントなクルマたちも多数参加。
妙にアメリカチックな色のシルビア。コール天生地のシートが素敵。
330セドリック。ブロアムではなく、SGLで、カラードホイールがいい雰囲気である。
会場の中でも異彩を払っていたのがこの911R。程度はミントコンディションである。
まさに超希少なポルシェ911R。おそらく、これ以外はポルシェミュージアムでしか観られないだろう・・・。
芸術作品のようなマスコット。なまめかしく、美しい。
見事なクラシックカーの数々を目の当たりにすることができるのがこのイベントの素晴らしさ。
フォード車2台。GT40はレプリカかどうか、判断つかず・・・。
コーリン チャップマン一族。群馬大学理工学部キャンパス近辺は、ちょっと無粋な道路工事で、路面が悪い部分も散見されたため、スタビを打たずに気をつけてお帰りください。
ボルボinボルボ。同じモデルがカーゴルームに置かれた入れ子構造になっているというのがお洒落(うしろの大学の案内も、テキストを模っていて妙にお洒落)。
後ろヒンジの三菱の軽自動車のバン。カーテンとルーフキャリアがいい感じである。
乗用車だけがクラシックカーではない!こういう働く車もバスも立派な参加車である。
毎回恒例の子供たちによる「お絵かきコンテスト」。当日書いた作品は、来年度のパンフレットの表紙に採用されるというなんとも粋な計らいアリ。
いうまでもなく世界で一番有名なボンドカーDB5・・・なのだが、後ろのトヨタ2000GTに一極集中してしまっているのが不可思議でならない・・・。
会場内にはショップもキッチンカーも充実。これは故今村幸治郎画伯のグッズ販売ブース。
マスタングの群れ。ワイヤーホイールとホワイトリボンタイアが、メタリックのボディとマッチして実に美しい。
スカイライン村。ケンメリも多く参加し、ひっきりなしにおじさんたちが訪問する。
ルーチェ レガート。二桁ナンバープレートということは、長年大切にされてきた証拠である。
今回の特別展示車「スバルA-5」。市販化が見送られ、お蔵入りになった一台だが、クリフカットでレトロモダンである。この特別な1台と、お隣の2000GT×2台だけが「囲いの中」で、ほかには一切の無粋なロープの障害物などがないことが、実に素晴らしい。
群馬大学理工学部のキャンパス内はあっちもこっちもクルマだらけ。展示された車輛の総数は300台以上だという。
ボンビキビンビン、ボンビキビンビン・・・と鼻歌を歌いながら(たぶん・・・)、DB5をのぞき込む紳士。

Text : 大林晃平
Photo : AUTO BILD JAPAN

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