世界最大の独立系修理工場ネットワーク「ボッシュカーサービス(BCS)」が益々進化する
2023年11月6日
2023年10月27日、世界最大の独立系自動車整備ワークショップチェーンであるボッシュカーサービス(BCS)が、日本の加盟店代表を集めて、定例の「ボッシュカーサービス全国会議2023」を開催した。
自動車部品サプライヤーとしてのBoschは自動車に搭載されるハードだけでなく、それを適切に供給して使い続けるためのサービス、アフターマーケット事業について世界でネットワークの強化を図っている。それがBosch Car Service(BCS)という自動車整備会社のネットワークだ。
「BCS(ボッシュカーサービス)全国会議2023」は日本のBCS加盟店が集まり、Boschが描く自動車整備事業に関する現況と今後についての報告、ネットワークの強化のための意見交換、親睦を深める場となっている。会場は、横浜大桟橋。日本全国から100社を超える事業者が集い、3時間を超えるビジネスセッション、成績優秀店舗の表彰式、交流会を行った。
始めのプレゼンテーションは、フェデリコ・ビアンコ氏(ボッシュ オートモーティブアフターマーケット事業部)からボッシュグループのビジネスについて、業界の変化への対応とその方向性が説明された。
続いて、エンギン・ビュックバルバック氏(ボッシュ オートモーティブアフターマーケット事業部)から2022年のグローバル実績の報告とBCSネットワーク構築の重要性が説明され、BCS加盟店のさらなる発展のためのコミュニケーション強化を引き続き行うことが説明された。「BCS」というユニークな自動車整備会社のネットワークの存在と規模感を感じることができた。
また、この会議でのトピックとも言える発表がクラシックカーサービスだ。2024年にスタートするというクラシックカーサービスは、インジェクター、燃料ポンプ、イグニッションコイルなどのクラシックカー向けのスペアパーツを供給するというもので、これはヨーロッパ以外では日本が初のサービスとなる。
そして、アフターマーケットの現況、ADAS故障診断を始めとするテクニカルな説明、業界のトレンド、電気自動車向けのバッテリーや製品のラインナップの説明が行われた。その中で興味深かったのは、自動車業界における日本の影響力の大きさだ。世界では約150カ国に1万6000店舗以上を有するBCSだが、日本は世界有数規模の自動車産業国であり、自動車用アフターマーケットにおける需要に大きな影響がある、とオートモーティブアフターマーケット事業部は考えているというのだ。
ボッシュの新社屋の説明、BCSの質の向上のための監査について、BCSコミッティ関東ブロックからの報告が行われた。
質疑応答では加盟店からの積極的な疑問提示とそれにこたえるボッシュの真摯な姿勢からもBCSがまだまだ進化する余地があることを感じることができた。
現在、日本に限らず世界的にも、人手不足、後継者不足による自動車整備業界のシュリンクが問題となっている。この大きな問題に対してボッシュはDX化とサービスの質の向上、仕事環境の整備を持って対応することが重要であるとしている。つまり、厳しい審査を経て認められたBCS加盟店こそがこの厳しい状況を乗り越えていくことができると強調していた。
Text&Photo:アウトビルトジャパン