最新情報 プジョー308アップデート ステーションワゴンも投入
2020年6月13日
プジョー308(2020): エンジン、価格、装備品
308が技術的に大幅アップデート。プジョー308は、技術的に最新の状態に更新される。デジタルコックピットが装着され、これまでで最も強力なディーゼルも登場する。そのすべての情報!
プジョーは、308と308 SWの装備を改善し、最新の状態にアップデートする。
最も重要な技術革新は、将来的にはデジタルi-コックピットが装備されることだ。さらに、308にはプジョー2008から10インチのセンターディスプレイが採用され、先代モデルに比べてインターフェイスがより明確になり、操作がより簡単になる。「アクティブパック」装備を皮切りに、インフォテインメントシステムはApple CarplayとAndroid Autoによってサポートされる。これによりナビシステムや、さまざまなコネクティングシステムは大きくアップデートされることになる。
また、プジョーは各種の電子的なアシスタンスシステムもアップグレードしている。アダプティブクルーズコントロール、180度ビューを備えたリアビューカメラ、自動駐車アシストシステム、疲労警告システム、ハイビームアシストシステムなどが追加された。
また、65km/h以上の速度で作動するアクティブ車線逸脱警報システムや、緊急時にステアリングをコントロールして事故を防ぐアクティブブラインドスポット警報システムも備わっている。
エンジンは100~130馬力
177馬力のトップディーゼルは、どうやらエンジンラインナップから外されるようだ。その代わりに、プジョーは2基の新しいディーゼルエンジンと1基のガソリンエンジンを2つの性能レベルで提供している。
非力なエンジンにはそれぞれマニュアルの6速トランスミッションが装備され、よりパワフルな2台にはオプションの8速オートマチックトランスミッションが用意されている。
ガソリンエンジンは1.2リッター3気筒で、110または130馬力となる。
ディーゼルは4気筒のみで、小さい方の1.5リッターディーゼルは100馬力、2リッターエンジンは130馬力を発揮する。
さらにこのパワーレンジで満足できない人のために、プジョーは引き続き、263馬力と340Nmのプジョー308 GTiもラインナップし続ける。
合計6つの装備ライン
今回のフェイスリフトで、プジョー308には、3つの主要なグレード(ライン)とリクエストに応じて様々なオプションを提供する。
● アクティブ: デュアルゾーンエアコン、リアパーキングエイド、光と雨センサー。
オプション: Apple CarplayとAndroid Auto、電動折りたたみ式エクステリアミラー、アクセス照明とフォグランプを備えたアクティブパック。
● アリュア: 180度ビューを備えたリアビューカメラと車線逸脱警報機。
オプション: アリュアパック(キーレスアクセス&スターティングシステム、オートクルーズコントロール。
● GT: LEDヘッドライト、17インチホイール、スポーツモード。
オプション: エステートにパーキングアシスト、アクティブブラインドスポットアシスト、18インチホイール、アルミ製ラゲッジコンパートメントレールを装備したGTパック。
また、サーチャージリストには、3コート塗装の「ヴァーティゴブルー」とツートーンの16インチホイールも新たに追加されている。
価格はあまり変わらないはずだ
プジョーはまだマイナーチェンジ後の308の価格に関する情報を提供していないが、我々は、彼らが現在の価格レベルにとどまると想定している。現在、プジョー308は一律20,000ユーロ(約250万円)から始まり、308SWは20,850ユーロ(約260万円)からとなっている。
プジョー308のライバルはもちろんフォルクスワーゲン ゴルフである。このセグメントにはそれ以外のライバルももちろん多く存在しているが、その中においてゴルフが好敵手であることは間違えない事実である。
フォルクスワーゲン ゴルフはご存知のようにゴルフ8に進化し、完成度が圧倒的に高いゴルフ7に様々なエレクトリックデバイスを追加し、膨大なラインナップを持つゴルフ軍団を完成させた。
そんなフォルクスワーゲンに迎撃する形で今回308は大幅マイナーチェンジモデルを発表することになったわけではあるが、今回のマイナーチェンジの情報を見る限り、正直なところ「あんまり変わらないな」と感じたことは確かである。
もちろん目に見えない形での改良は多数施されているだろうし、そもそも308は基本的な性能が大変優れており、ゴルフと比較しても何かが著しく劣っていたり、見劣りしたりするような内容の車ではない。ゴルフを選ばずに308を選択することはまったく間違えではないし、私もこの2台から車を選ぶことになった場合、悩みに悩んで308にするかもしれない(選択する理由は優れたディーゼルエンジンのモデルがあることと、ゴルフよりもちょっとエモーションを感じることだろうか)。
だが、それと今回のマイナーチェンジモデルで308がこれから数年、ゴルフ8とがっぷり四つの大一番を展開し続けられるかどうかは別問題である。なぜならゴルフ8には、すでにAUTO BILD JAPANでレポートしてある通り、膨大でどれを選んでよいのか悩むほどのラインナップがあることと、そこに用意された様々なパワーユニットには新世代のパワーユニットも多く、より時代に即している、といえよう。
さらにフォルクスワーゲンには、ゴルフブランドとは別にEV自動車もあるし、それらに飽き足らなければSUVモデルもアウディA3のようなプレミアムモデルだって同門グループには揃っている。敵はニッチなマーケットにもぴたりと駒がはまるように、覚えきれないほどの車種をそろえて向かってくるのだから、大幅なマイナーチェンジを敢行したといっても308が油断していることは許されない状況である。
まあそんなことを言えば、プジョー308にだってSUVはあるし、今やシトロエンもDS(これだって独立したブランドのひとつだ)もそろっているわけで、いつの間にか世の中にはものすごい種類の車が用意されている時代になったものではある。
話が若干脱線してしまったが、大幅マイナーチェンジを受けたプジョー308は決して悪いモデルでもないし、このセグメントの中で積極的に選ぶことができる一台であることは間違えない。一見地味に見えるが、長く付き合えるような基本性能に優れたプジョー308のような車は、実は貴重な存在だし、プジョーというのは本来、そんな地味だが、車を知り尽くした「通(つう)」が選ぶ車なのである。
だからこそ、これからもゴルフとは違う価値観を持ちながら、地味であってもプジョー本来の魅力を醸し出すような車を作り続けて欲しい。
Text: Katharina Berndt
加筆:大林晃平
Photo: Peugeot Deutschland GmbH