テスト アウディRS5スポーツバック すべてをスポーティな走りのために
2020年6月23日
アウディRS5スポーツバック: テスト、エンジン、価格
完璧すぎるRS5スポーツバック。全輪駆動システム、ツインターボ、多くのテクノロジー。そのすべてを活用して、RS5スポーツバックはフルスポーツサルーンに変身した。450馬力アウディをテスト。
アウディRS5スポーツバックは、基本的には、速く、パワフルで、格調高く、魅力的な車に求めることができるすべてを備えている。
例えば、パワフルな2基のターボチャージャーによって600Nmにまでパワーアップした荒々しいエンジン。そして印象的なクーペを100km/hからわずか34m以内で完全停止させる、噛み付くようなブレーキを備えている。
また可変制御のショックアブソーバーシステム、シャシーとボディのしっかりとした接合、そして最大285mm幅の粘着性タイヤで構成される、極めて確実な足元のためのスポーツギアを兼ね備えている。
スポーツカーとしては、RS5はやや物足りない
しかし、新型アウディ RS5スポーツバックには、大切な要素がひとつ欠けている。
それは、やんちゃとも思えるリアのふらつきからくるセンセーショナルな感覚だ。
RS5は、速い車としては完璧だが、スポーツカーとしてはやや貧弱だ。
2.9リッターV6ツインターボは450馬力を発揮し、自在に扱える。
もちろん、そのパワーはクワトロ四輪駆動システムを介して、見事に道路に伝えられる。
これは、例えば、0から100km/hへのスプリントで実証される。3.9秒という印象的なタイムでこの値に到達した。
ホイールスリップ?
パワーロス?
変速ミス?
何もない。
アクセルを踏んでスピードメーターの針を見るだけだ。
誰が操作していようが、時速200マイル(約320km)で走ることになる。
そしてその、あまりにも簡単に、あっけなく走ってしまう部分こそが、スポーツカーとしての魅力を失っている原因でもある。
運転プログラムが燃料の消費量を決定する
スピード次第では冒険もたっぷり味わえる。
排気系のフラップコントロールでほぼV8レベルまで音を上げ、ターボチャージャー付きのガソリンエンジンはその後、ゴロゴロと音を上げて唸りを上げる。
確かに、それはそれで鍛えあげられたエンジンサウンドだ。
エンジン自体は重く息をしているが、断熱材の下で遠く離れている。それにもかかわらず、全体に鳥肌が立つ。
しかし恐ろしいまでのパワーにもかかわらず、アウディには、しなやかな猫も載っている。ダイナミックドライビングプログラムのボタン(新型では2つのRSモードを含む)が押されていなければ、RSは凛としたサスペンションを持ち、繊細につぶやくようなサウンドを奏で、車が率先してスムーズにステアリングを切り、ギアチェンジをあっという間に完了させていく。
シートはとにかく丁寧に支えられていて、ナビゲーションの目的地などのリクエストにはボイスコントロールシステムが丁寧にコマンドレベルを引き継いでくれる。
燃費はやや欠点かもしれない。
我々のテスト中の平均燃費はリッターあたり約10kmだった。
これは、平均して(都市部での残酷な走行や高速道路でのラッシュを含む)約1.8トンの車重のこの車の平均燃費が、リッターあたり約8.3kmに過ぎないからだ。性能を考えれば一昔前ならば十分な数値ではあるが、2020年の現在となってはやや不満な数値である。
これはCO2排出量の面でも劣っていることも表している。
そして、優れたクルマには、高い価格がともなうことは覚悟しなければならない要素だ。
しかし、その見返りに、ほぼ完ぺきに近い性能を備えた、本当にホットなマシンを手に入れ、運転を楽しむことができるのだ。
【フォトギャラリーと結論】
結論:
技術的なパッケージとして完璧な車だ。
RSは、そのジューシーな450馬力の性能を、欠点なしで、道路上で存分に発揮する。その「唯一無二」のV6は文句なしに優れたユニットだ。
ボディの仕上がりも素晴らしい。
しかし、じゃっかんスポーティなスリルを欠いているのが惜しい点だ。
ただしアウディRSというのは、本来そういう類のモデルであることも事実であろう。
AUTO BILDテストスコア:2-
Text: Tim Dahlgaard, Jan Horn
Photo: Christian Bittmann / AUTO BILD