【ニューテクノロジー】ドイツの高速道路の95パーセントでハンズフリー運転が可能 フォード マスタング マッハEの自律走行システムとは?
2023年9月28日
マスタング マッハEに搭載されたフォードの部分自律走行システム「BlueCruise」。ドイツの高速道路の95パーセントでハンズフリー運転が可能になる。BlueCruise機能は間もなくフォード マスタング マッハEに搭載され、他のモデルも追随する予定だ。
フォードに運転させる: すべての「マスタング マッハE」で間もなく可能になる。「BlueCruise(ブルークルーズ)」機能により、ドイツの高速道路網の95パーセントでハンズフリー運転が可能になる。唯一の例外は、トンネルときついカーブ、つまり高速道路の出入口のほとんどである。
これは自動運転の5段階モデルのレベル2「部分自動運転」に相当する。これによりフォードは、昨年から「メルセデスSクラス」と電気自動車「メルセデスEQS」にドライブパイロットアシスタントを搭載しているメルセデスに追随することになる。
「BlueCruise」を搭載した「フォード マスタング マッハE」を運転する人は、加速車線から合流した直後から自律走行を作動させることができる。その後、「マスタング マッハE」は130km/hまで完全に自律走行する。電子機器に負荷がかかるような状況に陥った場合は、音響警告信号が鳴り、ドライバーが再び制御する必要がある。例えば、「BlueCruise」は、自動追い越しはできない。しかし、人間が手動で行わなければならない追い越しプロセスが終わると、運転ロボットは自ら再びアクティブになる。
ドライバーが注意を怠ると、システムが警告を発する
フロントカメラなどのセンサーにより、「BlueCruise」は車線標示、制限速度、交通状況の変化を検知する。これを基に、最先端のアシスタンスシステムがステアリング、アクセル、ブレーキ、車線内での車の位置を制御する。速度に応じて、前方の道路利用者との適切な距離を保つ。「BlueCruise」は、ストップ アンド ゴーの交通状況でも単独で停止&発進することができる。
ただし、ハンドルを握る人は、いつでもクルマをコントロールできるようにしておかなければならないことは言うまでもない。そのために、フォードはステアリングホイールの後ろに赤外線カメラを設置し、ドライバーの目を直接狙っている。ドライバーがサイドウィンドウで通り過ぎる風景を眺めたり、新聞紙で顔を隠したりすると、5秒後にアラームが鳴る。
BlueCruiseはサブスクリプションでのみ利用可能
「BlueCruise」は今後、すべての新型「マスタング マッハE」に搭載される。2021年および2022年のモデルには、「OTA(Over The Air)」によってソフトウェアをアップデートすることができる。ただし、「テクノロジーパッケージ」(バージョン1または2)をオプション装備する必要がある。
フォードは「BlueCruise」をサブスクリプションとして提供する。最初の90日間は無料でロボットの機能を試すことができる。その後は月額料金が発生する。フォードはその金額をまだ発表していない。ただし、サブスクリプションは月単位でキャンセル可能である。「BlueCruise」は、今後できるだけ早いタイミングで、他のフォードモデルにも拡大される予定である。
米国とカナダでは、「BlueCruise」はすでに2021年に量産が開始され、フォードとリンカーンのブランドで19万4,000台以上がすでに1億7,500万km以上を「BlueCruise」モードで走行している。欧州では、市場導入前に16万kmのテスト走行が行われた。
英国での広範なテストにおいて、フォードのエンジニアは最近、このシステムが、摩耗した道路標識、道路工事、悪天候などの困難な状況にも対応できることを確認した。
Text: Roland Wildberg