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ドイツとフランスの共同開発する戦車 レオパルド2後継モデル MGCSプロジェクト

2020年6月18日

いえ、これは模型なんかじゃありません 本物の戦車です レオパルド2の後継モデル

レオパルド2主力戦車とルクレールの後継戦車MGCS。レオパルド2 が後継車を得る。ドイツとフランスの防衛企業が共同で2035年に発売予定の戦車を開発中。メガプロジェクトの初情報!

ドイツの主力戦車「レオパルド2」は40年以上の歴史を持つ。その後継車への開発作業開始が正式に発表された。
プロジェクトは政治主導で進められている。
ドイツ企業のKrauss-Maffei Wegmann GmbH & Co. KG(KMW)とRheinmetall AG、そしてフランス企業のNexter Systemsの三社が共同で開発にあたる。
巨大な軍備プロジェクトの名称は主力地上戦闘システム(MGCS)だ。
2035年以降、MGCSはレオパルド2とフランスのルクレール戦車に取って代わることになる。

戦車プロジェクトの次のステップは?

フランスとドイツは2012年以来検討してきたドラフト案や研究方法に基づき、次の段階では、これらの提案を分析して調和させ、戦闘型戦車の共同開発の基本計画を作成する。基準には、技術的な実現可能性、能力、効率性、両軍の運用要件などが含まれる。
軍備プロジェクトのコスト: 初期情報によると、MGCSは、開発コストだけでも15億ユーロ(約1,875億円)に達する可能性がある。このコストはフランスとドイツ間で分担される。
新世代戦闘用戦車の総生産費は1,000億ユーロ(約12兆5千億円)にもなる可能性がある。

レオパルド2後継モデルの最初のドラフトでは、コックピット内の強力なデジタル化と砲の大型化が示されている。

後継車はどれだけ現代的なものになるのか?

このような巨大な軍事計画に価値を見出すためには、レオパルド2の後継車も最低でも40年は現役であり続けなければならない。そのため、将来の防衛シナリオはすでに計画段階で検討されており、新型戦闘用戦車はテクノロジーの面でも最先端のものを駆使して開発が進められる。

レオパルド2と比べて何が変わるのか?

● 現代の戦車システムでは、最大2名の兵士が搭乗して対処している。レオパルド2は4名の乗員(指揮官、砲手、装填手、運転手)で運営されている。
● 弾薬の再装填はまだ手で行われているが、将来的には自動的に行われるようになる。また、乗員ゼロでの戦闘も想定されていて、自律走行も計画されており、研究が進んでいる。
● ニューコンセプトでは、1500馬力12気筒ディーゼルエンジンをレオパルド2の既存のものと取り換える予定だ。すでに様々な軍用車両でテストされているハイブリッド駆動システムの採用も考えられている。
軽量でありながら効果的な装甲との組み合わせにより、将来の戦車は燃料消費量が少なく、燃料補給なしでより長く活動できるようになる。
新型戦闘用戦車開発プロジェクトと並行して、新しい戦闘機(FCAS)も独仏共同のもとで開発されている。推定コスト: 5,000億ユーロ(約62兆5千億円)。

新たな設計案(図はNexter Systems社によるもの)では、偵察用ドローンが搭載されていることが示されている。

エアバス同様、軍事用戦車や戦闘機が独仏共同開発されているという事実を、浅学にして初めて知ったが、両国民の相手に対する感情を考えると、意外だと思う方もおられれば、昨今のEUにおける状況を鑑みれば、さもありなんと思われる方もおられるであろう。EUの主役が両国であることを再認識した次第である(イタリアが入っていないのがさみしい…)。

また気になるのは「自律操縦」とか「無人化」という言葉であろう。戦闘機もそうだが、人間が戦車や飛行機に乗り込んで実際に操縦するという時代は終わりなのかもしれない。だがそんなロボットとロボットの戦いのようなものが、いったいどんな意味を持つのか私のような人間にはさっぱりわからない。
 

Text: Robin Hornig

こちらも合わせてご覧ください。【動画】異種格闘技! 戦車(レオパルト2)対ポルシェ(GTronic1200)